Mavericksのアップデートに伴い、iLifeのソフトーiPhoto、iMovie、GarageBandがそれぞれアップデートされた。アイコンが一新された他、インターフェイスや機能も変更になっている。バージョンアップ直後に速報記事をお伝えしたが、今回はそれぞれのソフトのアップデート内容をもう少し詳しく見てみることにしよう。

大きな変更がないiPhoto

表面上、あまり大きな違いが見られないのがiPhotoだ。内容としては64bitサポート、撮影地表示の地図がGoogle MapからMavericksのマップソフトに変更されているが、その他の機能に大きな変更はない。フォトストリームと呼ばれていたものはiCloudという名称になり、アイコンも変わっている。右下部にあったツールボタンも「作成」ボタンがなくなったが、機能は「共有」ボタンの中に統合されてこれも変更はない。プロ用の写真現像ソフト Apertureもそうだが、2011年から大きなバージョンアップがないというのもちょっと残念なところだ。このままではAdobeのLightroomにユーザーを持って行かれてしまうのではないかと心配になる。

地図の表示がMavericks標準のMapに変更になっている

下部のツールバーが変わっているが実際に使える機能は変わらない

動画編集がしやすくなったiMovie

一番大きく変わったのはiMovieだろう。まずUIが大幅に変更され、フラットデザインになった。ライブラリはすべて左側のサイドバーにまとめられ右上に、編集用のウインドウが下になって時間表示付きのタイムライン表示になった。編集ウインドウではムービーと音声が別のバーになり、ムービーも2つを重ねて透明度をしたりと編集の自由度が高くなった。また自動コンテンツ機能があり、挿入されたコンテンツに応じてトランジションやタイトルを付けることができる。

黒くてシャープなフラットデザインになったiMovie。右側にライブラリがまとまり、上部に素材とプレビュー、下部が編集ウインドウになる

編集部はビデオのラインを2段まで使えるようになり、透明度を変えて重ねて表示できる。BGMも別ラインになり、マウスカーソルで音量も調整しやすくなった。トランジション(画面切り替え)やテロップ(紫色の部分)はテーマに応じたものが自動的に挿入されるようになっている。すべての項目はドラッグ&ドロップで移動が可能だ

ビデオにはエフェクトを使ってムービーにフィルターがかかったような効果を与えたり、声や周囲の音に効果を加えるオーディオエフェクト機能も追加された。

ムービーにフィルターを付けるビデオエフェクト。ソフトフォーカスっぽいものやセピア調など20種類が使える

オーディオエフェクトは声をロボット調にしたり、広い空間を演出するエコー効果を付けられる

iCloudを使った共有機能では「Theater」機能が追加された。これは作成した動画をiCloud上に保存して、MacとiOS機器で共有する機能で、iPhoneやiPadのiMovieでMacで編集したムービーを再生したり、逆にMac上でiOS機器で作られたビデオを再生することができる。

編集ができたコンテンツは共有ボタンからTheaterを選んでiCloudへアップロードする

iPhoneのiMovieでも表示できる。編集はできない

GarageBandの新機能はヴァーチャル・ドラマー機能

GarageBandは操作系のボタンやインジケーターパネルが下部から上部へ移動。また音源ライブラリが右から左へ移動したが、機能的には大きな変更はない。音源類やループに関しては新しくなっているようだ。

音源ライブラリは右から左へ、ループはそのままの位置に。操作ボタンとパネルが下から上へとUIに一部変更があるが大きな違いはなく、ループを並べたり、MIDIキーボードを繋いでシンセサイザーをコントロールしたり、ギターを繋いでリアルな音源を録音して利用する

新しい機能としてはやはりヴァーチャル・ドラマーだろう。すでに上位ソフトのLogicには搭載されているが、それぞれ個性のあるプレイヤーを選ぶと、その個性に合った演奏を自動的に行ってくれるというもの。ドラム音源を変更したり、マトリックス上でポインタを動かすことで演奏を複雑にしたり、キックやハイハット、シンバル、パーカッションを選んで使わせたりすることで、他にはない独自のパターンを使うことができる。

ドラムを選ぶと下部に表示されるドラマー。左側でジャンルとプレイヤーを選び、右側で操作する。マトリックスのポインタや使うパートを変更すれば自由なパターンが作れる

ただし最初にインストールされているドラマーはKyleだけ。他のドラマーを追加するには、GarageBandの追加コンテンツを購入インストールする必要がある。これには150のサウンド、1,500のループ、38のレッスンも追加されるので、よりたくさんの音を求める人は購入しよう。

追加コンテンツにはドラマーの他にいろいろなものが付いてくる。価格は500円

これらのソフトは新しくMacを買った人にはMacの中に入っており、以前からiLifeを使っている人も無料でバージョンアップが可能だ。同じく無料でアップデートできるMavericksと合わせて一気にバージョンアップしておこう。