フィンランド料理と聞いて思い浮かべるのは?

シベリウス公園のシベリウス彫像彫刻。顔のまわりの"もくもく"はヘビースモーカーだった彼のタバコの煙を現わしているそう

フィンランドは人口500万人強と日本と比べると非常に少ないが、意外なほど有名なものが多い。自然素材を現代建築にとり入れた巨匠アルヴァ・アアルトをはじめ、ガラス製品のイッタラ、ファッションブランドのマリメッコといった"北欧デザイン。さらに、サンタクロース村やオーロラなどの観光でも有名だ。そして、もう1つ。行ってみて驚いたのが、豊かな食。つくりこんだおいしさというより、素材の旨みをいかした素朴な味付けがフィンランド料理の魅力だ。

伝統料理のサーモンスープは「サーモンって、こんなにおいしかったんだ」と再認識させてくれ、そのサーモンをサンドしたり、サワークリームを付けたりして食べるライ麦パンもフィンランドで有名な食の1つ。滞在中、レストランに立ち寄ったときにサワークリームとパンがあまりにおいしくて、メインディッシュが来る前にパンでお腹が満たされてしまうことが何度かあった。

サワークリームと合うからとはいえ、食べ過ぎ厳禁のライ麦パン

フィンランドは西側がバルト海に面していて、サーモンの他、ニシンやマスといったシーフードは必食。そのシーフードに合うビールも「KOFF(コフ)」や「KARHU(カルフ)」といった銘柄があり、街中にパブも多い。ドラフトビールも質が高くオススメだ。

ジビエ料理も盛りだくさん

海がある一方で、フィンランドには狩猟の歴史が長く、鹿やウサギなどのジビエを伝統料理に盛り込んで食卓に並べる。中でも有名なのがトナカイ肉だ。サンタクロースのソリを引く、あのトナカイさんの肉である。

写真左はトナカイのカルパッチョ。ちなみに。トナカイは英語でReindeer(レインディア)。写真上はトナカイ肉のステーキ(フィンエアーの機内食から)

食べ方は煮込みやステーキなどが一般的だが、筆者はカルパッチョにもチャレンジしてみた。ステーキでもクセがあるためカルパッチョではなおさらだったが、これとチーズと香草をパンに挟んでサンドすると驚くほど食べやすくなったのは驚きだった。ぜひ、一度トライしてもらいたい。

赤ワインのソースたっぷりのチキン。オーソドックスだが、それゆえに食べ飽きない味わい