人間には三大欲求というものがある。睡眠欲・性欲・食欲の三つだ。欲というだけあり、私の場合、睡眠はまだしも、なかなかどうして性と食に関しては抑えようがないのである。熱くたぎるリピドーと渇き悶える食道をいかにして黙らせるか、それが男として生きる上での問題なのである。その二つの欲を満たすためにおすすめしたいのが、"男の料理"である。

と、まぁアツく語ってきたわけだが、要するに料理によって男らしさをアピールし、モテようというのが男の料理であり、本企画の趣旨でもあるのだ。なにも凝ったものを作るというわけではない。間違ってはいけないのが料理に惚れさせるのではなく、料理を作る自分自身に惚れさせるのである。

"酒は飲んでも飲まれるな"、"料理は作っても作らされるな"、なんなら肴はあぶったイカでいいのである。では、屈強なる漁師料理「アジのなめろう」の作り方を紹介していこう。

アジのなめろう

"オレとオマエとアジなめろう"  お酒のお供は今も友

材料
アジ 1尾 / 万能ネギ(あさつき)適当 / 味噌 適当 / しょうが 適当
男の料理なので、分量なんてものは適当でいいのである。

1.アジを三枚におろす
最初から刺身になっている奴とか買うのが早いのだが、自分でおろせたほうが 値段が半分で済むので、この際「包丁の研ぎ方」と「魚のおろし方」は各自習得したほうがよい。 皮と骨を取り除いた状態まで持っていこう。

2.材料をたたきあわせる
まな板の上にすべての材料をならべる。しょうがとネギは多めがおすすめ。
生臭さが消える。
胡散臭さは消えません。
どうしたらよいでしょうか?

3.ひたすらたたく
ここまで用意したら、ひたすらたたいて、たたいて、たたき切って、すべての材料を混ぜる。包丁の腹でこねる感じ。ねばりが出てきたら、完成間近。最後に5回まな板を叩いたら、ア・イ・シ・テ・ルのサイン。なんてことを一人でやっているんだから人生楽しかろう。

4.完成
皿にもったら完成。やはり魚には冷酒が良く合う。酒が飲めなくても、ご飯の上に乗っけて、お茶漬けにしてみても非常においしい。

もともと皿まで舐めたくなるくらい旨いから、「なめろう」という説があるほどの料理である。ちびちびと箸にとり、ゆっくりとお酒を楽しみたいものだ。
私のことはチビチビ舐めないでもらいたい。

執筆/写真 ワシ