【レポート】

東京モーターサイクルショー 2010 - 熱い走りのイタリアン

    西尾淳  [2010/03/27]

    イタリアのバイクメーカーは数多く、魅力的なマシンも多い。共通するのはどれも熱い走りを見せることだ。ここではドゥカティ(DUCATI)、アプリリア(Aprilia)、モト・グッツィ(MOTO GUZZI)、ビモータ(bimota)、MVアグスタ(MV AGUSTA)のブースをチェックした。

    ドゥカティのブース

    ドゥカティは新しいムルティストラーダをお披露目

    ドゥカティといえばスーパースポーツがイメージされたのも以前の話。今回のブースのメインに置かれたのが登場したばかりの新型「ムルティストラーダ(MULTISTRADA)」なのは当然としても、ストリート向きの「ハイパーモタード(HYPERMOTARD)」や「ストリートファイター(STREETFIGHTER)」「モンスター(MONSTER)」などが多く、「1198S」などのスーパーバイクは展示のひとつといった感じになっている。

    それには、日本特有の排出ガス規制や騒音規制も関係しているという。たとえば日本の検査ではエンジンを始動した瞬間から排出ガスがクリーンであることが求められる(コールドスタート)が、キャタライザーをエンジンから離れた位置に置くスーパーバイク系は、キャタライザーが温まりにくく、クリアするのが大変だという。そのため日本仕様は大幅なパワーダウンを余儀なくされてしまう。エンジン近くにキャタライザーを置こうとしても、すでにそのスペースはない。新しい「ムルティストラーダ」はそういった点も考えて作られている。

    ムルティストラーダは、「Multi=多くの」「Strada=道」という意味。つまり道を選ばないマルチパーパスバイクである。同種のモデルの代表としてはBMWのGSを思い出すが、GSがオフロード性能を重視してるのに対し、ムルティストラーダはオンロードを重視しているという違いがある。

    人気のモデルを尋ねると、やはりストリート系のハイパーモタードなどが人気らしいが、お薦めはモンスターとのこと。現在のモンスターは2008年に登場した「モンスター 696」で生まれ変わり、現在は1100も追加された。このモンスターは若い人からご年配まで、試乗すると全員が全員「楽しい」と感想を述べてくれるのだという。696であれば値段もリーズナブルだ。

    新しい「ムルティストラーダ」。白いモデルはオーリンズのサスペンションなどを装備したスポーツエディション

    パニアケースを装備したムルティストラーダのツーリングエディション

    ストリート系の「ハイパーモタード」。これは高性能な「1100 EVO SP」

    スーパーバイクからカウルを外したようなスタイルの「ストリートファイター」

    「モンスター 1100S ABS」。タンク部は樹脂製のカバーのため、カラーカスタマイズも可能

    スーパーバイクの「1198S Corse Special Edition」。完成されたスタイル

    進む方向を模索する「アプリリア」と「モト・グッツィ」

    アプリリアはスーパーバイク選手権に参戦する「レーシング RSV4 Factory SST」と、市販モデルの「RSV4 Factory」をブースの中心に置いていた。RSV4はV型4気筒エンジンを搭載し、市販モデルでも180PSを発揮する、まさにスーパースポーツである。

    RSV4でレースを続けつつ、一方ではオートマチックトランスミッションの「マーナ(MANA)」も販売している。一般的なところでは「シヴァ(SHIVER)」を用意し、ストリート系には「トゥオーノ(TUONO)」「ドルソデューロ(DORSODURO)」がある。アプリリアは各方面にまんべんなく開発を行なっている。

    モト・グッツィは90度V型2気筒エンジンを縦に置き、シャフトドライブで後輪を駆動する。それもあって、最新モデルでもどことなくクラシカルな雰囲気があるのだが、今回、ブースの中央に置かれたコンセプトモデル「V12 LM」は、かなりインパクトがある。異形な印象すら受けた。

    コンセプトモデルのために不明な点も多いが、90度Vツインエンジンを縦に置くという構成は同じ。排気量は1,151cc。凝った前後サスペンションを装備する。このままで市販されることはないだろうが、排出ガスはEURO3をクリアしているらしい。意外と現実的なのかもしれない。

    アプリリアのブース

    スーパーバイク選手権用の「レーシング RSV4 Factory SST」

    市販モデルの「RSV4 Factory」。65度V型4気筒エンジン

    扱いやすい「シヴァ750」。イタリアンVツインが100万円以下で買える

    ストリート系の「ドルソデューロ 750 Factory」。90度Vツインエンジンを搭載

    モト・グッツィのコンセプトモデル「V12 LM」

    ヘッドライトはLED。タイヤにもモト・グッツィのマークが入っている

    リヤサスペンションはスイングアーム上に置かれる

    もちろん市販モデルもある。これは「グリソ(GRISO) 8V SE」

    プレミアムモーターサイクルの「ビモータ」と「MVアグスタ」

    二輪のフェラーリとも言われるビモータ。現在はおもにドゥカティのエンジンを使用し、美しいマシンを作り続けている。「DB7」は1,099ccの水冷L型ツインエンジンを長円クロモリトレリスフレームに搭載。DBシリーズとしては初の水冷エンジンとなる。ちょっと角張ったスタイルは他で見られないものだ。もちろんビモータなので、各部の仕上げはパーフェクト。「テージ3D(TESI 3D)」はハブセンターステアリングが特徴。他メーカーでもなんどか試みられた機構だが、何代にもわたって作り続けているのはビモータだけだ。3Dは前後スイングアームを鋼管トレリスフレームとした。なんとも不思議な美しさを持っている。

    MVアグスタは、新しい「F4」を持ち込んだ。一見するといままでのF4に似ているが、よく見るとカウルやタンクだけでなく、フレーム、エンジンまで新しくなっている。フレームタイプは従来と同じ鋼管トレリスフレームを採用している。エンジンは998cc。8段階で調整できるトラクションコントロールシステムも装備する。従来型F4の最終モデル「F4-1078 RR312」も展示されていた。こちらは30台限定の生産で、シリアルNo.プレートも付けられる。

    ビモータ(MOTO CORSE)のブース

    ビモータ「D(B-7)」。価格は438万円

    ハブセンターステアリングの「テージ3D」

    MVアグスタの新しい「F4」。すべて新設計

    4本マフラーは先代を踏襲する

    従来型F4の最終モデル「F4-1078 RR312」

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