香港といえばマッサージ天国。お手軽な足ツボから全身マッサージ、アロマ、リンパなどが、日本より格安で受けられるという。とは言え、街には「マッサージ」の案内があふれているため、どこに行けばいいのか迷ってしまうだろう。そこで今回、昨年オープンした話題のスパを紹介しよう。

朕=王様気分で極楽マッサージに酔う!?

中国伝統のマッサージ「推拿」とは?

香港のマッサージは「推拿(すいな)」という中国古来の伝統的な手技療法で、日本の指圧・按摩など世界の整体法のルーツとなった技法である。経路に沿ってツボをマッサージすることで、滞っていた気の流れをスムーズにして自己治癒力を高め、全体のバランスを整える。緊張した筋肉を押したりもんだりする"ほぐす"マッサージとは違って手技が多彩で、他にはない気持ち良さがあるとも言われている。

そんな至極のマッサージを受けられるニュースポットが、昨年、香港島のランカイフォンにオープンした「朕足浴(Zhen foot Spa)」だ。朕とは、中国の皇帝という意味であり、王様になった気分でマッサージを受けられる場所となっている。店内は外からの光が差し込み、明るく広々とした空間にゆったりとした椅子が置かれている。女性ひとりでも安心して身体を預けられる、きれいでお手軽なフットスパなのだ。

「朕足浴(Zhen foot Spa)」はラーメン「一風堂」なども入っているきれいなビルの中にある。その他のマッサージ店もあり、安心して選べる

足のほか首や肩も癒やし、最後はお茶も

メニューは足ツボ、全身、カッピング、リンパ、妊婦向けまで、約40種もある中から選び放題。その中でもオススメなのが、店名にもなっている足ツボマッサージである。

まずは、足裏の角質取りからスタート。軽く無駄な皮膚を除去した後、花を浮かべたフットバスで足を洗い、蒸しタオルで膝から下をすっぽりくるんでリラックス。弛緩(しかん)してきた膝下全体を、熟練したマッサージ師が滑らかな手つきでオイルマッサージをしてくれる。

また、シナモン、麦、ハーブを入れて温めたショルダーピロウは、首にかけておくだけで首と肩のマッサージにもなる。これまた温かさと匂いが全身を癒し、心地よさを増幅してくれる。最後にはコーヒー、紅茶、中国茶などから選べるお茶がついて、50分コース228香港ドル(約3,000円)である。

王様・お姫様のような気分になれるマッサージを受ければ、巨大ショッピングモールや坂道を歩いた後の疲れも吹き飛び、一気に足が軽くなること間違いなし。なお、足浴という店名ではあるが、フットマッサージのほかボディーマッサージ(帝皇推拿)268香港ドル(約3,540円)、リンパマッサージ(淋巴按摩)498香港ドル(約6,570円)などもある。

フットバスで足を洗い、蒸しタオルで足を温め、オイルでマッサージ

ちなみに、香港のマッサージは日本より断然安く、50分150~250香港ドル(2,000~3,000円)くらいで受けられる。香港島側や九龍側で相場が違い、九龍側の方が安めで50分100香港ドル以下という格安のものもある。ただし、場所によってはマッサージが適当だったり、暗くて安心できなかったりするため、価格と質は比例すると言えるだろう。また、ホテルの人のアドバイスも参考にしてみるといいだろう。

※1香港ドル=13.2円で換算。記事中の価格・情報は2014年6月取材時のもの