11月20・21日、東京工業大学大岡山キャンパスにてMake:Tokyo Meeting 06(通称MTM06)が無事開催された(Photo01~03)。実は今回、筆者も出展者の一人として2日間(+α)参加してきたので、"Inside MTM06"としてちょっとレポートをお届けしたい。

Photo01: 今年も東工大大岡山キャンパスの正門にMakeの旗が。

Photo02: で、建設中の建物の脇を抜けると、ここにもMakeの旗が。

Photo03: Photo02の先を下っていったところに今回は受付が。受付のすぐ裏が、今回新たに追加された生協食堂の会場である。

そもそもMTMとは?

最近色々なメディアに取り上げられるようになってきたMTMだが、何れもMTMをどう紹介するかでかなり悩んでいるようだ。MTMの公式サイト(?)はオライリー・ジャパンの特設サイトになるが、イベントの概要を読んでも非常に判りにくいというか、ぱっと判らないであろう。ここからは筆者の理解だが、MTM(や、今年は大垣でMake:Ogaki Meetingも開催された)の原型は、アメリカで開催されるMaker Faireだと思っている。シリコンバレーだと毎年サンフランシスコ国際空港から車で20分弱のところにあるSan Mateo County Event Center(昔は隣が有名なBay Meadowsという競馬場だったのだが、2008年から再開発が始まってしまい、現在はただの工事現場になっているのがちょっと哀しい)で開催されており、2010年の場合600余りの出展者が参加して盛大に行われている。中核になるのはMakeという名前の雑誌で、要するにモノ作りをする人々のための情報誌である。勿論このMakeに記事を寄せる人が参加しているが、別に記事を寄せなくても、それどころか読んでいなくても参加は自由で、要するに自分で何かを考えて作り、それをお披露目したい人々の発表の場、と考えれば良い。

さて日本においては、このMakeの日本語翻訳版をオライリー・ジャパンが発売しており、その関係もあってMakers Faireのミニ版とも言うべきものを2008年からMake:Tokyo meetingとして始めている。最初は東京都江東区のK International school Tokyo、2回目は多摩美術大学の八王子キャンパス、3回目はデジタルハリウッドの八王子制作スタジオ、と場所を転々としていたのだが4回目からは東京都目黒区にある東京工業大学の大岡山キャンパスに移り、以後MTM05、MTM06と連続開催されている。参加者も当初は出展者30組/来訪者600名と(それでもまだ)小規模だったのが回を重ねるごとに大規模になってゆき、今回のMTM06は出展者200組/来訪者8000名という規模に達している(ちなみにこの前段階として、MTM00とでも言うべきものもあったらしいのだが、詳細は不明である)。MTM02の様子MTM03の様子は大塚氏のレポートを参考にしていただきたい。またこのMTMを参考に今年9月に大垣で開催されたのがMake:Ogaki Meeting01(通称MOM01)で、開催主体は異なる(といってもオライリー・ジャパンも実行委員会に名前を連ねているから、全く異なるわけではない)が、後で話を聞いたところMTM05→MOM01→MTM06と連続して参加している出展者も結構いたようである。

さて、実のところMTMは本国のMakers Faireよりも更に敷居が低い。Makers Faireは一応会場に入るのにTicketが必要(2日通しだと前売券$30、当日券$50。勿論子供割引はあり)だがMTMは完全に無料である。これは出展者も同じで、企業だと3万円(+税金)の出展料が掛かるが個人は無料のまま。事前審査すらなく、申し込めば通るというものである。もっともどこにも明記はされていないが、「自分(達)で考えて、自分(達)で作ったものを展示なり販売する」のが原則ではある。これは販売も同じで、別に企業でなくても販売は可能であり、唯一オライリー・ジャパンからの制約は「自作の作品、キットやパーツ類などの販売は自由です。事前の申し込みは必要ありません。ただし、売買に関する出展者、来場者間のトラブルに関して主催者は一切その責任を負わないことをご了承ください。」である。このあたりは理系的な性善説に基づいて運用されている感じを強く感じる。

で、いきなり申し込みました

筆者もMTMの事は良く知っていたのだが、如何せん八王子は流石に遠い、と思っていたところMTM04から大岡山に移ってきて、思わず小躍りした口である。大岡山なら徒歩でいける距離(実際MTM04の初日は散歩しようとか言って大岡山方面に奥様を連れ出し、そのままMTM会場まで連れ込んだところ、筆者よりハマったのだから面白い)であり、MTM04/05とも2日間掛けてじっくり展示を見て廻ることができた。ただ、見ているとかつてのエンジニアの血が騒ぐというか、元々物作りが好きな性質なだけに、ただ見ているのはつまらない。「これは参加せねばならない」とMTM05の展示を見ながら決意した。

余談だが、その折に某社のお知り合いの方とばったり出くわし「おや珍しいところで会いますね」等と挨拶をしたのだが、ふと「いや次回は出たいと思ってまして」「お~」なんて会話をした某社さんと、今回同じ島で出展することになるとは思わなかった(笑)。

さてMTM06の出展だが、まずMake:Japanのblogで9月23日に告知された事をうけて、ここの申し込みページ(既に閉鎖されています)で参加登録を行って完了である。筆者の場合、9月23日に登録したところ、9月28日に登録完了メールが届き、次いで11月14日に出展マニュアルがPDFで届き、これで全てである。勿論その間に筆者は必死こいて出展物作ったり、出展前後は仕事にならないので(やっぱり必死こいて)仕事を前倒しで済ませたり後送りにしたり、という作業が当然のごとく発生する。最終的には5点ほど出展するつもりだったが、どう考えても間に合わないので2点削って3点にしたわけだが、このあたりはいずこも同じのようで、当日朝4時までデバッグしていたとか、開場になってもまだデバッグ中とか、そういう話を後で随分聞いた。