最近、若者たちの間で、舞台人気が高まっているという。特に、圧倒的なスケールで描かれるエンターテインメント演劇は多くの観客を集め、チケットがプラチナ化することも稀ではない。壮大な舞台装置に人気俳優たちの躍動する肉体も見所のひとつと言えるが、そもそも「舞台を見に行く」ということに対して、ちょっとハードルの高さを感じる人もいるかもしれない。マイナビニュース読者300人に対して「舞台を見たことがありますか?」と聞いてみたところ、おおよそ60%が「いいえ」との回答だった。

舞台を見たことがありますか?

有名な俳優が沢山出演するような舞台から、街の小劇場で演じられるような小さな舞台まで、一口に舞台と言っても様々な規模があることから、「見てみたいけど、どういう舞台が初心者にはおすすめなのか分からない…」なんて二の足を踏んでいる人が多いのではないだろうか。

そこで、マイナビニュースがまず初心者にオススメしてみたいのが、「歴史モノ」である。「えー時代劇?古臭い!」なんて思うなかれ。昨今では「歴女」という言葉が表すように、歴史モノは若者たちの間で大流行中であり、舞台もそれにともなって、若者が楽しめる演出をふんだんに取り入れているのだ。

当記事では、マキノノゾミ脚本、堤幸彦演出、中村勘九郎、松坂桃李出演で話題になった舞台「真田十勇士」にあやかり、マイナビニュース読者の真田十勇士やヒーローに関する読者アンケートを行った。

「時代劇=古い」という考え方が古い!

中村勘九郎、松阪桃季、比嘉愛未、真矢みきなど豪華キャスト陣。プロジェクトマッピングなど駆使した堤幸彦のけれんたっぷりな演出。『真田十勇士』は壮大なスケールの大スペクタクル時代劇として大評判となり、東京、大阪公演は連日超満員となり話題となったのだが、果たして『真田十勇士』の物語はどれほど一般に知られているのだろうか?「戦国時代最後のヒーローともいわれている『真田十勇士』を知っていましたか?」と質問したところ、「はい」と答えたのは38.0%(114人)、この結果は少し寂しい気がする。

戦国時代最後のヒーローともいわれている『真田十勇士』を知っていましたか?

真田十勇士とは、戦国ファンの間で人気ナンバーワンともいえる武将・真田幸村とその家臣10人の英雄たちの物語。甲賀忍者・猿飛佐助、伊賀忍者・霧隠才蔵、破戒僧・三好清海入道などが徳川家康と戦う戦国ヒーローものの定番だ。江戸時代には講談などで庶民を熱狂させ、今日でも小説や映画、ドラマ、漫画と数多く作品化されている。

そもそもなぜ時代劇というものが、若い世代には受け入れにくいのだろうか。そこで読者に「時代劇のイメージを教えてください」と尋ねてみたところ、やはり次のような否定的な声も少なくなかった。

・「話が難しい」(33歳女性/商社・卸/秘書・アシスタント職)
・「型通りの展開、決まり文句ばかり」(29歳女性/情報・IT/専門職)
・「登場人物が多く覚えにくい」(50歳以上男性/電機/技術職)
・「古くさい」(25歳男性/医薬品・化粧品/技術職)

「お年寄りが見るもの」「歴史がわからない」といった声もあがったが、一方で肯定派の意見も多数見受けられた。

・「野心と心意気でのし上がる。かっこいい」(43歳男性/情報・IT/技術職)
・「若手人気俳優が出るので意外に面白い」(26歳女性/建設・土木/事務系専門職)
・「最近は新しい切り口、見せ方をするので新鮮」(47歳男性/アパレル・繊維/事務系専門職)

そうなのである! 「古くさい」などとんでもない。肯定派の声にあるように、平成の時代劇、特に舞台時代劇は、壮大な舞台装置やワイヤーアクション、豪華絢爛たる衣裳などで観客を圧倒するスペクタクル絵巻に進化を遂げている。一度見たら熱狂的なファンになるほどの大きな魅力あふれているのだ。