3階はテーブルクロスのかかったレストラン

4階には日本生まれのHiroshi Sugimoto氏の作品が展示されていた

今の香港アートの最先端を知りたいなら、香港のおしゃれエリア・セントラルに5月にオープンした「DUDDELL'S」は外せない。ここは、香港のファッションブランド・上海灘(シャンハイ・タン)本店の上層に位置するギャラリー兼レストラン。ロンドンの建築家lse Crawford氏が手がけた店内は、「絵画コレクターの家のような空間」がコンセプトになっていて、アートに囲まれつつもどこか居心地の良さを演出しているのだ。

世界有数の中国のモダンアートを知る

張大千氏の作品を含む水墨画の企画展は、世界でも有数のコレクター・MKリュウ氏のもの

展示されている数々の作品は主に中国のモダンアートで、3~4カ月ごとの企画展の形をとっている。現在は、中国伝統の水墨画で20世紀のものを選んだ「巨匠の感性/A Taste of the Masters」と、堅苦しくなく鑑賞できる肖像画を選んだ「顔から顔へ/Face to Face」の2つのテーマで展示中だ。

水墨画の中には、2011年の落札総額でピカソに代わってトップになったという、今や中国アート界だけだなく世界中から注目を浴びている台湾の画家・張大千の作品もあり、世界でも貴重な作品が手軽に楽しめる。

伝統的な広東料理を刺激的な空間で

店内は2フロアに分かれていて、3階は個室もあるレストラン、4階はよりカジュアルな雰囲気のサロンになっている。香港では珍しいガーデンテラス席もあり、木々やソファが置かれたリラックスできる空間だ。

モダンアートに囲まれながら、レストランでは見た目も味も美しい料理が味わえる。シェフは、ミシュラン星のレストラン「唐閣(タンコート)」出身。手のこんだ点心からツバメの巣などの伝統料理まで、様々な広東料理が展開される。

(左より)デザート盛り合わせ(アボカドとタピオカのスープ、バナナ入りのごまだんごなど、特別メニュー)、ツバメの巣のせエビ餃子・88香港ドル(約1,130円)や伝統的な黄橋焼餅(豚肉入りパン)・54香港ドル(約690円)など、揚げたタロイモの巣に入ったアスパラと根菜炒め・160香港ドル(約2,050円)。※料金は一皿分

4階の夜メニューも忘れてはいけない。バーのメニューには香港の調味料XO醤とオイスターソースを使った“ブラッディマリー”のDUDDELL'S版「Gong Bi Mary」などがあり、オリジナルカクテルも革新的だ。また、不定期ではあるものの、映画鑑賞会やDJイベントなどを開催。香港のカルチャーシーンの担い手は、料理やアートだけでなく空間全体が刺激的なのである。

●infomation
「DUDDELL'S 都○利會館(○は父の下に多)」
営業時間:12:00-24:00