皆さん猫好きですか? 私は大好きです。猫鍋とか猫カフェとか、最近では改札猫なんてのも……どうやら世の中的にも"猫ブーム"というものが起きているそうで、猫も杓子も猫大好きらしいですよ。ブームのおかげで猫ちゃん達の愛らしい姿を目にする機会も増えまして、いやはや私も嬉しい限りです。猫ってほんと可愛いですよね!

今回は猫ドキュメンタリーDVD、「"猫びより"presents 猫三昧」を紹介します。コタツ猫ちびちゃんのパッケージが目印

我が家にも9カ月程になる、うずらという名前の愛娘がいます。これがもうなんとも言えない可愛さでして、目の中に入れても痛くないとは正にこのことかっ! と悶絶する日々。キジトラ柄にちょっと三毛がまざってまして、手足の先っぽはまっ白で、まるで手袋&ソックスみたい。スラリと伸びたしっぽも美しい美幼女です。「うずらちゃん、ぐへへへっ」などと迫ってしまうのも、私が変質者だからなのではなく、うずらちゃんが可愛すぎるからいけないんですよ。

「うちの子が世界一可愛い」などと話す飼い主さんをよく見かけますが、あれ間違いです。だってうちの子が一番可愛いんですもの。え? 猫好きはみんなそう言うって!? いやいや、うずらちゃんマジヤバイ。普段はツンとしてるんですが、デレ時の彼女の破壊力マジヤバイ。あのツンデレ娘め、さっきまで気のないそぶりで呼んでも無視してたくせに、ふとしたところで、急に「にゃー」とか鳴きながら私の膝の上にちょこんと乗ってきてですね、肉球で私の頬をぷにぷにぷにぷにと、チュウまでせがんできて、ハァハァ、うずらちゃんハァハァ。

この子が我が愛娘のうずらちゃんです。もうかわいくてかわいくて。猫好きならこのくらいの親バカは許してもらえるものと信じてます

チュウしてきたりもするんです。一応「娘」になってるんですが、むしろ結婚したいボクのお嫁さんになって下さいハァハァうずらさんハァハァ

スイマセン。調子に乗りました。愛娘に自宅のお留守番をまかせて、会社で仕事なんかしているもので、そうすると時間経過に伴ってですね、猫Loverの必須栄養成分であるところの"猫分"がどんどん枯渇していってしまうんですね。"猫分"の不足は猫Loverにとっては重大な問題なんです。猫さえいれば俺は負けやしねぇんだよぅ……。精神的にだって不安定にもなります。悪いのは可愛すぎるうずらちゃんです。

とはいえ、会社に愛娘を連れてくるというのも色々と問題があって難しいですし、なんとか手軽に摂取できる"猫分"含有物はないものかと常々悩んでいたのですが、なかなか良いものを見つけました。それが今回紹介する猫ドキュメンタリーDVD『猫三昧』です。日々ディスプレイとにらめっこの職場なんで、隙を上手くつけばDVDを見ていても怪しまれることなんて無いはず……。

はてさて、『猫三昧』というタイトルから推測するに、ベッドの上でにゃーにゃーとあふれ出さんばかりのあまたの猫ちゃん達と思う存分もふもふ戯れ放題のけしからん映像なのかー! とか、そんな内容を妄想してしまうのですが、もちろん違います。まぁ大体そんな感じですが。本当は、猫と人間の、ささやかだけど、本当にあった話。飼い猫や野良猫、子猫からご長寿猫まで、様々な猫にスポットを当てたショート・ドキュメンタリー集という内容で、一般の猫達の何気ない日常生活を映し出した作品となっています。

普通の猫との何気ない日常のエピソードが収録されています
PHOTO:(C)じゃんぼ よしだ

中身をちょっと紹介しますと、こむぎちゃん(女の子)はダンボールを噛み噛みするのがお気に入り。ハイ、うちの子もダンボール派です。映像の中で飼い主さんに「○○で困っちゃうんです」などとノロケられると、「そうそう、困っちゃうんですよね~」などと、見ているこっちも一緒にノロケちゃうわけです。「すごい甘えてデレデレしてくるんですよ」と愛猫を紹介するも、実際にデレデレしてるのはどうみても飼い主さんで、それを見ているこっちも同じくらいデレデレしてしまいます。

動物病院の受付猫、もしもしくん(男の子)は、元々野良で、交通事故にあってしまい運び込まれ、そのまま院長先生に引き取られたという過去を持つ猫。今でこそ、初めての人の膝の上でも乗ってしまうほどの甘え上手なのですが、当時は事故のショックもあってか人間には全然慣れてくれなかったそうです。来院者や院長先生に愛情を注いで貰っているうちに、ちょっとずつ甘えん坊さんになっていったそうで。……ワカリマス、ワカリマス。うちの子も、事故で運び込まれた子を引き取ったクチなんですが、最初は人間が駄目でした。今では一緒の布団で寝てくれるくらいラブラブなんですけどね!

と、まぁそんな感じで、ほかにも雑貨屋に住みついた9匹の猫とか、古着屋さんの看板猫、納豆が好きな猫などなど、猫と人間の交流が織り成す様々なエピソードが展開されるわけです。それぞれにドラマがあって、猫が家族として、友人として、人が猫を支え、猫が人を支え、そして人間と一緒に生きている様が語られます。そんな感じでもう全編にわたり猫、猫、猫と、猫の宝石箱状態で、猫の可愛いしぐさをこれでもかと満喫することがもきますし、心あたたまる話や、ちょっとホロリとくる話も収録されています。もちろん、兄弟子猫ちゃんが重なりあって寝ているところとか、おもちゃをおいかけて同じ方向に首を振る子猫とか、鼻血ブーな映像もキチンと完備してますよ。

こんな鼻血モノの映像も。たまりませんっ!

映像にはナレーションも入っていて、担当するのはタレントのはなさん。独特のやさしい語り口が映像のやわらかい雰囲気にもマッチしていて、これが絶妙に"猫分"抽出を促進してくれてます。はなさんとコンビを組む司会進行役は、コタツ猫のちび。ちなみに、このちびちゃん、司会進行となってますがそれらしい仕事は全然していなかったです(笑)。登場するたび、常にふてぶてしい表情でコタツに入って飲んだくれているだけで、役にたってない(笑)。でも妙にかわいいのでDVDでは是非注目してみてください。

ドキュメンタリーの合間には「江ノ島野良猫探訪」と題し、野良猫の素敵な写真を撮ってまわるというミニコーナーも挿入されています。ところで、そのコーナーに登場する猫写真家のじゃんぼよしださんが、「野良猫の住めないような街には、私も住みたくない。そのためには、人間がやらなきゃいけないことがある」と話しています。人間が猫と共存するために果たさなければいけない責任など、色々と考えさせられる場面です。

「江ノ島野良猫探訪」では野良が主役です

本編はこんなところで、特典映像も紹介しておきましょう。DVDには、TSUTAYA ON LINEで開催された「にゃんLINEアワード」で一般公募された猫動画・静止画のうち、上位優秀作品を集めた作品集や、猫雑誌とタイアップした猫マンガのスライドショー"ネコの間アワー"、猫写真スライドショー"ネコまる大賞"といった特典映像が収録されています。

にゃんLINEアワードは、もうとにかく可愛い猫だらけで、投稿ハプニングビデオの猫版とでも言うべきか、猫じゃらしにぶらさがったままふりまわされちゃう猫ちゃんとかを見てニヤニヤできます。ネコの間アワーの猫マンガってのは、猫の写真にマンガのようなふきだしのセリフを入れて、おもしろおかしく編集したもの。ネコまる大賞は、箱にぴったり収まっちゃった猫や、変顔猫とかが楽しめます。本編の方は見入っちゃう内容なのですが、特典映像の方はBGN(バックグラウンドにゃんこ)として、ながら作業のお供に流し見するのにも宜しいかもしれません。

さて、この『猫三昧』。色んな猫のドラマが見れて、特典映像まで付いてますし、"猫分"を満たすには十分な内容です。色々と考えさせる部分もあったりしたので、「今日は家に帰ったらうんとかまってあげよう」などと、愛娘に思いを馳せさせてくれちゃったりもします。猫好きのアナタには猫の魅力の再発見を、そうでないアナタはこのDVDで猫の可愛さに白旗をあげてしまいましょう。

"猫びより"presents 猫三昧
2008年5月23日発売/2,940円
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
販売元:ジェネオン エンタテインメント
DVD 本編51分+特典映像22分
(C)2007「猫三昧」製作委員会