地下鉄の駅から銀座の大通りに出た瞬間、直射日光で携帯電話の画面が真っ白になった。雲ひとつ無い空。気象庁によると14日の最高気温は33.4度で平年より高い。女性は皆日傘をしっかりと抱え、ビジネスマン風の男性はハンカチで汗を拭きながら、太陽に嫌味のひとつでもつぶやきたい顔をしている。

そんな夏日和の14日、ポーラ・オルビスホールディングス(以下、ポーラ・オルビスHD)のIRイベントがポーラ銀座ビルにて開催された。個人投資家向けの説明会を各地で開催してきたが、今回はメディアに向けて説明会が開催されるという。しかも場所はビルの3階にあるギャラリー「ポーラ ミュージアム アネックス」。美術品が多数展示される室内で、一体どのようなIRイベントが行われるのか? 潜入してきた。

ポーラ ミュージアム アネックス

場所は、2009年にリニューアルオープンした、ポーラ銀座ビル3階にあるギャラリー「ポーラ ミュージアム アネックス」。同ギャラリーは、ポーラコレクションや現代アートなどの企画展をだいたい2カ月に1度のペースで行っている。しかも、入場無料。当日は、ポーラ文化研究所監修の「香りをイメージする香水瓶展」(9月11日まで開催、入場無料)が開かれていた。20世紀はじめのエミール・ガレやルネ・ラリックなどのガラス作家によるアール・ヌーヴォー期の作品から、1940年代のメーカー・デザインのアイデア満載でユニークな香水瓶が置かれている。見た目も涼しげで優雅な気分になれる上に、回路の演出のおかげで涼しくもなれる、この夏イチオシの展覧会だ。

「ショッキング」
レオノール・フィニ(デザイン)
スキャパレッリ社
1937年
トルソからヒントを得たデザイン

「パルファン・デア」1920 年
デア(deer):鹿の形をしたデザイン。
1920-30 年にかけて動物の形をした香水瓶が流行した

ポーラ、美術と聞くと箱根のポーラ美術館を思い出す人もいるだろう。ポーラ・オルビスHDは、文化活動に力を入れており、これら文化的CSR活動にも理解を深めてほしい、とギャラリーでのIRイベントに踏み切ったという。

ポーラ・オルビスHDは新時代を迎えている。「ポーラ」ではこれまでの訪問販売事業に加え、化粧品販売・カウンセリング・エステが融合した 「ポーラ ザ ビューティ」を全国に出店。もうひとつの基幹ブランド「オルビス」も従来のカタログ通販に加え、店舗販売やネット通販も好調。また、「pdc」「フューチャーラボ」「THREE」 など、ドラッグストアやTV通販専門チャンネル、百貨店などで展開するブランドを育成ブランドとして傘下に置き、様々な顧客ニーズに応える土壌を育てている。

こうした新しい潮流をもっと広く知ってもらいたい―。こうした想いを胸に秘め、2010年には東証第一部に上場。ポイント制を採用した株主優待などで話題を集めている。

特に、株主優待は女性なら知っているだけで得してしまいそうな内容が満載。1ポイントは約100円相当で、保有ポイントに応じて好きな商品と引き換えられる。引き換えられる商品は今秋以降に発表予定だが、オルビスの「アクアフォースマイルドウォッシュ(120g) / アクアフォースローション(180mL) / アクアフォースモイスチャー(50g)」、ポーラの「B.A ザ ローション スターターサイズ(60mL)」などの人気商品の他、ポーラ美術館の優待チケットがラインナップされている。

オルビスの「アクアフォースマイルドウォッシュ / アクアフォースローション(180mL) / アクアフォースモイスチャー(50g)」(写真左から)

エフピーウーマンの高山一恵さん

エフピーウーマンの高山一恵さんは、こうした同社の革新性について、老舗ブランド「ワコール」との共通部分を指摘した。高山さんは「ワコールは年配層や一定以上の所得層が顧客の中心になっていた時期があったが、ピーチ・ジョンと資本提携したり、販売チャネルを拡充したりすることで、若年層を取り込むことに成功した」と述べ、同じく老舗ブランドのポーラ・オルビスHDも若年層の取り込みに成功していると強調。「ポーラを新たに利用するお客さまの6割が20~30代ということからも若年層の取り込みに成功している」と語った。

当日は、マネー誌、マネー専門ポータルサイト、ライフスタイル誌などのライター、編集者約20名が参加。IRイベントでは、実際に商品に触れてもらおうと、ポーラ ザ ビューティのエステティシャンがハンドマッサージをしてくれるコーナーが設置。また、ポーラ銀座ビルの2階にある「和菓子・茶房 ヒガシヤギンザ」の菓子なども振舞われた。さらに、今年7月に新たにグループの仲間入りを果たした北米ブランド「H2O PLUS」や「オルビス」、「THREE」など展示した。参加者の大半は女性だったが、男性も食事を楽しんだり、化粧品の解説を受けたりと午後の優雅なひと時を楽しんでいた。

新たにグループの仲間入りを果たした北米ブランド「H2O PLUS」

「和菓子・茶房 ヒガシヤギンザ」の菓子なども振舞われた

ポーラ ザ ビューティのエステティシャンがハンドマッサージをしてくれるコーナーも設置された

通常は、会社の経営状態などを知るためのIRイベントだが、決算発表など堅苦しいイメージを抱きがち。美しくありたい―という女性の夢を体現しているポーラ・オルビスHDだからこそできた優雅すぎるIRイベントだが、逆に企業の雰囲気なども知ることができたり、広報・IR室の担当者と仲良くなれたり、いいこと尽くめ。最近は、年収が増えないことを憂い、株式投資に関心を持つ女性も増えており、IRイベントにも多数の女性が参加していた。株主優待だけではなく、こういう楽しいイベントもあることで、ますます投資への関心を持つ女性が増えていくことを期待したい。