"食べるラー油"がなんと食べ放題

「赤ちり亭 上野店」

暑いときこそ辛いものが食べたくなる。そして、激辛料理というものは、ある一定の層を魅了してやまない。ということで、そんな激辛料理ラヴァーに「とうがらし料理 赤ちり亭」を紹介したい。都内を中心に10店舗を展開している同店は、キューバ原産のハバネロを使った「ハバネロチキン」から中国・四川の「坦々麺」、韓国の「キムチ」「トッポギ」など、ワールドワイドな唐辛子料理が大集合している居酒屋だ。しかもオリジナルの"食べるラー油"が卓上に置いてあり、食べ放題。これ、行くっきゃないでしょ!?

今回実際に試食させていただくのは筆者と担当編集者Hの女性2人組。私は飲食店取材歴10年以上、数々の辛味料理も食べてきた。編集Hも韓国に度々行っており、辛味にはかなりの耐性がある。「よし! どの程度の辛さか私たちが試してやる!! 」と意気揚々と乗り込んだのは、8月1日に東京・上野のアメ横通り沿いにオープンしたばかりの「赤ちり亭 上野店」。入店すると「とうがらしとの出会い…」と力強く書かれた真っ赤な壁。続いて、大量の唐辛子のディスプレイ。とにかく内装デザインからして、唐辛子の存在感アリアリなのである。

カクテルも辛いです

オリジナルカクテル「金魚」(480円)。写真左は後ほど登場する「消化系ドリンク」(500円~)

まずはオリジナルカクテル「金魚」(480円)で乾杯! 唐辛子が一本丸ごと入ってサワー感覚のカクテル。色は透明なのだがピリ辛味なので、飲んでしばらくすると胃が刺激されて一気に食欲がわいてくる。これで戦闘準備は整った。

ふとテーブルの片隅を見ると、2種類の食べるラー油が置かれている。こちらが同店オリジナルの"食べるラー油"。刻んだ唐辛子をたっぷり入れた「赤ちりらぁ油」(店舗販売880円)と塩味の「塩らぁ油」(店頭販売850円)があり、店舗販売もインターネット販売も行っている。各商品の詳細は既に試食記事を掲載しているのでそちらを見てほしい。このラー油、購入すると900円近くするのだが、店内では好きなだけ食べられるとあってかなり気分がアガる。編集Hは早速ラー油だけを食べて、「これだけで(お酒が)何杯でもイケるわ~」とうれしそう。

右が「塩らぁ油」(店舗販売880円)、左が「赤ちりらぁ油」(店頭販売850円)。卓上調味料なので好きなだけ使える

唐揚げは旨辛で、しかも"凍って"ます

オススメ商品の1つとして出てきたのが、今年7月発売の「氷結鶏」(5本420円)。「氷結」と聞いてチューハイを連想しそうなものだが、こちらは唐揚げである。はい、冷たい唐揚げです。「!?!?!」という読者の皆さんの顔が浮かんできそうだが、砕いた氷の上には、なんと凍った鶏の唐揚げがのせられている。鶏の手羽中の部位なので、骨から肉身を剥ぎ落とすようにして食べる。最初は肉が冷たいのだが、すぐに口の中でジュワ~と肉の旨味が広がる。ちょっと酸味があって、そして旨辛。どうやってつくるのだろうという疑問を、同店を経営するインターブレインズの広報部にぶつけてみた。「じっくり時間をかけて揚げた後、独自の特製ダレで味付けし、その後、急速冷凍して旨味を閉じ込めています」。なるほど~。冷たいので肉がパサパサしているのかと思ったが、そういうわけでもない。なんとも不思議な一品だ。

摩訶不思議な"凍った"鶏の唐揚げ「氷結鶏」(420円)

次は看板メニューの「赤ちり鍋」(1人前880円)。同店では特製の赤味噌を使った今回の「赤ちり鍋」や、辛い味付けが苦手な人にオススメの「白ちり鍋」などを揃えているが、どれもモヤシやニラが山盛りで、ボリューム満点。でもボリューミーとは言っても野菜なので、胃もたれもせず、辛味もそれほど強くはないので安心していただける。

「赤ちり鍋」(1人前880円)。写真は3人前。程よい辛さなので、締めのラーメンまで食べ飽きない

"ラスボス"はハバネロチキン!

ここまで、難なく乗り切ってきた私たち。だが、敵(!?)は最後にすさまじいものを出してきた。「危険! スーパーハバネロチキン」(1本200円)である。商品名にもある通り、その辛さはまさに危険域。"赤の悪魔"とも称される激辛メニューなのだ。辛さは1~5段階から選べ、フライドチキンにかけるハバネロスパイスの分量で辛さを調整している(写真・試食共にレベル5のもの)。それでは、気合を入れて、ハバネロチキンをガブリ!

「危険! スーパーハバネロチキン」(1本200円・写真はレベル5の辛さ)

一気に顔面の毛穴が開き、汗がブワッと吹き出る。めまいがするほどの辛さで、唇が10倍に腫れ上がったような感覚。食べた瞬間、「ギャーーーーー!!!」と絶叫マシンに乗っているような悲鳴を上げてしまった。か、辛い。この世のものとは思えぬほど辛い! アタフタしていると、店員さんからオススメされたのが「消化系ドリンク」(500円~)。

こちらは、ミルクやヨーグルト、豆乳などをベースにしたドリンクで、「口に含んでしばらくしてから飲むと辛さが和らぎますよ」とのこと。燃えるように辛かった口の中だが、なるほど徐々に鎮火し、辛さもマシになっていった。編集Hは「『消化系ドリンク』で"消火"~。へへへ」なんてくだらないギャグがいえるほどに落ち着いた(若干壊れている気もするが……)。しかしながら完全にこの勝負、「赤ちり亭」の勝ちである。「こんなに辛い料理を食べたことがありませんでした。御見それいたしました! 」

今回はアルコールから鍋料理、一品料理と、とにかくさまざまな辛味料理を堪能できた。食べ進むうちに、辛さ一辺倒ではなく、辛さの奥に甘みがあったり、食材の旨味を引き出す辛味があったりと、いろんな味わいの辛さがあることを知った。……最後の激辛のハバネロチキンは本当に辛いけど。兎にも角にも、暑い夏こそホットな辛味料理! 仲間と行けばワイワイ盛り上がること間違いなし。カップルで行けば、互いのテンション上がって仲が一層深まるかも!?