出版社から送られてきた校正原稿にライターが指示を記入する。それを今までは宅配で送り返すか、FAXしていた。宅配だとコストと時間がかかるし、FAXだと小さな字は読みにくくなってしまうし、白黒だから色は伝わらない。S300M導入後は指示記入済み原稿をスキャンしてPDF化し、メールに添付して送ってしまえば、安くて速いし複数の人にも同時に送れる。

スキャンしたデータをiPod touchに入れて好きな時に見る(読む)というのはどうだろう。iPod touchなら指先の操作で画像を拡大したりスクロールしたりできるので、小さい液晶画面でも使い勝手が良い。その目的ならば文字中心の原稿であってもJPEG形式で保存しておくとよい。

そのためには、まずiPod touchをMacに接続した状態で、iTunes左ペインの「デバイス」項目からiPod touchを選択する。次に、右ペインの「写真」タブにある「写真の同期元」で、[iPhoto]を選択する。またこのとき、[フォルダを選択...]を選ぶと任意の画像保存先を指定できる。

Mac Fan 6月号に掲載された「ScanSnap S300M」「ScanSnap S510M」レビュー記事(122ページ)をスキャン後、JPEG形式で保存しiPhotoに登録してみた

iPod touchを接続し、iTunes上で[iPhoto]か[フォルダを選択...]を選んで[適用]ボタンをクリックすれば、JPEGファイルがまとめて転送される

後は、通常通り同期を行うだけで、ScanSnapで生成した画像がiPod touchに転送されるようになる。

iPod touchに転送された記事を拡大表示しているところ。大きな画像は転送時に縮小されるため、iPod touch上で拡大して見るとぼやけてしまうのが残念。iPod touchの画面解像度に合わせて事前に分割しておくなど、工夫が必要だ

名刺管理に挑戦

ScanSnapといえば、名刺管理をイメージするユーザーは多いだろう。そこで、Mac OS Xならではという方法に挑戦してみることにした。

ScanSnap ManagerはOCRの機能を持たず、PDFかJPEG画像を生成するのみだが、Mac OS X上ではそれらデータをCover FlowかQuick Lookで閲覧できる。文字の判別は問題なく行えるため、意外と困ることはない。名刺管理法としては一風変わっているが、役立つのは確か。

担当編集者の名刺をスキャンし、Cover Flowで閲覧したところ

Quick Lookで閲覧した場合

動画 - Cover Flow
S300Mで取り込んだ担当編集者の名刺。Mac OS X上であればCover Flowで閲覧可能

またすでに説明したように、iPhoto、iTunesを介しスキャンしたデータをJPEG画像としてiPod touchに送り込むこともできる。名刺ビューワーとしては非常に快適だ。ただし、iPod touchはパスワードロックをかけられるとはいえ、紛失した際の危険性を考えると、慎重に利用した方がいいだろう。

動画 - iPod touch
iPhoto、iTunesを介し、スキャンしたデータをJPEG画像としてiPod touchに送り込んでみた