東芝は5日、「CELLレグザ 55X1」を発表した。発売は12月上旬を予定している。価格はオープンで、市場価格は100万円前後と予想される。

CELLレグザ 55X1のサイズは55V型で、モニター部分とチューナー部分とが分かれたセパレートタイプ。最大の特徴となっているのが、名前の通り「Cell Broadband Engine」を搭載した「CELLプラットフォーム」の採用。同社の現行テレビには、プログラミング可能なエンジン「メタブレイン」シリーズが使用されている。CELLレグザ 55Z1に採用されるCELLプラットフォームは、ZX8000シリーズに採用されているメタブレインプレミアムに比べても、143倍という高い処理能力を持つ。これにより、従来のエンジンでは能力的に難しかった、多機能や高度な映像処理を搭載することが可能となっている。

「CELLレグザ 55X1」のプレゼンテーションを行う、東芝デジタルメディアネットワーク社 社長 大角正明氏

機能面では、録画機能の充実が大きなポイント。搭載されているデジタルチューナーは、地上デジタル放送用が11基に、BS/110°CS放送用が3基。地上デジタル放送用のチューナーのうち、8基は、「タイムシフトマシン」用となっており、過去26時間分の番組を、最大8ch分、HDDに一時保管し、遡って視聴することが可能となっている。ゴールデンタイムの番組のみを指定すれば、1週間分の番組を一時保管することも可能だ。タイムシフト用以外のデジタルチューナーは、地上/BS/110°CSの視聴用が各1基に、通常録画用が各2基。つまり、番組を見ながら、全chの一時保管を行い、さらに2番組の同時録画が可能となっている。多くのチューナーの搭載により、視聴時にも8画面表示までが可能。さらに、チューナー番組表や画面下部に表示されるミニ番組表にも、現在放送中の番組がサムネイル表示されるようになった。

世界初の「CELLプラットフォーム」採用テレビ「CELLレグザ 55X1」

CELLレグザ 55X1のチューナー部分

「CELLプラットフォーム」は、3枚の基板から構成される

多くの番組が録画されるとなると、HDDの容量が問題になりそうだが、CELLレグザ 55X1では3TBのHDDを内蔵。タイムシフト用に2TB、通常録画用に1TBが割り当てられている。また、さらに、USBポートに2台までのHDDを接続可能となっており、比較的簡単に録画容量を増やすことが可能だ。2TBのHDDを2台USB接続した場合、合計で約730時間の録画が可能となっている。

また、録画タイトルの増加に対応するため、「ローミングナビ」と呼ばれる新たなUIが搭載されている。ローミングナビでは、ユーザーが選択した番組の周囲に、その番組に関連した番組が、サムネイル表示されるというもの。

録画以外では、ネットワーク機能も充実。搭載されているブラウザはOperaで、リモコンに搭載されるタッチパッドにより、普通にPC上でブラウザを使うのと同様の操作が可能だ。

映像面では、「CELLプラットフォーム超解像技術」を搭載。同技術では、ZX8000シリーズに搭載されている超解像技術に、エッジ部分の補正と色に対する補正を加えている。エッジ部分の補正は、エッジの周囲から近い映像信号を抽出して、重ね合わせることで正確なエッジ補正を行う自己合同性を使用したもの。また、色に対する補正は、伝送時に1/4にまで圧縮されている色信号から、欠落した部分を復元するというもの。また新たに、ネットで配信される映像や、アニメーションに対する超解像技術も搭載されていいる。

また、バックライトには、部分ごとに制御可能なLEDが採用されているが、従来は96だったLEDアレイを512に増加。より、細かなレベルでのバックライトコントロールを実現しており、ダイナミックコントラストは500万:1となった。

CELLレグザに内蔵されるチューナーセット

録画した番組を、「タイトル」「人物」「ジャンル」「キーワード」の関連性によって抽出する「ローミングナビ」

スピーカーには、フォスター電機製のユニットを採用。8cm径のダブルウーファー+3cm径のソフトドームツイーター

主な仕様
チューナー部入力端子 HDMI×5/D×1/S×1/コンポジット×3
USB端子 3基(2基は録画用、1基は汎用)
モニター部サイズ 1333(W)×963(H)×402(D)mm(スタンド含む)
チューナー部サイズ 436(W)×109(H)×387(D)mm
モニター部質量 44kg
チューナー部質量 10.5kg
モニター部消費電力 320W
チューナー部消費電力 140W