リイド社はこのほど、鉄道のしくみや歴史などを解説した『知れば知るほど面白い 鉄道雑学157』(500円)を発売した。筆者の杉山淳一氏はIT系のライターとして長年活躍してきた人物。鉄道ジャンルではインターネットのコラムサイトに紀行文を寄せる程度だったが、その鉄ちゃん歴は年齢とほぼ同じというからなんとも頼もしい。ここでは、鉄ちゃんの書を同じく鉄ちゃんの私、吉永が紹介させていただく。

『知れば知るほど面白い 鉄道雑学157』(500円)

杉山氏は鉄道関係の単行本を出すのは初めてとのことで、同書は書き下ろしである。鉄道ジャンルの本は売れ筋の著者がほぼ決まっているため、新しい著者が登場したという点からも興味深い。また1967年生まれの同氏は、ブルートレインブームを小学校高学年でむかえ、青春18きっぷ誕生の頃がまさに青春時代、社会人になってからは新幹線や特急で出張、といったように鉄道キャリアは十分である。こうやって長く鉄道を利用し続けてきた人の言葉にこそ、重さと信頼性があるというものだ。

同書は、「素朴な疑問」「鉄道のしくみ」「歴史の謎をとく」「賢い使い方」といった4章構成。「レールの下にある砂利は何のため? 」といった素朴な疑問から、「最新型ポイントは静かで揺れにくい」といった技術的な話まで、必要に応じて図を使いつつ平易な言葉で解説されているので、興味を持って読み進めば誰にでも十分理解できる。時刻表と日本地図を見ながら読むと、更に楽しめるのではないかと思う。

私が個人的に興味を持ったのは、最終章となる「賢い使い方」。お得に列車を利用するための知識が散りばめられており、切符の定価と金券ショップでの価格が比較されている。なんとも実用的な内容だ。鉄道にあまり詳しくない人も同書を読めば、鉄ちゃん心に火が付くかもしれない!?