Windows 8/8.1で完全なデスクトップ環境を再現
まもなく登場するWindows 8.1。長らくWindows OS(オペレーティングシステム)を使い続けてきたユーザーにとって、Windows 8から加わったスタートボタンの廃止は、デスクトップ環境に対して著しい影響を及ぼすため、Windows 7からのアップグレードを控えるユーザーも少なくない。そしてWindows 8.1ではスタートボタンが用意されたものの、スタートメニューは復活せずにスタート画面やアプリビューの使用を強いられる。
個人的感想を述べれば、スタート画面/アプリビューは慣れてしまえば、デスクトップ環境でも"それなりに使える"存在だ。しかし、Windows 7以前のデスクトップ環境を利用したいとうニーズは決して少なくない。そのようなユーザーの救世主となったのが、独自のロジックでスタートメニューを表示する「Classic Shell」である。2008年当初はWindows VistaのUI(ユーザーインターフェース)を一部改良するための小さなユーティリティツールとして公開されたが、Windows 7で廃止されたWindows XPライクのスタートメニューを復活させるためツールとして注目を集めてきた。
冒頭で述べたようにWindows 8のドラスティックなUI変更に伴い、Classic Shellの対応OSとして、Windows 8が加わったのは2012年1月リリースのバージョン3.3.0から。同年3月のバージョン3.5.0ではWindows 8コンシューマープレビューをサポートし、同年8月リリースのバージョン3.6.0でWindows 8を公式サポート。本稿をご覧になった方の中にもWindows 8+Classic Shellでデスクトップ環境を享受している方も少なくないだろう。そのClassic Shellがバージョン3.0.0から数えて約2年半ぶりのメジャーバージョンアップとなる4.0.0を発表した(本誌記事)。
新たにWindows 7ライクなスタートメニューを利用可能にする「Windows 7 Style」を追加し、メニューからプログラムメニューを呼び出せるのはもちろん、検索結果やジャンプリストが参照可能。文字どおりWindows 8およびWindows 8.1で以前のデスクトップ環境を利用可能にするという。また、Windows 8.1上で利用する場合、独自に加えたスタートボタンではなく、ネイティブのスタートボタンを使用するため、違和感なく利用できるだろう。
そこで今回は、まもなく登場するWindows 8.1にClassic Shell 4.0をインストールし、その利便性や改善点を報告する。なお、今回のバージョンアップに伴い、Windows VistaおよびWindows Server 2008がサポート対象外となった。同OSユーザーは2013年6月にリリースされたバージョン3.6.8が最終版となるので注意してほしい。
公式サイトからバージョン4.0.0をダウンロードし、インストーラーを起動すると、以前と同じくインストールするコンポーネントの選択が可能だ。構成はエクスプローラーにボタンやクラシックなステータスバーを追加する「Classic Explorer」、スタートボタンおよび同メニューを有効にする「Classic Start Menu」、Internet Explorerに独自機能を持つバーを追加する「Classic IE」、そして自身の自動アップデートを行う「Classic Shell Update」の4つ。Classic Start MenuやClassic Shell Update以外は好みや用途に応じて選択するとよい(図01)。
インストールを終え、そのままスタートボタンをクリック、もしくは[Win]キーを押すと、対処にSettings for Classic Start Menu 4.0.0ダイアログが起動し、スタイルやボタンデザインの選択などを求められる。各タブではClassic Shellの動作などを左右する設定項目が用意されているが、初回はこのままダイアログを閉じて構わないだろう。これでWindows 8やWindows 8.1でWindows 7ライクなスタートメニューが復活する(図02~03)。
筆者も久しぶりにClassic Shellをインストールしたが、秀逸なのは使用頻度の高いプログラムリストに「スタート画面」が登録されている点だ。同項目を選択すると文字どおりWindows 8/8.1のスタート画面が現れ、同環境による操作やカスタマイズが可能になる。また、各WindowsストアアプリもあらかじめOSが用意したショートカットファイルが登録されているため、デスクトップアプリとWindowsストアアプリを同じ感覚で利用できるだろう(図04)。