パソコンの買い替えサイクルは、一般的には5年とか3年とか言われている。PC技術は進化が早いので、数年もすればすぐに型落ち……ともよく言われる。では、そういった漠然としたイメージは別として、実際はどのくらい性能が変わるものなのか。今回は、デスクトップPCで性能とコストのバランスが優れる「10万円」のパソコンをターゲットに、3年前と現在最新の10万円PCでは、どの程度の進化が存在しているのかを、実機を使って検証してみることにした。

BTOパソコンなどで、10万円程度で組めるスペックというのは、性能とコストの面でバランスが良いことが多い

3年あれば中学生だって高校生になるわけで

検証用の実機の用意にあたって、今回はBTO PCメーカーのマウスコンピューターに協力してもらっている。最新のPC技術を真っ先に取り入れ、自由度の高いBTO方式でいち早く市場投入し続けている同社の製品は、まさにPC技術の"その時"を常にリアルタイムに反映している製品と言えるため、今回の試みにはピッタリであったからだ。

まずは、現在10万円で買える最新のデスクトップパソコンとして、マウスコンピューターのLuvMachinesシリーズの新型BTOモデル「Lm-iH530X」(製品記事はこちら)を用意した。同機は、奥行き約38cmの省スペースきょう体モデルで、BTO基本構成時の主な仕様は、CPUがCore i7-3770、メモリがDDR3 8GB(4GB×2)、ストレージが500GB SATA6Gbps HDD、光学ドライブがDVDスーパーマルチ、グラフィックスがGeForce GTX 660 Ti、OSがWindows 7 Home Premium SP1 64bit。同基本構成時の直販価格は89,880円で、10万円PCというよりアンダー10万円なPCだが、今回はこの基本構成で勝負してみることにした。

マウスコンピューターの「Lm-iH530X」。最新10万円PCの代表としてテストする

性能はこの後テストするが、単純な性能以外にも、3年前には存在しなかったメリットというものもある。例えば写真のLm-iH530Xの青いUSBポートは「USB 3.0」で、こういった最新規格の登場も買い替えの動機となるだろう

一方の3年前の10万円PCだが、マウスコンピューターが2009年の3月に発売した「LITTLEGEAR i700GB1」(製品記事はこちら)がちょうどよく、これに白羽の矢をたててみた。主な仕様は、CPUがCore i7-860、チップセットがIntel P55 Express、メモリがDDR3 4GB(2GB×2)、ストレージが1TB SATA3Gbps HDD、光学ドライブがDVDスーパーマルチ、グラフィックスがGeForce 9800 GT、OSがWindows 7 Home Premium 32bitというもので、直販価格は99,750円。ぱっと見では、今でもなかなか強力そうな構成のパソコンと言えるだろう。

ただ、さすがに3年前の製品をそのまま入手はできなかったので、今回は上記のi700GB1に近い構成のPCシステムを主要パーツのみで組み上げたテスト環境を用意することにした。構成は、CPUがCore i7-870、チップセットがIntel P55 Express、メモリがDDR3 4GB(2GB×2)、ストレージが1TB SATA3Gbps HDD、グラフィックスがGeForce 9800 GT、OSがWindows 7 Home Premium SP1 64bitだ。CPUがi700GB1より上位になっているので、10万円オーバー相当になり、9万円を切るLm-iH530Xとはちょっと価格差が大きくなってしまったが、3年間の進化で乗り越えてくれるものと期待したい。

3年前の10万円PCとして、「LITTLEGEAR i700GB1」を参考にパーツのみのテスト環境を構築して利用した

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