資生堂 化粧品開発センター サンケア製品開発グループ・原田太一さん

気象庁によると、6月5日に関東地方は梅雨入りしたと見られる。およそ1カ月に及ぶじめじめ時期が過ぎると、いよいよ本格的な夏到来となる。となれば、気になるのが紫外線だ。紫外線から肌を守ってくれる日焼け止め商材のお世話になる機会も増えてくるだろうが、商品を選ぶ際に何を基準にして購入しているかは人によって異なるだろう。

そこで、資生堂の化粧品開発センター、サンケア製品開発グループ・原田太一さんに日焼け止め商材を選ぶ際のポイントを聞いてみた。

―日焼け止め商材を選ぶ際のポイントを知る上での予備知識として、まずは日焼けの原因となる紫外線について教えてください

「そもそも日焼けの原因となる紫外線とは、地球に降り注ぐ太陽光線の一種です。波長の長さによって、UV-A(A紫外線)、UV-B(B紫外線)、UV-C(C紫外線)に分けることができます。UV-CとUV-Bの一部はオゾン層などの大気層が防いでくれるので、UV-AとUV-Bの一部を私たちは浴びていることになります。紫外線は日やけやシミの原因となるだけでなく、炎症を起こさせたり、肌の老化を加速させたりするので注意が必要です」。

―UV-AとUV-Bの特徴はそれぞれ違うのでしょうか

「まず、UV-Aは肌を黒くするほか、雲や窓ガラスを透過して肌の奥、真皮まで到達します。別名『生活紫外線』とも呼ばれ、シミ以外にしわやたるみの原因となります。一方のUV-Bは、屋外での日焼けの主な原因となる紫外線で、多く浴びると肌に赤い炎症を起こすこともあります。こちらは『レジャー紫外線』とも呼ばれ、しみ以外にそばかす、乾燥の原因となります。また、紫外線の中で占める割合は1割にも満たないですが、繰り返し浴びると皮膚がんを誘発する恐れもあります」。

UV-Aは屋内でのふだんの生活をしているだけでも浴びていることになり、UV-Bは屋外に出た際に特に注意しないといけないことがわかった。

日焼け止めを購入する際は、自分のライフスタイルを踏まえ、UV-AとUV-B対策のどちらを重視するかを決めてから商品を選ぶ必要がありそうだ。その2つの紫外線をカットするための指標となる「PA」と「SPF」については、次回以降紹介していく。

記事監修 / 資生堂 化粧品開発センター サンケア製品開発グループ:原田太一

2008年に資生堂入社。以来一貫してUVケア商品の開発に携わり、人々の肌を守る商品を生み出すため、日夜努める。