ナナオの液晶ディスプレイ「FlexScan EV」シリーズの新モデル発表に先立ち、メディア向けの「EIZO液晶モニターセミナー2012」が行われた。テーマは「パソコン画面と疲れ目の最新事情」だ。細かくは、LEDバックライトと疲れ目の関係、画面の明るさと疲れ目の関係、液晶モニターの「ブルーライト」という3項目で、最新の研究結果や、今回の新モデルが備える機能との関連も交えながら紹介された。
LEDバックライトと疲れ目の関係
一部に「LEDそのものや、LEDバックライトの液晶ディスプレイはちらつきが気になる」という消費者の声があるとし、液晶ディスプレイにおけるLEDバックライトの調光について解説。具体的には、上述したPWM調光とDC調光のメリット/デメリット、この2つを併用する「EyeCare調光方式」だ。なお、LEDおよびLEDバックライトのちらつきが気になるのは、一般的には目の感度が高いような一部の消費者に限られるという。
画面の明るさと疲れ目の関係
画面の明るさと疲れ目の関係では、輝度を自動で調整する「Auto EcoView」の検証結果が紹介された。Auto EcoViewは、周囲の明るさに応じて、液晶ディスプレイの輝度を自動的に調整する機能だ。北里大学医療衛生学部による実験では、紙と液晶ディスプレイを交互に見ながら文字を入力し、人間の瞳が収縮する度合いを調べている。やや語弊はあるが、瞳の収縮・拡大の差が大きいと、目が疲れやすくなると思ってよい。計測器を用いた測定上では、Auto EcoViewのオンとオフとの有意差は少ないものの、オフにすると眼球収差(眼球の歪み)が増加する傾向が見られたという。一方で、被験者のアンケート結果では、Auto EcoViewをオンにしたほうが疲労を感じにくいとする感想が大勢を占めている。
液晶モニターの「ブルーライト」
最近は液晶画面全般の「ブルーライト」が大きなキーワードとなっており、ブルーライトを低減するというオフィス向けのメガネなども人気を集めている。ブルーライトは光としてのエネルギーが高いため、液晶画面を見続けていると、目がダメージを受けるという考えだ。
こうした状況を鑑みたうえで、ナナオが実験したところによると、液晶ディスプレイの設定だけでもブルーライトを大幅に減らせるという。簡単にいうと、ブルーライトはその名の通り、可視光のスペクトルにおいて主に青から紫にかけての波長を持つ。本当に単純な話だが、液晶ディスプレイの色温度と輝度を下げることで、画面から発せられるブルーライトをかなりカットできる。