接続ケーブル

最後に紹介するのは、接続のためのケーブル。電源プラグのついたものと、先端が三つ又に分かれたケーブルの2本が同梱されている。実はこの三つ又のケーブルには秘密が隠されている。電源ケーブル、ディスプレイケーブル、USBケーブルを1本にまとめた専用接続ケーブルとなっており、非常にシンプルな配線で使用することが可能になっているのだ。

三つ又になっている接続ケーブル

専用接続ケーブルをCintiq 13HDのインタフェースポートに接続する。三つ又になっている方は、それぞれACアダプタ・PC本体のUSBポート・HDMIポートへと差し込む。そしてACアダプタのプラグを電源プラグへと接続すればセッティング完了だ。

タブレット側にはこの1本を接続するだけでOK

ケーブルが手元を邪魔するようなこともなく、見た目にもスッキリしているのが嬉しい

実際に起動してみた

いよいよPCへ接続し、本体横の電源スイッチを長押しすると……液晶パネルが明るくなり、鮮やかなモニタが映し出された。クリエイターにとって、モニタの色の再現性は作品にとって命と言える部分。Cintiq 13HDでは、フルHD(1920×1080ドット)対応の13.3型IPS液晶パネルを搭載しており、高コントラスト比700:1、最大輝度250cd/平方メートルというだけあって非常に鮮やかな印象だ。画面の照り返しなども少なく見やすい。

ドライバのインストールと、ペン先の位置調整の簡単なセットアップを完了し、実際にPhotoshopで試し描きをしてみた。

文字の筆記もブレずに書ける

筆圧感知もダイレクトに

メインモニタで全体のバランスをチェックしながらタブレット液晶で細部を描き込むといった使い方も可能だ

タブレットにペンを触れ動かすと、ブレや遅れは一切感じさせず、ペン先を忠実に感知して滑らかに描くことができた。従来のタブレットでは手ブレが出やすかった文字も、紙に書くような感覚でスラスラと書ける。また液晶へ直接描き込むため、よりダイレクトに筆圧感知の表現を感じられる。わずかにペン先が触れた瞬間も逃さない1gON荷重と、高精度の筆圧機能によって、筆の傾き・筆圧を最大限に活かした表現が可能である。

液晶タイプの何よりの強みは、手元を見ながらブレ・ゆがみの少ない線を安定して描くことができるという点だが、それに加えてもうひとつ大きなメリットがある。それは、タブレットそのものをデュアルモニタとして活用できるという利便性だ。例えば、Photoshopでドキュメントのウィンドウを複製しておけばふたつのモニタにそれぞれ全体像・拡大部分を表示して作業することができる。

このマルチモニタの特性を活かせば、メインモニタに資料用の写真を広げながらタブレット側で絵を描いたり、それぞれのモニタで別のアプリケーションを開くなど、工夫次第で様々な使い方ができるだろう。作業領域の切り替えはタブレット左サイドにあるファンクションキーの「マッピング切り替え」でワンタッチ操作が可能。慣れてくるとスムーズに上下のモニタを切り替えて作業を進められるようになる。

Cintiq 13HDの登場による作業環境の変化はいかに……

イラストレーターやクリエイターにとって、画面を見ながら直接描き込める液晶ペンタブレットは最高の制作環境だ。しかし、今までコスト面や設置スペースの問題でCintiqシリーズを諦めていたユーザーも少なくないだろう。そんな中、ユーザーのニーズに応え「低コスト」、「省スペース」を実現したCIntiq 13HDの登場は、今後液晶ペンタブレットの導入をグッと後押しするだろう。また、携帯性に優れているという点で、カフェやコワーキングスペースなどの限られたスペースのデスクでも、自宅と同様の制作環境を手に入れられる。クリエイターの仕事場の可能性を広げてくれる一台になるはずだ。

※追記
マイナビニュースでは、液晶ペンタブレット「Cintiq 13HD」に対するredjuiceらトップクリエイターの反応も紹介している。