「Mac定番ソフト十番勝負」、5回目はPCソフトでは定番中の定番、ワープロソフトを比較してみたい。オフィススイートのひとつであるワープロはあまりにも当たり前のソフトで共通部分が多く差が出てこないこと、最近はワープロそのものを使わなくなりつつあることなどから取り上げるのを避けていた。しかし例えば「簡易DTPツール」として使ったり、「縦書き」ができるかどうかなどを基準にしてみると、ソフトによって差が見えてくる。ここで改めてワープロソフトを紹介してみよう。
Mac用のワープロソフトは決して多くない。定番のMicrosoft Word、AppleのPages、そして今回はもうひとつ、オープンソースのOpenOfficeからMac用に派生したNeo Officeのワープロ機能を比較していこう。
定番中の定番 Microsoft Word
ワープロの定番と言えば、やはりMS Wordだろう。MicrosoftのMac向け製品は専門のMacintosh Business Unit(Mac BU)が担当しており、Macで使いやすいアプリとしてWindows版とは一線を画した形で進化してきた。しかし最新のOffice 2011ではWindows版と同じくリボンインターフェイスが採用され、Windowsから移行した人もほぼ同じ操作で利用することができるようになった。
新規文書を作る際には数多くのテンプレートを利用することで、履歴書や企画書、ビジネス文書からパンフレットやチラシといった簡易DTPも可能だ。他のアプリとの連携で表やグラフを簡単に追加することもできる。
高機能なDTPワープロ Pages
アップルのPagesは、iWorkの中ではKeynoteに続いて2番目に登場したソフト。180種類以上あるテンプレートの中から選んで文書作成が始められる。特に強力なのはページレイアウト機能で、グラフィカルなテンプレートに写真をドラッグ&ドロップで埋め込んだり非常に美しい文書が作成可能だ。WordのファイルやEPubデータを読み込んで編集することもできる。iOS用のアプリがあるのもiWorkの特徴だ。Macで編集したPages書類をiPadでiCloud経由で読み込んで編集するなど、アップル純正だからこそできる連携機能がポイントだ。
オープンソースのオフィススイート Neo Office
MS Officeと互換性のあるオープンソースのオフィススイートソフトとして登場したのがOpen Office。そこから派生してMac専用として進化したのがこのNeo Officeだ。最新版ではMountain Lionに対応してバージョンが利用できたり、Retinaディスプレイにも対応している。オープンソースなので基本無料なのだが、最新バージョンはダウンロード時に$10の寄付が必要になっている。
オフィススイートソフトなのでワープロ以外に表計算、プレゼン、図形描画、データベースなどのソフトウェアも同梱されており、それぞれを連携して使うことができる。今回はこの中のワープロソフト「Writer」を中心に取り上げよう。