多くの事業者が凌ぎを削る法人向けのICTソリューションの分野で、「下りダウンロード速度 最大2Gbps」を謳うFTTHサービスが登場した。そのサービスとは、ソネットビジネスアソシエイツが今年4月に発表した「NURO アクセス(ニューロ・アクセス)」だ。この驚異的なスピードを実現したNURO アクセスとは、一体どんなサービスなのだろうか。

ソネットビジネスアソシエイツ 代表取締役社長 清水雅章氏

そこでマイナビニュースでは、同サービスを提供するソネットビジネスアソシエイツ 代表取締役社長の清水雅章氏にインタビューを試みた。本稿でその模様をお伝えしていこう。

下り最大2Gbps実現の秘密とは?

NURO Bizは法人向けICTソリューションの総称だ。メインストリームとなるのは、超高速インターネット接続サービス「NUROアクセス」と、NTTドコモのLTE/3G回線を利用できる「NUROモバイル LTE/3G」である。

NUROアクセスでは「G-PON」と呼ばれる先進規格を採用し、独自のONU(回線終端装置)を用いることで下り最大2Gbps/上り最大1Gbpsという驚異的な回線速度を実現した。日本の企業にはまだ馴染みのない「G-PON」は、国内で一般的に採用されている伝送規格「GE-PON」に比べ、伝送効率が約28%も向上するという。

また、帯域を公平制御する機能が実装されているのも、本サービスの特長だ。これについて清水社長は「均等に帯域をコントロールできるため、"誰かがたくさん使っていたら使えなくなる"というような問題を回避できる。必要最低限の帯域が確保される仕様こそ、これからのクラウド時代に求められるサービスのスタンダードになっていくと考えている」と説明する。

クラウドサービスの広がりによって、大容量のデータをアップロード/ダウンロードする行為が日常的に繰り返されるようになった。こうした流行も後押しとなり、最低限の帯域を確保したいというニーズが近年高まりを見せているという。そういったニーズに応えるため、回線終端装置のCPUチップセットに至るまで、スループットに徹底的にこだわり、最大2Gbps出せる環境を用意した。

高速回線を手ごろな料金で提供

クラウド時代の企業ニーズに応えるため、様々なこだわりを持って誕生したNURO Biz。その分開発コストはかかっているが、利用料金には反映させていないという。NUROアクセス、NUROモバイル LTE/3Gという2つの接続サービスは、ともに可能なかぎり価格を抑えている。

NUROアクセスでは、事業規模や利用目的に合わせた3種類のプランを用意している。SOHO・小規模オフィス向けの「エントリープラン」では、2階建て以下の戸建オフィス導入は月額4,980円、オフィスビルへの導入は月額6,500円で提供する。また、固定IPやSLAなどビジネス利用に欠かせない機能を標準装備した「スタンダードプラン」を用意し、月額19,800円で提供する。さらに、より高品質・高スペックを求める企業向けには「プレミアムプラン」を用意。同プランでは、月額52,500円で上下30Mbpsの帯域を保証する「プレミアム30Mプラン」、月額157,500円で同50Mbpsの「プレミアム50Mプラン」のいずれかを選択できるようにした。これらの価格設定に幅をもたせた複数のプランを用意することで、「業態を問わず様々な企業で利用できるよう配慮した」と清水社長は説明する。

一方、外でもインターネットを利用したいという声に応えるため用意したNUROモバイル LTE/3Gでは、計3つのプランを用意。月額3,800円で下り最大100Mbpsを定額で利用できる「定額100Mプラン」、月額980円~4,980円の二段階定額制で提供する「二段階100Mプラン」、通信速度・容量を重視しないユーザー向けの月額2,980円で下り最大14Mbpsの通信が可能な「定額14Mプラン」を用意した。いずれも提供地域はNTTドコモのXi、FOMAエリアに準じる。

NURO Bizの現状と今後の展望

世界最高水準の回線サービスをかつてないロープライスで提供するNURO Biz。今年の4月に発表して以来、企業からの反応も良いという。清水社長は「業態や規模を選ばず、全方位的にどんな企業にもマッチするサービスになっている」と胸を張る。その一例として、「数名規模の小規模な制作会社から、TV局など大手メディア系関連企業など幅広い企業で既に利用いただいている」と明かした。NURO Bizの強みは、独自にネットワークそのものを構築し管理・運営している点。このため、「他のキャリアでは絶対に真似できない、自社でやっているからこその品質保証」(清水社長)ができる。

今後はNURO Bizを通じてこれに紐づくサービス、付帯する様々なソリューションを展開する考えだ。清水社長は「企業のネットワーク担当者に『全てソネットビジネスアソシエイツにおまかせするよ』と言ってもらえるような、包括的なサービス展開をしていきたい」と意気込む。

また、「もちろん、これで満足しているわけではない。将来、さらに大きな帯域も含め、あらゆるビジネスシーンで使い勝手の良さを追求し、提供していくことを考えている」と語る。「表面的な『速い』『安い』ということだけではなく、帯域コントロールの設定や、最大2Gbpsの速度を実現するONUまで、私たちのこだわった『品質』にもぜひ注目いただき、私たちの回線・サービスを信頼いただき、お使いいただければ」と清水社長はNURO Bizをアピールする。

なおソネットビジネスアソシエイツは、千葉県・幕張メッセにて6月12日から14日まで開催される、インターネット・デジタルメディアの専門イベント「Interop Tokyo 2013」にも出展している。ブースではNUROアクセス回線の"速さ"を体験することができるスピードテストを実施している。興味のある方は、同イベントでNURO アクセスの"速さ"を体感してみて欲しい。

※ 通信速度はNURO Bizネットワークからビル内に設置する回線終端装置へ提供する最大速度。インターネットご利用時の実効速度は、利用環境や回線の混雑状況などにより変化する。