情報セキュリティ対策推進コミュニティは29日、赤坂のTBS(東京放送)において2009年度「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!」の記者発表会が開催。前年度に引き続き"なめ猫"をイメージキャラクターに据えて安心して利用できるIT環境を実現するための各種キャンペーンや、事務局各社のセキュリティに対する取り組みなどが発表された。

みんなでセキュリティを強化!

「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!」とは

「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!」とは、政府が策定した「情報セキュリティの日」(2月2日)を念頭に2月1日から2月28日までの間実施されるセキュリティ強化キャンペーン。この期間それぞれ加盟する企業・団体がツールキットの配布やセミナー、イベントなどを行い、情報セキュリティ対策の啓蒙や「情報セキュリティ対策推進コミュニティ」への参加を促進する。

「情報セキュリティ対策推進コミュニティ」に参加するには、「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2009」にアクセスして登録し、セキュリティに対する取り組みになどについて記入するだけでブログやWebサイトに設置可能な「"なめ猫"の動く参加賞」を手に入れることができる。

「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2009」 Web

"なめ猫"ブログツール

一般に普及した今だからこそセキュリティが大事

マイクロソフト チーフセキュリティアドバイザー兼情報セキュリティ対策推進コミュニティ事務局 事務局長 高橋正和氏

記者会見において、事務局長であるマイクロソフト高橋氏は、近年、SNSやオンラインショップなどの人気により、特定の目的をもちながらPCに関してはあまり知識を持たない一般ユーザーが増えている点や企業内のセキュリティにおいては「通常の企業業務の中での情報セキュリティは、どうしても地味な仕事に見られ、社内外でも注目されることが難しい仕事だが、こういった機会に内外を問わず広く活動を紹介していってもらえれば」と「情報セキュリティ対策推進コミュニティ」の趣旨を説明した。

内閣官房情報セキュリティセンター参事官 関啓一郎氏

関氏は、「警察のデータによればサイバー犯罪は、ここ6年で4倍ぐらいに増えている。利用も増えているがいろんな問題も増えている」とサイバー犯罪が増加し多様化している現状を報告。個人の端末ではなくWebの脆弱性を狙ったものが増えている点や端末を乗っ取るボットなどの脅威などにも触れ、「ウィルスやボット、不正ソフトの被害者にならないことも大事だが、もし被害にあったときの対応も大事」とセキュリティ教育の重要性を語った。

マイクロソフト 代表執行役 副社長コンシューマー&オンライン事業部担当 堂山 昌司氏

また、マイクロソフトの堂山氏は、PCが広く普及したことによる子供たちへの影響について指摘、「今の小学生、中学生、高校生がどれだけインターネットというものの安全性、どう使えばいいのか、どう使えばマナー違反にならないのか、そういったことが教育の現場を通してできていない」と現状について語り、今回のイベントの重要なポイントの一つであると強調した。

株式会社東京放送 代表取締役専務 城所 賢一郎氏

TBSの城所氏はセキュリティの重要性を説きながらも、「携帯電話を持たせないほうがいいとか、インターネットに触らせないほうがいいとか、禁止するという方向に世の中がいってしまうことに関しては危惧もある」と述べ、「子供の時代からインターネットやコンピュータに入った情報のどういうところにウィークポイントがあって、どういうところを心掛けて使わなければならないかを教えていくことが重要」とPCに対する初等教育の大切さを語った。

子供向けには情報セキュリティレンジャーズ/玄人にはIT Security Award

「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!」では具体的に以下のような活動を開催するほか、今後も様々な活動を展開していく予定だ。

知っとく!なっとく! 親子トクトク情報セキュリティ・ワークショップ

TBS、マイクロソフト、Yahoo! Japanが主催するのが「知っとく!なっとく!親子トクトク情報セキュリティ・ワークショップ」。東京赤坂のTBS放送センター内で子供のIT教育を中心の「キッズグループセミナー」、保護者向けに「ママパパグループセミナー」を開催される。「キッズグループセミナー」では、クイズ方式でのインターネット教育をおこなう。情報情報セキュリティの歌『WANT TO BE SAFE!』にあわせてラッキィ池田氏が振付けした「情報セキュリティ体操」を「情報セキュリティレンジャーズ」と一緒に踊りながらセキュリティを学習できる。

日時は、2月7日の13:00から16:00、2月8日の9:30から12:30、2月8日の14:00から17:00までの3コースのみ(集合時間は別途確認)。定員は各回30組まで。参加費無料。定員しだい締切りなので早めに応募しよう。

発表会に登場したラッキィ池田と情報セキュリティレンジャーズ

インターネット安全教室

「インターネット安全教室」は、かわいらしい"こぶた"キャラと一緒にクイズ形式でPCやインターネットのモラルを学習していくことができる。子供の使うPCを安全に保つためのコンテンツ、子供用にインターネットを正しく使うためのコンテンツなどがある。コンテンツはCDイメージでも配布されており、3月31日までの期間限定でCD-ROMの郵送も可能。

子供のためのインターネット安全利用を考えるコンテンツが掲載されている「インターネット安全教室」

IT Security Award 2009

「IT Security Award 2009」はITエンジニアと開発者のためのクイズ大会。それぞれの難易度にあわせたセキュリティクイズに挑戦して全10問正解した場合にはアワード受賞の表彰状、不正解のユーザーも抽選で300名に豪華商品があたる。

クイズは、それぞれ難易度に合わせて監督賞、主援賞、作品賞に分けられる。監督賞ではマイクロソフトのITセキュリティに対する取り組みに関する問題、主援賞は情報セキュリティの管理、運用、対策等における技術的なものに関する問題。作品賞はアプリケーション開発におけるITセキュリティの技術的な問題。プレゼントにはゲーム機やノートPCなども。応募期間は2月16日まで。

「IT Security Award 2009」。クイズ形式のセキュリティ問題に解答すると豪華商品も

本年度「情報セキュリティ対策推進コミュニティ運営事務局」事務局メンバー(五十音順) インターネットイニシアティブ(IIJ)
NECビッグローブ(BIGLOBE)
NTTコミュニケーションズ(提供ISP「OCN」)
Global Infrastructure Alliance for Internet Safety (GIAIS)
シマンテック
ソースネクスト
ソフトバンクBB(Yahoo! BB)
大成建設
東京放送(TBS)
トレンドマイクロ
ニフティ(@nifty)
マイクロソフト
マカフィー