日本サムスンの「S23A700D」は、120Hz駆動に対応したTNパネルの23型ワイド液晶ディスプレイだ。パネル解像度は1,920×1,080ドットのフルHDで、各種の3D映像を表示できるほか、内蔵ハードウェアによる2D/3Dの変換機能も。倍速液晶ながらコストパフォーマンスが高く、マルチユースな液晶ディスプレイに仕上がっている。

■主な仕様 [画面サイズ] 23型ワイド [駆動方式] TN方式 [画面タイプ] グレア(光沢) [表示解像度] 最大1,920×1,080ドット [視野角] 水平170度/垂直160度 [輝度] 250cd/平方メートル [コントラスト比] 1,000:1(ダイナミックコントラスト比は5,000,000:1) [応答速度] 2ms [映像入力インタフェース] デュアルリンクDVI-D(HDCP対応)、HDMI [本体サイズ/重量] W533.8×D197×H395.2mm/2.9kg [価格] オープンプライス

外観はごくオーソドックスな液晶ディスプレイだ。左右と上のフレーム幅が実測で約10mmしかないので、マルチディスプレイ用にも向いている(VESA規格のモニタアームには対応していない)。スタンドでは、スペック上で後20度のチルトのみ可能だが、前方向にも軽く傾斜する。

本体部分は薄型

左右と上のフレーム幅は実測で約10mm

映像入力インタフェースは、デュアルリンクDVI-D(HDCP対応)とHDMIの2系統で、アナログRGB入力は持たない。スピーカーも内蔵しないが、HDMIで音声も入力している場合、その音声を出力するヘッドフォン端子はある。

インタフェース類のコネクタは、本体背面の真後ろから接続するタイプ。薄型の本体なので電源は内蔵せず、ACアダプタを使う

基本スペックをまとめると、画面サイズはアスペクト比16:9の23型ワイド(TN方式/光沢タイプ)、最大解像度は1,920×1,080ドットのフルHD対応、光源はLEDバックライトだ。リフレッシュレートは120Hz駆動に対応しており、この点が1つの大きな特徴になっている。輝度は250cd/平方メートル、コントラスト比は1000:1(ダイナミックコントラスト比は5,000,000:1)、視野角は水平170度/垂直160度、応答速度は最速設定で2ms、色域はsRGB比で100%、最大表示色は約1,677万色だ。

くっきりシャープな映像表示

静止画や通常使用の画質的な傾向は、光沢画面の割には彩度が控えめで落ち着いた発色だ。淡泊に感じるときは、OSDメニューで「MAGIC Color」機能の「フル」や「インテリジェント」を使うと、より鮮やかな発色になる。光沢パネルなので外光の映り込みはあるが、光源が画面に直接映り込まないようにすれば、それほど気にならない。

独自の高画質機能「MAGIC Color」の「オフ」(写真左)と「フル」(写真右)。写真では正確にお伝えできないが、「フル」にすると彩度とコントラストが高くなる。メリハリある画質が好みなら、「フル」か「インテリジェント」を常用するとよい

映像やゲームといった「動きのある」表示には、120Hz(倍速)駆動が大きなポイント。S23A700Dは応答速度(最速設定で2ms)も高速なので、120Hz(倍速)駆動と相まって、かなりシャープに映像やゲームを表示でき、動きもなめらかだ。

手持ちの液晶ディスプレイ(フルHD対応の24型ワイド、応答速度は8ms、リフレッシュレートは60Hz)と並べて比較してみたが、S23A700Dのほうが明らかに"くっきり感"がある。S23A700Dは個人用途が基本で、視聴距離もだいたい50cmくらいの場合が多いと思うので、大型の液晶テレビなどよりもシャープ感やくっきり感が分かりやすい。

なお、S23A700DをPC入力で120Hz駆動するには、デュアルリンクDVI-D出力に対応したグラフィックスカードと、デュアルリンク対応のDVI-Dケーブル、およびWindows上の設定が必要だ。デュアルリンク対応のDVI-DケーブルはS23A700Dに付属しているが、グラフィックスカードの買い替えや増設が必要な環境もあるだろう(最近のグラフィックスカードは、多くがデュアルリンクDVI-D出力に対応している)。

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