Ivy Bridgeで空冷5Ghzの壁を超えたいっ! マイナビニュースではこれまでにもGIGABYTEマザーボードを使ってCore i7-3770KのOCにチャレンジしてきた。ただし空冷クーラーでの5GHz動作はシングルコアのみでの成功で、Core i7-3770K本来の4コア8スレッドによる5GHz動作はまだ成功していなかった(正確には4.9GHzの4コア動作も)。そこで、今回は3度目の正直。マザーボードをGIGABYTEの新モデル「GA-Z77X-UP5 TH」に強化してチャレンジしてみることにした。

※ご注意 : オーバークロックはCPU、マザーボードおよびその他パーツに重大な影響を与える可能性があります。オーバークロックに関して編集部および筆者は責任を負いません。くれぐれも自己責任でお試しください。なお結果は今回のテスト環境下でのものであり、そのクロッククロックでの確実な動作や、実際の製品で同じベンチマークスコアが得られることを保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。

新しいDriver MOSFET「IR3550」を採用した「GA-Z77X-UP5 TH」

GA-Z77X-UP5 THに関しては、先にレビュー記事もお届けしているが、目玉のひとつ目は新しいDriver MOSFETチップである「IR3550」を採用し、品質基準を「Ultra Durable 5」に引き上げてきたことだ。Driver MOSFETの採用でチップの数を削減できることに加え、IR3550は変換効率に優れ省電力かつ変換ロスによる発熱も抑えられるといったメリットがある。

GA-Z77X-UP5 THはThunderboltを搭載するとともに電源回路を強化したZ77第2世代モデル

また、ふたつ目の目玉はIntelの提唱する高速インタフェース「Thunderbolt」に対応したことだ。Thunderboltは10Gbpsの帯域を持ち、かつmini DisplayPort形状の端子はそのままDisplayPortとしてディスプレイに接続することも可能というインタフェースである。GA-Z77X-UP5 THではこのThunderbolt端子を、現行世代マザーでは珍しく2ポート備えている(多くの製品は1ポートどまり)。省電力・低発熱等の基本スペックの向上と、最新インタフェースへの対応という機能面の充実を同時に果たしたマザーボードだ。

GA-Z77X-UP5 THは、従来製品で言えばGA-Z77X-UD5Hに相当するグレードの製品だ。第2世代のGIGABYTE製Intel Z77 Expressマザーボードには、GA-Z77X-UP5 THの上にGA-Z77X-UP7が追加されたため、最上位のポジションは譲ったものの、OCを見据えたハイエンドスペックにより今後も同社OCマザーの定番のポジションにとどまるだろう。

さて、この製品をOCに用いるにあたり、電源まわりのスペックだけ再確認をしておこう。まず、CPU周辺のフェーズ数は12基だ。うちIR3550チップは10基あるため、おそらく2フェーズがアンコア向けと考えられる。ソフトウェアによる制御は「3D Power」を用いる。この点は従来より継承した機能となる。インタフェース的に変わった箇所は見当たらないが、CPU電源回路やメモリ、iGPU等の制御項目など、かなり柔軟な設定がWindows上から行える(BIOS上で設定することも可能)。

3D Powerユーティリティは従来同様のものを用いる

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