「今回発表する新製品の中でもいちばん好きなもの」とゴードン・トム氏が掲げた、"世界でいちばん静か"というクリーナー「ウルトラサイレンサー」

1日、日本市場での本腰を入れた展開を発表したエレクトロラックス・ジャパン 小物家電事業部 マネージング・ディレクターのゴードン・トム氏が集まった報道陣に掲げてみせたのは、「ウルトラサイレンサー」と名付けられた一台の掃除機だった。

スウェーデンに本社を置く、エレクトロラックスは世界150ヵ国以上で展開する世界最大級の白物家電メーカー。これまで日本では、洗練された"北欧デザイン"という同社ならではの強みを活かし、インテリアショップや通信販売などで販売してきた実績をもつ。

今回、本格的に日本市場に取り組むことを決めた同社では、従来の販売ルートに加え、「家電量販店」という新たな流通ルートを手に入れた。また家電量販店での販売を機に、ラインアップを大幅に拡充。"世界でいちばん静かな掃除機"などの新製品17モデルを含む調理家電と生活家電、計29アイテムを10月より順次発売する。

流通チャネル拡大によるブランド力アップ

「家電は家電量販店にないと意味がない」とトム氏は語る。
約100年前、家庭用電気掃除機を世界で初めて開発したという同社の主力製品である充電式スティッククリーナー「エルゴラピード」は、5年ほど前から国内のインテリアショップなどで販売し、年間7万台を売り上げているという。

ただ、日本でのエレクトロラックスの認知度は残念ながら「ほぼ0%に等しい」(同氏)のが現状。「掃除機を買う人がまず足を向けるのは、家電量販店なんです」(同氏)。今回の流通チャネル拡大は、販売につなげるだけではなく、ブランド力アップを狙うという目的もある。

スティッククリーナー「エルゴラピード」と、ダイソン日本法人のトップを務め、同社のビジネスを軌道にのせたことでも知られるトム氏。エレクトロラックス・ジャパンの「ユーザーサポート体制強化」にも努めていくという

「家電でいえば、日本はアメリカに次いで2番目に大きなマーケット。だが、これまで既存家電メーカーとの製品サイクルの違い(エレクトロラックスでは3年半~4年)、量販店での販売による価格の乱れといった不安要素があった」(同氏)。

新たに投入される製品の多くは、エレクトロラックスの中でも「ミドルクラス以上」の小物家電。昨今、日本でも人気の高い"北欧デザイン"で他メーカーとの差別化を図り、今秋展開する広告においても、収納せずに見せることを意識したスタイリッシュな"飾る"家電をアピールしていく。

ただ、「家電製品はキレイだから買うわけではない。"いい製品"だからお客様は購入する」(同氏)と製品の使いやすさ、機能性も疎かにはしない。「人と地球へのやさしさ」という企業理念にもとづいたものづくりの姿勢は、今回発表された新製品からも感じとることができる。

"普段の会話"よりも静かな「ウルトラサイレンサー」

新製品の中でも、主力モデルともいえる掃除機・ウルトラサイレンサーは同社の"自信作"。「日本市場で重視される3つのポイントをしっかりおさえた製品です」(同氏)。

10月に発売される静音性にこだわった「ウルトラサイレンサー」

その3つのポイントとは、
(1)パフォーマンス
(2)大きさ(小型・軽量)
(3)静音性
のこと。

ウルトラサイレンサーは新技術である「サイレント エアテクノロジー」を用いることで50dBの運転音を実現。最大パワーで掃除したときにも、普通の会話(約60dB)よりも静かなのだという。さらに、空気清浄機にも使用されている洗浄可能排気フィルター、3層の合成繊維s-bagロングパフォーマンスダストバッグなどを備え、本体からの排気漏れも防ぎ、高い排気性能を実現している。

ターゲットは? と聞くと、トム氏はにっこり笑って「誰でも」と一言。「デザイン性ではなく、使いやすさにもこだわって開発されたエレクトロラックス製品は、お年寄りやシングル、ファミリーなど、さまざまなライフスタイルにマッチします」と付け加えてくれた。

製品発表会では、音楽家のベンジャミン・スケッパー氏も登場。ウルトラサイレンサーとのコラボレーションによるライブ映像は公式サイトやYouTubeなどで9月中旬以降に公開される予定だ。

なお、今回発表された新製品の詳細は追ってマイコミジャーナルにて掲載予定。

チェンバロ、チェロ、そしてウルトラサイレンサーとともに『Air for the UltraSilencer Orchestra』を演奏したベンジャミン・スケッパー氏