MMD研究所は3月7日、2024年2月に実施したMVNOのシェア・満足度調査の結果を発表した。すでに新規加入の受付を停止しているOCNモバイルONEが首位、同じく楽天モバイル(MVNO)が2位を維持しており、ユーザーに大きな動きがないことがうかがわれる。

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今回の調査は、3月5日に結果が公表されたMNOのシェア・満足度調査の結果と同じ予備調査から、MVNOを利用している18歳~69歳の男女を対象とした本調査を行ったもの。本調査で対象としたMVNOサービスは、OCNモバイルONE/楽天モバイル/mineo/IIJmio/イオンモバイル/J:COM MOBILEの6サービスで、前回調査で本調査の対象となっていたBIGLOBEモバイルはJ:COM MOBILEと入れ替えになっている。

MVNO全体のシェアは横ばい

予備調査において、スマートフォン所有者のうち、メインで利用している通信サービスがMVNOだった人の割合は9.6%。2014年10月の調査開始から2019年9月まで右肩上がりでピーク時13.2%を記録したMVNOのシェアだが、MNOのオンライン専用プラン導入の影響もあり、2021年11月には9.3%にシェアが低下。以降、MVNOのシェアは9%台で横ばいとなっており、大きな変化がない状況が続いている。

  • グラフ:MVNOの利用率の推移(メイン利用の端末)

    MVNOの利用率の推移(メイン利用の端末)

メイン利用の端末でMVNOと契約している人を対象に、利用しているMVNOサービスを聞いた結果が次のグラフ。首位から5位のイオンモバイルまでの順位は、前々回調査/前回調査と同じ。調査対象のうち、シェアを落としているのはOCNモバイルONE/J:COM MOBILE/BIGLOBEモバイル/LINEモバイルの4サービス。

  • グラフ:メイン利用のMVNO(上位10サービス)

    メイン利用のMVNO(上位10サービス)

本調査対象の6サービスのシェア推移をまとめたのが次の表。2023年6月に新規受付を停止したOCNモバイルONEが今回からシェア減に転じているが、それに先立って新規受付を停止している楽天モバイル(MVNO)は14.8%から15.2%に若干の増加となっており、楽天モバイルMNOへの移行や他サービスへの転出がさほど起きていないようだ。シェア伸長の幅がもっとも大きかったのはIIJmioの0.8ポイント。

  • 表:MVNOの利用率の推移(メイン利用の端末/6サービス抜粋)

    MVNOの利用率の推移(メイン利用の端末/6サービス抜粋)

本調査対象6サービスの総合満足度は、前回1位のイオンモバイルと前回4位のmineoが入れ替わる結果。IIJmioの2位とOCNモバイルONEの3位は変動なし。

  • 表:MVNO6サービスの総合満足度

    MVNO6サービスの総合満足度

それぞれのサービスの利用者に、家族や友人に薦めたいかどうかを10点満点でスコアをつけてもらい、それを集計したNPS(ネット・プロモーター・スコア)をまとめたのが次のグラフ。対象6サービスはすべてマイナスのスコアとなっているが、楽天モバイル(MVNO)/mineoはスコアが改善、OCNモバイルONE/IIJmio/イオンモバイルはスコアが悪化。とくにイオンモバイルは前回調査でマイナス5.3ポイントだったものが今回マイナス24.0ポイントと大きく悪化している。前項の満足度の低下と合わせて気になるところだ。

  • グラフ

    MVNO6サービスのNPS

調査概要

  • 調査名:2024年2月MVNOのシェア・満足度調査
  • 調査期間:2024年2月2日~2月5日
  • 有効回答:
    【予備調査】40,000人 ※人口構成比に合わせてウエイトバックを実施
    【本調査】900人 ※各MVNOサービスの利用者150人ずつ
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:【予備調査】18歳~69歳の男女 【本調査】MVNO6サービス利用者
  • 設問数 :【予備調査】12問 【本調査】9問