オンキヨーは、高付加価値を持つモバイルPC「パーソナルモバイル」として、4.8型液晶を持つポケットサイズのBXシリーズ「BX407A4」、回転式タッチパネルを採用したNXシリーズ「NX707A4」、デュアルディスプレイモデルのDXシリーズ「DX1007A5」「DX1007A5B」の3シリーズ4モデルを12月下旬から順次発売すると発表した。各機種ともオープンプライスで、オンキヨー製品公式ショッピングサイト「ONKYO DIRECT」価格は、BX407A4が64,800円、NX707A4が59,800円、DX1007A5が84,800円、DX1007A5Bが104,800円。

パーソナルモバイルとして新カテゴリーを創造するBXシリーズ、DXシリーズ、NXシリーズ(左から)

新製品を紹介するオンキヨー 常務取締役 PCカンパニー社長兼開発センター長 菅正雄氏

発表に先立ち8日に開かれた新製品説明会では、オンキヨー 常務取締役 PCカンパニー社長兼開発センター長 菅正雄氏がPCの事業展開について説明した。

2010年のオンキヨーPC事業のキーワードは、「地上デジタル放送への対応」「家電との融合」「新しいPCカテゴリーの開拓」の3点。地上デジタル放送への対応では、TVチューナーやラジオチューナーの開発、TV視聴ソフトの開発、超小型スピーカーの開発を進める。PCでTVを見る需要が伸びるとし、TV視聴だけでなく、音楽や写真などにも統合的に対応する独自再生アプリケーションを推進。スピーカーは、得意分野を生かしながら、PCで高音質が楽しめるものを開発していく。

家電との融合ではインテルとの協業を骨格とし、PCのアーキテクチャを家電に取り込むことで、デジタルオーディオシステムやモバイルインターネットデバイスをはじめとした新カテゴリーの製品を開発する。新しいPCカテゴリーの開拓では、今回発表したパーソナルモバイルに加え、スピーカーやデジタルアンプなどを開発していくとした。

PC事業としても、一体型、A4ノート、スリムタワー、Netbookといった、競合の多い既存のメインストリームだけではなく、今回発表するパーソナルモバイルのほか、プレミアムPC、家電との融合製品、PC周辺機器の開発を今後進めていく。

「パーソナルモバイルモデル」で個人向け市場を盛り上げる

パーソナルモバイルモデルの紹介では、Windows 7の登場で盛り上がっている反面、個人市場におけるA4ノートの価格下落、差別化された製品の不足を指摘。Netbookにおいても、画一的な仕様により需要が踊り場となっていることで、激戦区と化していると解説。

既存市場ではなく新しいカテゴリーを開拓するためにパーソナルモバイルを開発

一方でオンキヨーは、得意分野の「音」をフックに差別化したデスクトップ製品を投入することで、ONKYOブランドの新PCの本格的な展開を開始した。従来映像に特化したPCはあったが、音を重視したPCは少なかったためだ。このように、何か新しいものを持つ個性的な製品が、店頭PC市場の7~8割を占めるノート市場でも重要になる。そこで今回は、際立った存在感を放ち、個性的なPCを開発する工人舎との協業を開始。ソーテックを合併しPCに本格参入したオンキヨーのPC企画力・販売力と、工人舎のPC製造・開発ノウハウを生かしたパーソナルモバイルを開発することで、個人向け市場を盛り上げていくとした。

パーソナルモバイルの開発は工人舎との協業により進められた。オンキヨーはソーテックを合併しているが、工人舎の社長がソーテックの元社長というところでもつながりがある

パーソナルモバイルは、Netbookと差別化するために、特徴を持たせている。これにより新カテゴリーを創造していく

BXシリーズは、約370gと超軽量で7時間駆動を実現。NXシリーズは7型回転式タッチパネル液晶とGPSを搭載した約720gの軽量モデル。DXシリーズは10.1型液晶を2基搭載し、必要に応じて2画面と1画面を使い分けられ、液晶部は回転する。このように、従来のNetbookとは差別化された特徴ある仕様で新スタイルを提案。新規需要、2台目需要を創出することで、市場全体の拡大、単価のアップを目指すとした。

パーソナルモバイルとしてBXシリーズは超小型モデル、NXシリーズ多機能モデル、DXシリーズはデュアルディスプレイと、それぞれ特徴を備えている