米Apple CEOのSteve Jobs氏が米国時間の1月15日、サンフランシスコで開催中のMacworld Conference & Expoで基調講演を行った。今回は「One more thing」を封印。まず最初に4つの発表を行うと宣言し、そして「Time Capsule」「iPhoneのソフトウエアアップデート」「iTunes Movie Rentals」「MacBook Air」を披露した。

試行錯誤の年でもあった2007年

Steve Jobs氏、貫禄の登場で基調講演スタート

米Apple CEOのSteve Jobs氏が米国時間の1月15日、サンフランシスコで開催中のMacworld Conference & Expoで基調講演を行った。昨年のMacworldで、同社はパソコンからデジタル家電や携帯電話まで幅広くカバーする企業として、社名を「Apple Computer」から「Apple」に変更した。基調講演でJobs氏はまず、iPhone発表で始まり、iPodの新モデル発売を経て、Mac OS X Leopardのリリース成功で終えた2007年を「信じられないほど、素晴らしい1年だった」と振り返った。ただし"Apple"としての1年は順風満帆だったわけではない。成功しているiPhoneにもいくつかのトラブルがあったし、失敗した製品もある。今回の基調講演は転機となった2007年をふまえて、反省すべき点をしっかりと見直しながら"Apple"として着実な前進を図るような内容だった。

まずは集まったAppleユーザーに対して2007年のサポートに感謝

Mac OS X Leopardは3カ月間で500万コピー

Leopardはインストールベースで19%と、好調な移行ペースを維持

Airport Extreme + HDDの「Time Capsule」

Jobs氏は最初に、今回の基調講演で4つの発表を行うと予告した。最初の発表はHDDを搭載した802.11nベースステーションの「Time Capsule」だ。Leopardにはバックアップ機能のTime Machineが搭載されているが、バックアップのためにノートパソコンに外部HDDを接続するのは面倒である。Time Capsuleは、ワイアレス経由で複数のMacの自動バックアップを処理してくれる。500GBモデル (3万5,800円)と1TBモデル (5万9,800円)が用意される。

Time Capsuleをバックアップ・アップライアンスと定義

Time Machineの新CM。過去から現在までのMac君がずらり

iPhoneのホームスクリーンがカスタマイズ可能に

2つめの発表は「iPhoneのソフトウエアアップデート」だ。iPhoneは出荷開始から200日を迎えた段階で、販売台数が400万台を突破したそうだ。1月15日から提供開始となったバージョン1.1.3のファームウエアでは、Mapsでの現在地表示、Webclips、ホームスクリーンのカスタマイズ機能、複数へのSMS送信、 動画再生でのチャプター/ サブタイトル/ 言語の表示、音楽の歌詞表示サポートなどが追加された。ホームスクリーンのカスタマイズは、開発者やユーザーから根強くリクエストされていた代表的な機能だった。またiPhoneがGPS機能を備えていないのに不満を漏らすユーザーもいたが、ハードウエアに手を加えることなく、Wi-Fiベースステーションや基地局との位置関係からユーザーの現在位置を特定する機能を実現した。このようなリクエストの多かった機能の追加は、2月後半に予定されているSDKリリースをいらいらしながら待っている開発やユーザーの気持ちを多少は鎮めてくれそうだ。「iPhoneは立ち止まることなく、どんどん改善されていく」とJobs氏。

Mapsの現在地表示機能。サンフランシスコ市内でWi-Fi接続で試したところ、1ブロックと違わぬ正確さだった

基地局やWi-Fiベースステーションとの位置関係からユーザーの場所を特定。GoogleとSkyhook Wirelessの技術を利用している

ホームスクリーンのアイコンを自由に移動可能

アイコンが増えたら、ページを増やして管理できる。ページ間はフリップで移動可能

なおiPod touchユーザーに対しても、iPhone向けの追加機能に加えてMail/ Stocks/ Notes/ Weatherなどを含むアップデートが用意された。こちらは20ドル (日本国内では2480円)の有償アップデートだ。