Windows XPのサポート終了を控え、移行の準備を進めている方もいるだろう。本連載では、そのための情報や支援ツールなどの紹介をしたい。まずは、移行の準備である。

「Windows XPからの移行を目指す」 連載リンクはこちら
・【ハウツー】Windows XPからの移行を目指す - 第1回: 移行のための準備・予備知識編
http://news.mynavi.jp/articles/2014/01/21/xp_migration/
・【ハウツー】Windows XPからの移行を目指す - 第2回: MS純正のWindows転送ツールを使ってみる
http://news.mynavi.jp/articles/2014/02/04/xp_migration/
・【ハウツー】Windows XPからの移行を目指す - 第3回: トレンドマイクロの「おまかせ! 乗り換えサービス for Windows 8」を使ってみる
http://news.mynavi.jp/articles/2014/02/26/xp_migration/
・【ハウツー】Windows XPからの移行を目指す - 第4回: AOSテクノロジーズ「ファイナルパソコン引越し11plus」を使ってみる
http://news.mynavi.jp/articles/2014/03/24/xp_migration/

Windows XPを使い続けるリスク

すでにご存じのユーザーも多いと思うが、2014年4月8日をもって、Windows XPとOfiice 2003がサポート終了となる。これらを提供するマイクロソフトでは、さまざまな形でサポート終了と継続して使用するリスクなどを紹介している(図1)。

図1 マイクロソフトによる特設サイト

本誌でも、

Windows XPを使い続けることは可能か? - 阿久津良和のWindows Weekly Report
「なぜXPを使い続けてはダメなのか」 - XPサポート終了後のリスクとは

のように、XPのサポート終了に関する記事を掲載してきた。基本的にWindows XPを使い続けることは、セキュリティ上、非常にリスクが高いということである。セキュリティ対策ソフトがあれば大丈夫だろうか? 残念ながら、100%安全とはいえない。攻撃のきっかけとなる脆弱性を放置しているので、対処療法にしかならず、パターンファイルの更新の隙間に、被害に遭うことも想定される。

アプリケーションもサポート対象外に

ここでもう1つ覚えておきたいのは、アプリケーション側もXPでのサポートが終了することだ。フリーのWebブラウザなどは、2015年4月くらいまでは、サポートを表明している。しかし、有償のアプリケーションは、4月9日以降サポート対象外となるものが多いようだ。図2は、ソースネクストのサポート終了のお知らせである。

図2 Windows XPサポート終了

例外として、セキュリティ対策ソフトのパターンファイルの更新は継続する。これも4月9日までに移行できないユーザーを救済するための目的であり、2015年12月末まで使えると考えるべきではない。

OSアップグレードは絶望的、新しくPC購入が必要

では、移行方法を考えてみたい。まず、浮かぶのは、使用中のPCをWindows 7や8.1にOSごとアップグレードする方法である。これには、システム要件を比較する必要がある。まず、Windows 8.1のシステム要件である。

  • CPU:PAE、NX、SSE2をサポートする1GHz以上のプロセッサ
  • メモリ:1GB(32bit)または2GB(64bit)
  • HDD:16GB(32bit)または20GB(64bit)
  • グラフィックスカード:DirectX 9グラフィックスデバイス(WDDMドライバ)

Windows 7もほぼ同じである。一方、Windows XPでは、以下の通りである。

  • CPU:233MHzのプロセッサ(300MHz以上を推奨)
  • メモリ:少なくとも64MB(128MB以上を推奨)
  • HDD:1.5GBの空き容量
  • グラフィックカード:Super VGA(800×600)以上

Windows XPがリリースされた頃のPCでは、まったく使いものにならないであろう。2005年頃のハイエンドPCで、メモリ増設やグラフィックカード交換する方法もあるが、10年前のPCへの投資自体、あまり効率的ではない。

したがって、OSのみのアップグレードは非現実的と結論してもよいだろう。さらに、Windows 8.1のアップグレードインストールで、ユーザーデータが保存されるのは、Windows 7のみである。XPやVistaでは、インストール時にHDDのフォーマットが行われるので、この点からも推奨できない。以上から、現状のPCを使うことはあきらめ新規にPCを購入し、現状のXP環境をどこまで、新しい環境に移行できるかがポイントとなる。

さて、新規PCを購入する場合、OSはWindows 8.1と7のどちらを選ぶべきか? タッチパネルを搭載したタブレットやノートPCならば、迷わずWindows 8.1となる。デスクトップ機などで、タッチパネルを使わないのであれば、判断がわかれるところである。しかし、本記事を読んでいるXPユーザーならば、Windows 8.1を推奨したい。理由は、Windows 8の方がサポート期間が長いからだ。XPをここまで使ってきたので、次のPCもそれなりに長期間使うことが予想される。ちなみに、サポート期間は、次の通りである(本稿執筆時点、延長サポートまで)。

  • Windows 8:2023年1月10日
  • Windows 7:2020年1月14日

この先、どのようなOS(Windows 9?)登場するかはわからない。しかし、少しでも長い方が安心といえるだろう。