環境省が推奨する家電エコポイントの対象商品は、地上デジタル放送対応テレビ、冷蔵庫、エアコンの3つ。今、この3商品を買い替えると、お得なエコポイントがゲットできるのはもちろんのこと、従来品にはない最先端の省エネ機能がもれなくゲットできる。エコポイントでお得、省エネ機能でお得。二重のお得を見逃す手はない。

今回は、この3商品のうち地上デジタル放送対応テレビと冷蔵庫の最新省エネ機能について紹介しよう。

地上デジタル放送対応テレビ(地デジ対応テレビ)

省エネ機能で超注目はバックライトのLED使用

省エネ化が進む地デジ対応テレビの中で、特に注目したい省エネ機能が、液晶テレビのバックライトにLEDを使用するもの。液晶テレビのバックライト(光源)には、蛍光管とLEDに2種類があるが、LEDの方が発光効率に優れ、画面全体をムラなく照らし出す。つまり、消費電力量を低く抑えながら、画面の明るさを適正に保つというわけだ。

バックライトにLEDを採用している機種には、SONY「BRAVIA」、SHARP「AQUOS」、東芝「REGZA」などがある。

もう1つ特筆すべき省エネ機能が、SONY「BRAVIA」の「人感センサー」。これは、テレビの前から人の気配がなくなると、音声はそのままで、映像だけが自動的にOFFになるというもの。たとえば、ちょっとキッチンに行ったり、いつの間にかうたた寝したりといった、よくある電気代のムダをカットしてくれる。人の気配が戻ると、再び映像がONになるのも、なかなか賢い機能だ。

SHARP「AQUOS」にも同様の機能があり、テレビの前から人が離れたら、節電画面になり、さらに、部屋の電気を消すと、電源が自動的にOFFになる。

このほかにも、室内の明るさを感知して、画面の明るさや画質を自動調整する省エネ機能も、電気代の節約に一役かっている。昼と夜や、照明器具の違いで変化する室内の明るさに合わせて、画面と画質を最適に調整し、余計な電力を使わない機能だ。

プラズマと液晶なら液晶テレビが節約に。使い方でこんな節約も

さて、テレビ本体の省エネ機能にプラスして、さらに節電を目指すなら、テレビの見方や使い方もひと工夫していところ。

  1. 最新機種には、電源コードを抜かなくても、待機電力量がほぼゼロになる機能がついているものがあるが、ひと昔前のテレビの場合は、夜間や留守中は電源コードを抜いて、待機電力量をカットしよう。また、必要以上に画面を明るくしたり、音を大きくするのは電力のムダになる。
  2. 静電気を発生しやすいテレビ画面は、ホコリがつきやすい。1週間に1度は、中性洗剤の薄め液に浸して固く絞った布で画面を拭こう。それだけで、画面の明るさがキープできる。
  3. 買い替え時には、「大は小を兼ねる」とばかりに、大型を買えばいいというものではない。大型になるほど消費電力量が増えるので、部屋の広さに合ったサイズのものを選ぶのが賢明だ。

最後に、液晶テレビとプラズマテレビとでは、どちらが省エネか? 軍配は液晶テレビ。画面の大きさが同じ場合、液晶テレビの方が画素数が多く、画像が鮮明。消費電力量が少なく済み、また寿命も長いと言われている。

SONY<ブラビア>「KDL-40EX700」
LEDバックライトと、かしこく節電できる「人感センサー」搭載。更なる高画質と省エネ性能を実現

冷蔵庫

ドアの開け閉めの多い時間を記憶する冷蔵庫も

冷蔵庫の省エネ機能の向上もめざましい。10年以上前の機種を使用している家庭は、エコポイントを利用できる今が、買い替えのチャンス。365日24時間、つけっぱなしだからこそ、省エネ機能搭載の冷蔵庫を選ぶことは、節電に直結するはずだ。

冷蔵庫の省エネ機能の主なものは、(1)断熱材、(2)庫内を一定の温度に保つインバーター機能、(3)新冷却システムの3つ。(1)断熱材については、各機種とも真空断熱材の性能を高めることで、断熱効果が飛躍的に向上している。庫内温度の変化をチェックして、冷やしすぎを防ぐ(2)インバーター制御システムも、節電にはなくてはならない機能。(3)新冷却システムとは、冷蔵、冷凍、野菜の3室それぞれをセンサーがチェックし、適切な温度で効率よく冷やして、消費電力量のムダを省くというもの。

定番のこれら3つの省エネ機能に加えて、目新しいのが、パナソニックの「エコナビ」機能。これは、毎日のドアの開け閉めを開閉センサーがチェックして、マイコンが記憶するというもの。たとえば、食事時間などドアの開閉が多いときは、開け閉めしても冷却効果がキープできるようにコントロールする。留守中などドアの開閉がない時間帯は、自動で節電運転。

この機能のスゴイところは、冷蔵庫が、各家庭ごとのドアの開閉頻度や開閉時間帯を記憶するので、使えば、使うほど、その家庭に合った節電運転になること。わが家にカスタマイズした冷蔵庫で、節電効果もアップするというわけだ。

さらに、冷蔵庫の周囲の明るさを照度センサーが感知して、灯りが消えたら、家族が就寝したと判断して、自動的に節電運転に切り替わるという賢さだ。

同様の機能が三菱「光ビッグ」にもついている。朝は、家族が起きてきて、頻繁にドアを開け閉めする前にしっかり冷やし、昼間はエコ運転。夕方、再び冷却強化。夜間は、霜取りタイムになっている。

各家庭ごとの冷蔵庫の使い方を冷蔵庫自体が記憶して、もっとも省エネになるように自動運転してくれるというわけだ。これで「何度も冷蔵庫を開けないで! 」と文句を言ったり、言われなくなるかも。

詰め込みは厳禁! 適当に隙間をあけて保存が基本

冷蔵庫の省エネは、機能も重要だが使い方もポイント。

  1. 放熱ができるように、周囲に適当な隙間をあけて置く。
  2. 食品を詰め込みすぎない。詰め込みすぎると、冷気の流れが悪くなり、庫内が均一に冷えず、冷却力がダウン。
  3. ドアパッキングは定期的にチェック。名刺をはさんで落ちるようなら、パッキングの交換どき。
  4. 熱いものは冷ましてから入れる。
  5. ドアの開閉は短く、手早く。よく使うものは手前に置く、細かいものはケースに入れて迷子を防ぐなどの工夫を。
  6. 冷蔵庫カーテンなどで直接、空気に触れて温度が下がるのを防ぐ。

パナソニックトップユニット冷蔵庫 NR-F601XV
毎日のドア開閉をセンサーで検知。マイコンが記憶・分析・予測し、生活パターンに合わせて庫内の温度をコントロール。ドア開閉がない時間はエコナビ運転に

また冷蔵庫の周囲の明るさを照度センサーで検知。夜、周囲が暗くなると、冷蔵庫を使わないと判断して、自動でエコナビ運転に。朝は、朝食の準備の時間を記憶・分析し、予測して通常運転に戻る。