今年の1月、NISA(少額投資非課税制度)がスタートしました。すでに400万以上のNISA口座が開設されたといわれていますが、若い人の割合は低く、そもそもNISAについてよく知らないという人も多いようです。 そこで、NISAの基本的な仕組みや利用の仕方について、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)の馬養雅子(まがい まさこ)さんに聞きました。

そもそもNISAについてよく知らないという人も多いようです

NISAについて

――あらためてうかがいますが、そもそもNISAとはなんですか?

NISAは税金に関する優遇制度です。

株や投資信託などを買って保有していると配当や分配金が受け取れます。また、買ったときより高い値段で売れば売却益が得られます。このような利益には通常20.315%の税金がかかりますが、証券会社や銀行などの金融機関でNISA専用の口座を作ると、そこで買った株や投資信託から得られた利益には税金がかかりません。NISA口座で買える株や投資信託は1月~12月の1年間で100万円まで。非課税期間は今のところ5年間です。 日本に住む20歳以上の人なら誰でも、1人につき1つNISA口座を開設することができます。

――NISAが導入されたのはなぜですか

NISA導入の目的の1つは、現役世代の資産作りを手助けすることです。

若い人ほど昔のようには所得が伸びず、将来受け取れる公的年金の水準も低くなるため、早いうちから資産作りを始めなければなりません。とはいえ、いまは預貯金の金利が非常に低いので、資産を殖やすには株や投資信託など預貯金以外の金融商品で資産を運用する必要があります。それをバックアップするためにNISAが作られました。

もう1つの目的は、日本経済の活性化です。

日本人の資産のほとんどは預貯金ですが、NISAによって個人の資金が株や投資信託などに投資されるようになれば、株式市場が活発になります。それによって企業が資金を調達しやすくなると、事業を発展させたり新しい事業を始めたりできます。また、新しくビジネスを起こす人が増えるかもしれません。こうしたことが日本の経済を下支えすることにつながります。

――NISAを活用するとよいのはどんな人ですか

NISAは年間100万円までの投資から得られた利益が非課税になる仕組みなので、誰にとってもメリットはあります。特に、これから資産作りをしていく若い人にはぜひ活用してほしいですね。

NISAで利用できる金融商品のうち、初めて運用する人におすすめなのは投資信託です。多くの金融機関では、NISAで投資信託の積立ができるので、まとまったお金がなくても毎月ムリのない一定額で投資信託を購入してコツコツ資産を作っていくとよいでしょう。