ワコムは4日、ペンタブレット製品のブランド統合を発表した。これまでは「Bamboo」として販売されていたエントリーユーザー向けのペンタブレットを「Intuos」に改称。そして、「Intuos●(番号)」と呼ばれていたプロフェッショナル向けペンタブレットの名称が「Intuos Pro」となった。

今回は、主にデザイン面の変化やフォトグラファーならではの想定利用シーンなどについて、フォトグラファー・レタッチャーの御園生大地氏に、実際にタッチ&トライを行った上で語っていただいた。

「Intuos」は"ライトに使いたいプロ"にも使える製品

エントリーユーザー向けペンタブレット「Intuos」(左:Medium、右:Small)

Mac製品と併せて使う時の相性もかなり良い

まず御園生氏は、「Bamboo」の頃とはがらりと印象を変えたエントリーユーザー向け機種「Intuos」に注目。同氏が「デザインがシックになった」と語る通り、従来のカラーバリエーションをなくし、落ち着いたシルバーとブラックの二色でまとめた本体デザインはかなり印象的だ。

本体裏には替え芯が収納可能

「Intuos」のペン。「Bamboo」時代にはなかったグリップが追加されている

このデザイン変更や、従来の「Bamboo」シリーズにはなかったペンのグリップがついたことを受けて、御園生氏は「ライトに使いたいプロユーザーにも扱いやすくなった」とコメントした。というのも、同氏によれば、フォトグラファーの中にはペンタブレットを"食わず嫌い"してしまっているような人や、「昔ながらのこだわり」のためにペンタブレットを所有していない人もいるという。

「Intuos Comic Pen&Touch」(Small1万1,980円、Medium1万8,980円)のパッケージ(左)、「Intuos Pen&Touch」(Small1万1,980円、Medium1万8,980円)のパッケージ(右)。パッケージの図柄でターゲットに合わせて印象を変えているようだ

しかし、御園生氏は、「ペンタブレットを導入することでカーソルの動きが速くなり、写真加工の効率が上がる」ため、まだ取り入れていないプロにはぜひ使ってみてほしいと考えているという。デザインがシックになったことで、仕事として使う際に持ち歩くにも適したデバイスとして、アマチュアのみならずプロの"ペンタブレット初心者"にも使えるものになったと言えそうだ。

ただ、プロが手がける作業の量を考えると、芯の素材が固めの材質1種類のみとなっている「Intuos」で本格的な作業を行うのは、体への負担が少し心配な面もあると同氏は語る。プロが「Intuos」を使う場合は、外出先での使用や、ペンタブレットに慣れるための入門編という立ち位置になりそうだ。

「Intuos Pro」の嬉しい変更点は?

これまで「Intuos●(番号)」として展開されていたプロフェッショナル向けペンタブレット「Intuos Pro」。こちらは「Intuos5」の高い性能を継承した仕上がりになっており、細かな部分に変更が加えられている。

そんなささやかな改変も、仕事で長時間触れることになるプロにとっては大きな変更と言える。御園生氏はふたつの点に注目した。ひとつ目は、ファンクションキーが「Intuos5」のやわらかな感触のフラットなスイッチ式から、「カチッ」とした感触の独立キーに変更されたことだ。好みが分かれる部分ではあるが、御園生氏はしっかりした押し心地のボタンが使えるのは嬉しいとのことで、ボタンの変化に心惹かれるプロユーザーも多いのではないだろうか。

「Intuos Pro」は「Intuos5」の高機能を受け継いだマットなブラックのボディ。ファンクションキーが独立し、押し心地が変更されている

そしてもうひとつの注目の変化は、これまでオプション扱いだったワイヤレスキットが全サイズ標準装備になった点。コードにわずらわされず自由なポジションで作業できるワイヤレス機能を必ず使えるというのは魅力的だ。

なお、マイナビニュースでは「Intuos」ならびに「Intuos Pro」について、漫画家・平尾リョウ氏による両機種の所感レポート各機種の詳細情報を掲載したニュース記事も掲載しているので、漫画と写真、異なる分野のクリエイターの視点から両機種を検討してみてほしい。