ローソン店頭で販売されていたSquareリーダー。価格は980円だが、同梱のボーナスコードを専用ページで入力すると1,000円のキャッシュバックが受けられる。なお、製品価格と1,000円のキャッシュバックシステムは、従来のApple Storeでの販売形態と同じ

8月6日、全国のローソン店舗で、モバイル決済用クレジットカードリーダー「Squareリーダー」の販売が開始された。

従来、国内ではSquareのWebサイトおよびApple storeでのみ販売しており、気軽に購入というわけにはいかなかったが、6日からのローソン店頭での販売開始により、Squareリーダーはより身近な存在になったといえる。

ではSquareリーダーで一体何ができるのか? と気になる方も多いだろう。今回ローソンで実機を手に入れたため、写真を中心に簡単なファースト・インプレッションを紹介していこう。

先にSquareリーダーの概要を説明しておくと、本機は大規模なクレジット決済システムの導入が難しい個人事業主や中小企業向けの、「スマートフォン・タブレット対応クレジットカード決済端末」というもの。合わせて使うPOSアプリも当然ながら、売上記録・管理用途に特化している。

対応クレジットカードはVisaまたはMasterCard。手数料は一回の取引につき決済金額の3.25%。振込は三井住友銀行を登録していた場合は翌営業日、その他銀行の場合は7営業日以内となる。なお、手数料については、以前は5%前後だった競合他社と比べ割安だったが、現在は同様のサービスを展開する楽天スマートペイやCoineyが3.24%に改定している。

ちなみに、Squareリーダーを提供する米Squareは、Twitter創業者の一人、ジャック・ドーシー氏が2009年に立ち上げた会社だ。Squareリーダーの取り扱い店舗数は全世界で約40,000店、年間取扱額は110億ドルに上るという。

それでは、「Squareリーダー」の"開封の儀"を進めていこう。

ローソンで販売していた「Squareリーダー」。裏面には商品説明に加え、1,000円のボーナスコードについての記載もある。側面には、Squareリーダーがメキシコで組み立てられていること、ボーナスコードは1ユーザーにつき1ボーナスであることなどの注意書きもあった

商品を開けてみたところ。おもて面の裏側に、Squareリーダーの使用方法が記載されている。内容は、製品ガイドと約2.5cm四方のSquareリーダーのみ。なお、フタはマグネット式

手に持ってみたところ。端末は実測でW25×D25×H12mm(突起部除く)と小型。重さもほとんど感じない

本体にはクレジットカード読み取り用のスペースが空いている。本体表面には、Squareリーダーのロゴがデザインされている

同梱しているガイドは非常にシンプル。表側にはSquareリーダーで決済を行うまでの全体の流れ、裏側には具体的な決済操作が紹介されている。ガイドは簡単に書かれているが、アプリ自体のインタフェースがわかりやすいことに加え、製品サイトの解説も充実しており、操作に迷うことはなさそうだ

iPadに接続してみたところ。ヘッドフォンミニジャックに挿して接続する

Squareリーダーと組み合わせて使う決済用POSアプリ「Squareレジ」は、iOS向けのApp StoreおよびAndroid向けのGoogle Playで無料提供されている。専用アプリは直感的なUIで、説明書を見なくとも商品の登録や決済操作ができるつくりだろう。今回はiPad(第3世代)でSquareリーダーを試用したため、SquareレジアプリもiOS版を使用した。

App Storeで提供されている「Squareレジ」アプリ

まずはじめにSquareへのアカウント登録を行う。アカウント登録には住所氏名生年月日のほか、入金用の銀行口座などの登録が必要となる。なお、Squareレジアプリを使用するには、位置情報の送信設定が必要だ

Squareレジアプリでは商品の写真や金額を登録・削除でき、商品ごとにメモも記載しておける(上記のキャプチャでは文字のみの登録)。登録した商品はカテゴリ別などでまとめて確認できる。また、既に登録している商品を選択して決済するだけでなく、その場で金額を入力してカード決済することも可能

アイテム一覧から商品を選ぶと、商品の詳細や金額などを編集できる。また、決済画面では支払い方法としてクレジットカードや電子マネー、ギフトカードなど、実際に行われた決済方法を記録できる

Squareレジアプリ起動後にSquareリーダーを接続すると、その旨を知らせる表示が出現。実際にクレジットカードをSquareリーダーでスワイプすると、クレジットカードでの決済を受け付ける旨が表示され、その後ディスプレイ上でカード所有者が署名を行う。また、レシート送付のため、ユーザーの携帯電話番号かメールアドレスを入力する。なお、クレジットカード情報はスワイプ時に暗号化されるという

Squareレジアプリは、登録商品のカテゴリ設定やお気に入り登録などのほか、直近の取引履歴や売上金額や売上件数、売上単価などの集計レポート、税金設定なども可能。また、レシート印刷のためのキャッシャーやプリンタ、バーコードスキャナなどの接続設定項目もある。

実際に決済端末としてSquareリーダーを使用するには、Squareへのアカウント登録後、数営業日の審査期間が必要となる。従って今回は決済完了操作(支払者のサイン入力など)までは試せなかったが、クレジットカードの読み取りは試すことができた。カードの読み取り速度はかなりスムーズで、体感1秒程度で素早くカードをスワイプさせなければならない。速すぎると読み取れないのではとゆっくりカードを滑らせると、「素早くカードを動かして下さい」という趣旨のエラーメッセージが表示される。

駆け足となったが、ファースト・インプレッションとして、Squareリーダーを使用するひと通りの流れを紹介した。Squareリーダーは決済を行うためのガジェットであり、物販を行わない個人が使用する機会は少ないかもしれない。だが、その上であえて個人利用を想定するならば、例えばオフ会やブロガーイベントで多くの参加者からお金を集める場合や、フリーマーケットの出店時などの機会で、手軽にクレジットカード決済が行えると魅力的ではないだろうか。個人的にはPOSアプリのUIが非常に使いやすかったため、何らかの機会を設けて使用してみたいところだ。