「ななや」の「抹茶ジェラード」には、抹茶の濃さが異なる7タイプがそろう

静岡と言えばお茶どころ。特に緑茶の消費量は日本一という。1世帯あたりの緑茶消費量の全国平均は986グラムだが、静岡県はなんと1,901グラム。実に倍近い数字といえる(2009年総務省調べ)。

静岡人にとっての緑茶―それは毎日の食生活に欠かせないもの。朝昼晩、緑茶を飲むのは当たり前。その上、料理やスイーツにも、緑茶をふんだんに使った健康的なアレンジ商品がたくさん存在している。今回は日本茶をたっぷり用いて作られた、ご当地スイーツの数々を紹介しよう。

世界で一番濃い!? 「抹茶ジェラート」のレベル7@ななや

鮮やかな抹茶色の暖簾がかかったななや

「藤枝抹茶のおいしさを知ってもらいたい」と、2010年に抹茶スイーツ専門店としてリニューアルオープンした、丸七製茶の「ななや」。静岡抹茶の生クリーム入り大福、静岡抹茶ロールケーキなど、静岡抹茶を作った多彩なスイーツ展開が売りの、地元の超人気店だ。

最近、ななやオリジナルスイーツとして話題となっているのが、7段階の濃さに分かれているという「抹茶ジェラード」。静岡店にあるレベル7は、世界一濃いと口コミで評判。濃くなればなるほど抹茶の風味が強くなり、これ以上もないほど静岡抹茶を堪能できるように開発したという。商品はジェラートの専門家と共同開発し、レベル7はななやの店名にかけて、最高の濃度に仕上げられている。

レベル1=一般的な抹茶アイスクリームとほぼ同じ濃さ
レベル2=通常の2倍
レベル3~ 数字が大きくなるほど濃くなる
レベル5=ジェラート業界で限界といわれる濃さ
レベル6=その限界を超えた濃さ
レベル7=勇気ある方はお試しあれ

通常の抹茶アイス(左)とななやのレベル7のジェラート(右)。まず色が全然違う!

一般的な抹茶ジェラートと色を見比べてみれば、その違いは一目瞭然(りょうぜん)! これまで静岡店でしか食べられなかったレベル7は、この夏から同社のホームページでも販売を開始。レベル7が一体どんな味なのか、勇気がある人は試してみてはどうだろう。コーンシングル300円~、ダブル350円~。

緑茶の入った上品な「ゆず葛きり」@おさだ苑

静岡県掛川は葛の産地のひとつ。そのくずを使ったゆず葛きりとお茶の絶妙なコラボレーション・スイーツがあるらしい。「おさだ苑 本店」の「ゆず葛きり」だ。ゆずの香りとお茶の香り・渋みをどう引き立たせるか試行錯誤を重ね、2012年4月に完成した。わざわざお茶を入れなくてもと思いきや、見た目は透明感のある美しい緑がかった黄色。

全体はとろっとして程よい食感。お茶が入ったことで、ゆずの甘酸っぱい味をこわすことなく、味に深みとコクがでるようになったという。この上品な味が、とりわけ女性客に人気という。

お茶のカテキンは、菌に勝つ→「カテ(勝て)! キン(菌)に」という俗説がある。昔から薬用として使われ、体を温める(葛根湯)ことでも知られている。イソフラボンも含まれ、更年期障害、骨粗しょう症などの治療にも効果的。おいしく食べて、元気に若々しくなれそうなご当地スイーツである。

ゆずの香りとお茶の香りが見事にマッチ

ゆずの香り豊かなカップ2個セット/630円

1日30個の限定「静岡本生(ほんなま)ゼリー」@風土菓 庵原屋(ふうどうか いはらや)

「風土菓 庵原屋」は大正13年(1924)に創業。港町清水で愛され、代々受け継がれてきた伝統の味を守り続けている。全国から注文が入るという人気商品は、「静岡本生ゼリー」(420円)。ほろ苦さがかおる良質な静岡茶を使用したゼリーの"ふるる"な食感は、無駄な熱処理を加えない、庵原屋独特の「本生製法」という。

熟練した職人が一つひとつ丁寧に作りあげるため、1日30個の数量限定だ。伝統のつぶあんをモッチリとした白玉と一緒に食べると、お茶のほろ苦さに上品な甘さが加わり、絶妙な味わいとなる。

香ばしくスッキリとした味の「ほうじ茶」の本生ゼリーも人気。温かい緑茶とともに、冬場でもおいしく味わえる、季節を問わないスイーツである。

このように、お茶好きにも甘いもの好きにもぜひ試してほしいスイーツが勢ぞろいの静岡県。食欲の秋ともいわれるこれからの季節、観光がてら、スイーツ食べ歩きに興じてみるのもいいかもしれない。