あなたが今、好きな人に告白をするならどういう方法で行いますか? 直接会って面と向かって告白しますか? 手書きの手紙を送りますか? メールでしょうか? LINE? FAX? はたまたブレーキランプ5回点滅させるのでしょうか?

現代の急速な技術進歩のおかげで連絡を取る手段がたくさん増えてきています。しかし、その一方で大事な気持ちを伝える緊張感や特別感が薄れてしまっているのじゃないでしょうか。

僕が中学生の頃はすでに携帯電話が普及していたので告白はメールが主流となっていまして、面と向かって気持ちを伝える勇気がなかったので好きな子にメールアドレスを聞き、ロマンチックな告白メールを送ったら好きな子の家族兼用のアドレスでお父さん経由で丁重にフラれたことがあります、吉本ユータヌキです。

今やスマホを使って文面での告白というのも多くなっているのではないでしょうか。これが悪いことではないのですが、やはり直接目を見て伝えてほしいという人もいるでしょう。その反面、相手の顔色をうかがわなくても良いから気楽、落ち着いて制作した文章を送れるから気持ちが伝わる、断られた時に気マズい空気が……と臆病になってしまう人もいるのでしょうが、やはり僕は直接伝えることのが一番だと思うんですよね。

緊張の空気感の中でしか伝えられない熱量と想いはよりすぐりのきれいな言葉の羅列よりも相手の心に響くはずです。

そもそも、SNSなど一方的に発信された140文字の中で相手の気持ちの意図を捉えられなかったり、自分にとって都合の悪い文面に見えるとネガティブな方向に想像してしまったりと見えなくてもよかったなという環境が多くなったのが臆病になってしまう原因のひとつなのかもしれませんが、告白というのは後にすごく良い思い出として残るものなので、できる限り目を見て宝物になるような時間を作ってあげてほしいものです。

ここまでなぜこんなにうるさく言ってきたかと言いますと。高校時代に好きな子にメールで告白したら翌日に靴箱がチーズまみれになっていたことがあるんです。皆さんはさけるチーズで『ムリ。』と書かれたことありますか? 一番裂かれていたのは僕の心でした。あれ以降しっかりと目を見て気持ちを伝えることに……

いや、そんなことではなくて、気持ちを伝えるということの大事さは言葉の善し悪しではなく、"過程"にあると思うんです。三日三晩寝ずに考えたスペシャルドラマチックなセリフのメールよりも、遠いところからわざわざ会いに来てくれたという行動力や、うまく言葉にできなくても緊張するぐらい思ってくれてるんだろうかという姿、目を見て伝えてくれる勇気の方が何倍もドラマチックで良かったりするものなのです。

自分の都合の良い方法ではなく、どんな方法、どんな手段で言われたいか、あの子の立場になってうれしくなるようなシチュエーションを考え、伝えてあげましょう。

あ、僕自身は目を見て告白してうまく言ったことないんですけどね。それでも文面というのはこんな風にきれいなこと言えちゃうというわけです。郵便ポストにチーズ詰め込むのだけはやめてくださいね。

<著者プロフィール>
吉本ユータヌキ
唐揚げと長澤まさみをこよなく愛す1986年製のたぬき型人間。ブログ『さっきもUたやん』を中心に文章を書いたり、イラストを描いたり、背中を掻いたり。フリーカイターです。重度の虚言癖と盛り癖をわずらっていますので優しく見守ってあげてください。Twitterでは日常が垣間見え過ぎています→@gonnakill_uta