本格的な直径25cmのピザが1枚丸ごとで280円からという激安ピザ店「センプレピッツァ」が話題を集めている。どうしてこんな低価格で提供できるのか話を聞いてみた。

トマトソース・ニンニク・オレガノを使った(チーズはナシ)「マリナーラ」。高円寺店では、イートインが280円、テイクアウトが380円

センプレピッツァは、現時点で東京に7店舗、高知に2店舗を出店している激安ピザ店。テイクアウト専門店を中心に、イートインを行っている店舗やアルコールを提供している店舗もある。ピザの価格は店舗によって異なるが、高円寺店(東京)の「マリナーラ」1枚280円(イートイン)が最も安く、その他の店舗でも300円~400円台からピザが1枚丸ごと食べられる。その安さから、1ピースやハーフの価格と勘違いしていた来店者も多いそうだ。

同店によると、ピザの原価で大きな割合を占めるチーズを大量に仕入れてコストを削減しているほか、メニューをピザに絞ることでロス率を低下させ、テイクアウトの特化やイートインでのセルフサービス導入により人件費を削減するなど、さまざまな工夫を行って低価格を実現させているという。なお、同じ店舗の同じ商品でもテイクアウトは箱代を上乗せするため、イートインの方が価格が安く、店舗によってはサイズの異なるピザを提供しているので価格にも違いが出るとのこと。

「センプレピッツァ高円寺店」

こうした業態を開始したのは、「本場ナポリでは低価格で庶民的なピザを、日本でも多くの人に気軽に楽しんでもらいたい」という思いから。ピザの原価は決して高くはなく、イタリアではファストフード的な位置付けであるため、日本でもファストフード的なピザ店の実現を目指したのだという。

センプレピッツァは、フランチャイズ展開も取り入れるなどして店舗数を拡大中であり、3年で50店舗、5年で100店舗以上という目標を掲げている。出店する地域は日本全国が対象となっているため、どこに住んでいても激安ピザを気軽に食べられる時代が来るかもしれない。