こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

・「勝手に『ニコニコ動画』案内」のバックナンバーはこちら
・2010年2月5日以降の記事はこちら

YouTube、そしてニコニコ動画の登場により動画全盛期となった昨今のインターネットですが、それ以前に動画文化がなかったのかというとそんなことはありません。

今回は、90年代後半から2000年代中盤頃まで大流行していた「Flashムービー」にスポットを当て、現在ニコニコ動画で見ることのできる名作をご紹介していきたいと思います。


……と威勢よく記事を書き始めたわけですが、実はそうした懐かしのFlash作品はすでにニコニコ動画でまとめ動画がいくつも作られ、公開されています。

ですので、とにかく主だった作品を全部見たい! という方はこちらの動画から順番にご覧いただければ、十分にFlashムービーの魅力を味わうことができるでしょう。

ただし全部でPart10までと非常に長いため、ここではその中から個人的に印象に印象に残っている作品を個別にピックアップしてご紹介していきたいと思います。


ペリーといえば江戸時代の日本にやってきて開国を迫った軍人ですが、そのペリーの画像に俳優の宮崎吐夢の持ちネタである「ペリーのお願い」の音声を付けたFlash作品。

その独特な演技と、いかにもな似非外国人の片言が非常に面白く、あっという間にネット中で大人気になりました。


Flashといえば空耳ネタは定番です。「もすかう」は2005年頃にネットで流行したジンギスカン(ドイツのアーティスト)の楽曲「Moskau」を元ネタにして作られたFlash。楽曲の中毒性の高さと、意味不明ながらも勢いで押し切られてしまう空耳歌詞が絶妙にマッチした逸品で、こうしたFlashの空耳文化は現在でもニコニコ動画に多大な影響を与えています。


こちらも同じく空耳タイプのFlash「恋のマイヤヒ」。原曲はルーマニアのミュージシャン「O-Zone」による「Dragostea Din Tei」で、日本では2004年頃にFlashが制作され、2chを中心に大ブレイクを果たしました。

また、2005年にはこのFlash人気が発端となって起こった事件、通称「のまネコ問題」が世間を騒がせたのも記憶に新しいところです。


これもやはりアスキーアートを用いた空耳Flash。原曲はミッシェル・ポルナレフの「Tout, Tout Pour Ma Cherie 」(シェリーに口づけ)で、大量のネタがこれでもかと詰め込まれた珠玉の作品です。


Flashといえばこの作品を忘れてはいけません。有名な吉野家コピペをゴルゴ13風のキャラクターが読み上げるシュールさがヒットし、2006年の「日本のメディア芸術100選」にも選出。Flash黄金期を代表する作品の一つと言えるでしょう。

ちなみに作者のポエ山氏はその後、ニコニコ動画にも作品を投稿しており、


2010年にはゴノレゴシリーズにまさかの続編が! 相変わらずキレに惚れ惚れしてしまいます。

そうかと思えば、


ボーカロイド曲にもPVを提供。抜群の完成度を誇るアニメーションで、さすがの実力を見せつけています。


最後は個人的に大好きな作品を。使われている楽曲は「THE Offsprings」の「ALL I WANT」で、サビが「ドラえもん」と聞こえることから生まれた勢いの良い(勢いだけとも言う)Flashムービー。この記事のために検索して久しぶりに聞きましたが、相変わらず意味がわからなくて最高でした。

――といったところで、Flash黄金期の名作選はここまで。

改めて見てみると、こうしたFlash作品が現在のニコニコにおけるネタ系MADの原点になっていることがよくわかりますね。

動画共有サイトの台頭ですっかり影を潜めてしまったかに思えるFlashムービーですが、その根底に流れるサブカルチャーの精神は今も変わることなく新世代へと受け継がれているのです。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。
(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。