会場を歩いていると、意外なバイクを見つけることがある。妙にカッコよかったり、つい微笑んでしまうようなバイクだ。ここではそういったモデルと、海外製のスクーターをまとめてみた。

Can-am スパイダー

スノーモービルのようなCan-amスパイダー

Can-am」は、スノーモービルや水上オートバイ、ATVなどを製造販売するカナダのBRP社のブランド名。今回BRPは、スノーモービルを陸上走行用に改造したような、スタイリッシュなオープンエアビークルを持ち込んだ。

「Can-am スパイダー ロードスター (Can-am SPYDER Roadster)」と呼ばれるこの乗物は、前2輪、後1輪の3輪車。駆動は後輪だ。バイクのように車体にまたがり、バーハンドルで操舵するが、車体はバンクしない。エンジンはロータックス製のV型2気筒990ccで、DOHCヘッドを持ち、最高出力は109PSというからかなり本格的だ。トランスミッションはシーケンシャル マニュアル5速と、セミオートマチック5速の2種類から選択できる。バック(後進)も可能だ。さらに、パワーステアリングをはじめ、ABSやトラクションコントロールなどの安全装備も備えている。ATVやスノーモービルを手がけているメーカーだけあって完成度は高い。

乗り味はどうなのかと聞いてみたところ、前が2輪であることと重心が低いため、コーナリングがものすごく楽しい、トライク(二輪を改造した3輪車)とはまったく違うとのこと。気になる価格は、まだ検討中だが、マニュアルが約230万円、オートマチック約250万円を予定している。発売は夏ごろまでに開始すべく、がんばっているところだという。ちなみに登録は側車付きの二輪車という扱いになる。ただし運転には四輪の普通免許が必要になる。

Can-am スパイダー ロードスター。無条件にカッコいい

ハンドルまわり。ここだけ見るとバイクとあまり変わらない

フロントサスペンションは本格的なダブルウイッシュボーン

リアはバイクのようなモノサス。バンクしないのでタイヤは四輪用のようだ

フロントのトランク(?)。けっこうな容量がある

シートは後ろヒンジで開くが、物入れはない。頑丈そうなフレームと給油口が見える

サイドカー、三輪車、そして屋根付きスクーター

サクマエンジニアリングのブースで見つけたのは、なんとも可愛らしいサイドカーだった。コロンとしたサイドカーがカブに取りつけられている。これはエムクラフト製の「TC2」というサイドカーで、他にもいくつか用意されている。さらにコンパクトな子供用のモデルなどもあるという。またこのカブは110ccなので、バイク側に2人、サイドカーに1人、計3人の乗車が可能。ただし登録は側車付軽二輪の扱いになる。サイドカーを付けた状態での操舵をラクにするため、フロントサスペンションの角度も変更しているという。

三輪車といえば、ピアジオの「MP3」が有名。ハイブリッドモデルまで登場したが、通常のガソリンエンジンモデルもラインナップを増やしており、125ccから500ccモデルまで販売されている。ちなみに400cc以下はMP3だが、500ccモデルは「ジレラ(Gilera)」ブランドの「フォコ(FUOCO)」となっている。

イタリアのマラグーティ(MALAGUTI)は、ルーフ付きのスクーター「BROG-ROOF」を展示していた。これは2009年に発売され、ヒット作となった125cc/160ccのスクーター「BROG」のルーフ付きモデル。5~6月ごろの販売を予定しており、価格は50万~55万円程度になりそうとのこと。社外品のスクーター用ルーフはたくさんあるが、これはメーカー純正だけあって、デザインや塗色もきれいにまとまっている。ルーフ部との隙間もほとんどない。ユニークなのは、ルーフ部だけ購入し、従来のBROGにも取り付けられることだ。15万円程度で提供したいとのこと。

エムクラフトのサイドカー。可愛らしいスタイルに、3名乗車が可能

サイドカーの室内(?)。見た目以上に広く、大人でも乗車できる

ピアジオブースに置かれた500cc三輪バイク「ジレラ フォコ」。MP3の上位モデル

マラグーティ「BROG-ROOF」。しっかりとしたルーフがバランスよく装着された

後ろからの眺め。視界は悪くない。ワイパースイッチはハンドル側に移動する予定

こちらは通常のBROG。125ccと160ccモデルがある

125ccクラスがたくさん選べる台湾スクーター

二輪不況は相変わらずだが、今回のモーターサイクルショーを見ていると、125ccクラスが元気に感じられた。カワサキブースでは最前列に125ccのニューモデルを置いていたほど。このクラスは十分な性能と維持費の安さで、実用的に使うには最適ともいえる。それに早くから気付いていたのが「キムコ(KYMCO)」や「SYM」といった台湾メーカーではないだろうか。

キムコのブースには、アッとびっくりなデコバイクが置かれていた。ボディ全体にキラキラとしたビーズが貼られている。これは新型スクーター「Mitch」の発売を記念し、デコレーションショップ「Deco Kiss!」とのタイアップで製作されたもの。ディスプレイ用の貸し出しなどに使われるが、希望者がいれば販売も行なうとのこと。価格は180万円。もちろん限定1台。

SYMのブースはとても広く、ゆったりしたスペースでバイクが並べられている。自由に跨がって確認できるという志向だ。主役はモデルチェンジを行なったばかりのスクーター「RV」シリーズ。125cc、200cc、250ccが用意され、日本では5月末ごろから発売されるという。

キムコのブースに置かれたデコバイク「Flower Garden」

テールまでキラキラビーズでびっしり

ボディ全体に貼られたビーズは、合計約10万粒にもなるという

キムコの最新モデル「AGILITY CITY 125」。16インチホイールによる安定性の高さが特徴

こちらはベーシックモデルの「CAPTURE 125DX」。17万円台で購入できる

SYMのニューモデル「RV125i」。インジェクション、2灯式ヘッドライトなど、豪華な作り

「RV200i」。RV125iと同じボディに200ccエンジンを搭載。高速道路にも乗れる

大型スクーター「RV250i」。日本製ビッグスクーターのライバル

スポーティでコンパクトなSYMのスクーター「X'pro Fighter 150」