ThinkPad 8は、レノボのThinkPadシリーズの堅牢性、そして8型という現在のトレンドサイズ(7型前後)を取り入れたタブレットだ。そして、ビジネスブランドであるThinkPadらしく、ほかのモデルよりもちょっとスペックが高いところが魅力の製品となっている。
■[製品名] ThinkPad 8 主な仕様 [CPU] Intel Atom Z3770 (1.46GHz) [メモリ] LPDDR3-1066 2GB [グラフィックス] Intel HD Graphics (CPU内蔵) [ディスプレイ] 8型ワイド液晶 (1,920×1,200ドット) [ストレージ] 128GB フラッシュメモリ [サイズ] W224.3×D132×H8.8mm [重量] 約430g [バッテリ駆動時間] 約8時間 [OS] Windows 8.1 Pro 32bit
"ひとつ上"のスペックを備えるThinkPad 8
ThinkPad 8には、Bay Trailこと新世代Atomを搭載している。新世代Atomは、以前のAtomからマイクロアーキテクチャを新たにし、アウトオブオーダー型を採用することでCPUパフォーマンス向上している。加えて、Intel Coreプロセッサと同じIntel HD Graphicsを統合GPUとして新たに採用することで、GPUパフォーマンスも大きく向上し、小型で省電力なデバイス向けのプロセッサとしてはグッと快適さを増している。
レノボからは、ThinkPad 8に先立ち、コンシューマー向けブランドから同じ8型クラスのBay Trailタブレット「Miix 2 8」がリリースされているが、こちらは低価格とタイムリーなリリースが相間って人気を博している。特に"ブラウザゲーム"を楽しむにはちょうどよいスペックと携帯性、バッテリー駆動時間などを実現し、その注目度は高い。
一方のThinkPad 8は、ThinkPadブランドということでターゲット層が若干異なるため、スペックはMiixよりパワーアップされている。8型というディスプレイサイズは共通しているが、解像度はMiix 2 8が1,280×800ドットであるのに対し、ThinkPad 8は1,920×1,200ドットへとより高解像度になっている。CPUも、Miix 2 8はAtom Z3740(1.33GHz/2MB)なのに対し、ThinkPad 8はZ3770(1.46GHz/2MB)へと強化されている。
メモリはLPDDR3-1066の2GB、ストレージは64GBまたは128GBとなっている。メモリが2GBなのは、新世代Atomタブレットとしては標準的。ほかの部分が高スペックなだけに4GB欲しかったところだが、チップの実装面積やバッテリー駆動時間との兼ね合いだろうか。
ストレージは、コンシューマー向けのタブレットが32GBまたは64GBという点からすると、128GBという大容量な選択肢の追加はうれしい。特に32GBモデルでは、OSを除く利用可能容量が心もとなく、オンラインストレージやMicro SDなどにデータを退避する必要性が出てくる。企業の運用規定で、オンラインストレージが利用できなかったり、取り外し可能なメディアの使用に制限がかかるような場合は、大容量モデルのラインナップが重要となるだろう。
無線インタフェースは、Bluetooth 4.0と、IEEE802.11a/b/g/n対応無線LANが利用可能だ。このあたりはWindows 8.1を搭載した8型タブレットとしては標準的。3G/LTEデータ通信は、現時点で非対応となる。また、それらモデムに統合されるGPSも利用できない。つまり、地図アプリケーションで現在位置を表示する場合、頼れるのはWi-Fiアクセスポイントからの情報くらいである。
現在、Windows 8.1搭載8型タブレットの多くが同じような問題を抱えているが、ビジネス用途として、地図アプリケーションで現在位置を取得できないのは少し不便ではないだろうかと思う。