【レビュー】

これぞ超A級のB級映画だ! - 『XX(エクスクロス) 魔境伝説』

 

……本記事のタイトルを書いた後で、思わず「この日本語おかしくない?」と自分で首をひねってしまいましたが、『XX(エクスクロス) 魔境伝説』を見た後なら、きっとこのタイトルの理由が理解していただけるはず!

ではまず、簡単にあらすじからご紹介しましょう。

物語の主人公は、二人の女子大生。
優しく真面目な性格のしより(松下奈緒)。
自由奔放で男性関係にもルーズな愛子(鈴木亜美)。
彼氏に浮気されて落ち込んでいたしよりは、心の傷を癒すため、愛子と一緒に人里離れた秘境「阿鹿里村(あしかりむら)」へと出かける。
しかし、そこで二人を待っていたのは、身も凍るような恐怖の連続だった。

突然停電した宿。
豹変する村人たち。
「今すぐ逃げろ! 足を切り落とされるぞ!」という不気味な忠告。
なぜか愛子を執拗に付け狙う謎の女レイカ(小沢真珠)。

なぜ二人は狙われるのか。そして阿鹿里村に隠された秘密とは何なのか。
永遠とも思える恐怖の夜が、いま幕を開けたのだった……。

……ということで、秘境と聞くだけで何だかテンションが上がってしまう「秘境ホラー」好きの皆さん、お待たせしました。

2002年第1回「このミステリーがすごい!」大賞で話題になった『そのケータイはXX(エクスクロス)で』(原作:上甲宣之)を映画化した本作品は、『バトル・ロワイアル』の深作健太監督と、『デスノート』シリーズの脚本を手がけた大石哲也がコンビを組んだ、何とも豪華なスリラー映画!

豪華なキャスト。外さないお約束。しかし意外な結末。そして多すぎるツッコミどころ! 一流のB級映画として自信を持ってオススメできるこの映画の見所を、ネタバレなしでご紹介していくことにしましょう。

見どころ1 : 細かいシーンでもツッコミどころ満載!

B級エンターテインメント映画であることを強く意識して作られたと思われる本作品には、本筋と関係ない部分にもたくさんのツッコミどころが用意されています。もちろん、それらはすべて監督と脚本家の狙い通りなわけですが、せっかく上質なB級エンタテインメントを味わうのですから、そこは乗っかっておかないと損というもの! 友達と一緒に見た後で、「あれはおかしいだろ!」とツッコミを入れるのに最適な仕様となっていますので、遠慮せずどんどん監督の手の中で踊ってしまいましょう。

たとえば、しよりと愛子を出迎えた老婆が、宿泊用のロッジで二人にお茶を淹れてくれるシーンでは、この老婆がありえないぐらいの手の震えっぷりで、淹れたお茶のほとんどをこぼしてしまいます。ここでは迷わず「客商売としてそれはありえないだろ!」「ていうかわざとだろ!」「どんだけー!」と全力でツッコミを(心の中で)入れましょう。

他にも、ついさっきまで泥だらけだったはずの顔がいつの間にか綺麗になっていて、さらにはメイクも完璧に戻っていたり、今しがた割と深刻なケガをしたはずなのにピンピンしていたり……話を盛り上げて先に進ませるためなら多少の矛盾は全部力技で乗り切るぜ! という制作サイドのノリノリな姿が目に浮かんできて、むしろ清々しいです。

といった具合に、初見で全部にツッコミを入れるのは不可能なぐらいポイント満載なので、何度も見てそのつど新しい発見をしてみるのもいいかも?

シリアスな本筋とのギャップで二度おいしい! こちらは松下奈緒演じる しより

見どころ2 : 必見の温泉シーン!

美女、秘境、秘湯……とくれば当然、男として期待したいのは入浴シーンですよね! そこらへんもこの映画のスタッフはバッチリ空気を読んでいて、しっかりと主演女優二人の入浴シーンを用意してござんす!(興奮のあまり口調が変に)

いやー、それにしても清純派である松下奈緒はもちろん、トップアーティストである鈴木亜美の入浴シーンを見る日が来るとは、デビュー当時から彼女を見てきた僕にも正直想像できませんでした。

そしてもちろんポロリも……ないよ! それはさすがにない! ていうか当たり前だ! ちょっとだけ期待してしまった僕は、きっと最近の激しい気候の変化に脳みその大事な部分をやられてしまったのだと思います。

ということで兄弟たちよ、男性スタッフの熱い想いが凝縮していると思われる温泉シーンは必見ですぞ!

"男性関係にルーズ"……そんな役柄を鈴木亜美(左)が演じること自体がエキサイティング。二人の温泉シーンだけは何があっても見逃してはいけません

見どころ3 : 名作ホラーのオマージュでニヤリ!

……先ほどの入浴シーン話で少々興奮しすぎましたが、もちろん見るべきポイントはまだまだあります。なんといっても嬉しいのは、過去の名作ホラー作品をオマージュした(と思われる)シーンが多数用意されていること。

たとえば豹変した村人たちが迫ってくる様子なんかは〇〇〇そのまんまですし、派手なアクションシーンでは、かの有名な〇〇〇〇〇を思い出させるあの武器が登場します。ああ、伏字でしか紹介できないのがもどかしい! でもこれもまた、本作品の楽しみ方のひとつ。随所にちりばめられた名作ホラー作品への愛を感じ取り、映画館で一人ほくそ笑んでください。

凶器のチョイスがすばらしい

見どころ4 : 原作とは異なる部分にファンも納得!

原作である小説『そのケータイはXX(エクスクロス)で』を、うまく90分の枠に収めながらも、細かいところまでしっかりと再現している本作品。それだけでも脱帽の完成度ですが、実はこの映画には原作と異なる部分もいくつか用意されています。

たとえば愛子を狙う謎の女レイカ。映画での彼女は、原作にはなかったロリータ系の可愛らしいファッションと、恐るべき狂気とのギャップで、僕たちに恐怖の新境地を見せてくれます。そしてまた、この役に小沢真珠がハマること! 狂気を秘めた美女の役といえば小沢真珠の右に出る者はいないかもしれませんね。

そうそう、ハマリ役といえば、ケータイでしよりにアドバイスしてくれる友人、弥生役の中川翔子を忘れてはいけません。パソコンを使いこなす電脳少女弥生に彼女をキャスティングするとは、スタッフわかってる! さらに言わせてもらうなら、中川翔子に眼鏡をかけさせたあたり、もっとわかってる!

……ちょっと熱くなって取り乱しましたが、最後にもうひとつだけ。

原作を読んだ人なら誰もが気になる例の「オチ」の部分ですが、こちらも納得の結末が待っていますので乞うご期待!

あまりにもハマり役

以上、まだまだ本作品を楽しむためのポイントはあるのですが、あとはご覧になった皆さん自身で見つけていただけると幸いです。

「ジェットコースタースリラー」という謳い文句に恥じない完璧なエンタテインメント作品を作り上げた製作スタッフに心からの拍手を送ると共に、ぜひ続編も期待したいところですね。そのときは入浴シーンをさらに長めでお願いします!(未練)

『XX(エクスクロス) 魔境伝説』は12月1日より全国東映系ロードショー。

(C)2007「XX」製作委員会

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