3DCONNEXIONブース~前後左右だけでなく、上下方向の3Dコントロールまでが行える3Dマウスが登場

ロジクール・グループの関連企業で、ユニークなコントロールデバイスを開発している3DCONNEXIONは、ブースにてユニークな3Dマウス「SpaceTraveler」「SpaceNavigator」を展示、来場者の人気を集めていた。

スタンダードタイプ「SpaceNavigator」

小型ポータブルタイプ「SpaceTraveler」

マウスは本体を持ってこれを動かして入力するが、3Dマウスは上部に手を乗せ、その手の動きで入力する。最も近いものを挙げるとすれば握って使う操縦桿型のジョイスティック、あるいはIBMのノートPCでお馴染みのトラックポイントのおっきくなったヤツという感じだろうか。前後左右のアナログ入力は力加減で自在に行える。本体は見かけよりもずっと重く、安定性があり、ちょっと力を掛けてもそれ自体が動いてしまわないようになっている。

こんな感じで手を乗せて使う。外周には8個のカスタマイズ可能なボタンも装備

入力可能な操作一覧

内部構造

特徴的なのは前後左右の動きだけでなく、上下の動きが入力できる点。やり方は簡単。指でつまんでこれを上に押し上げたり下に押し込んだりするだけでいい。また、ダイヤルのように左右に回転させるような動きも入力できる。これは傾きの入力に利用できることだろう。

メインターゲットはやはり3Dグラフィックス制作ソフトやCADソフトのユーザーで、各種入力やインタラクト、プレビューの操作が直観的に行える。

AutoCAD、3ds MAX、Maya、SoftImage|XSIなどの主要なDCCソフトのほとんどがこの3Dコントローラに対応しており、PhotoShopやマイクロソフトオフィスのような一般アプリケーションにまで対応が拡大している。最近では、Google Earthの飛行操作における視点移動に対応したことで好評を博しているとのこと。より詳しい対応ソフトの情報については3DCONNEXIONのサイトを参照して欲しい。

Google Earthにも対応。上下の視点操作が楽ちん

このコントローラの基本技術は光学式マウスと同じだ。ただし、通常の光学式マウスよりも使用している光学センサーの数が多いのが特徴。回転、押し込み、スライド……といった多様な操作は、本体内に内蔵された6個のLEDからの光の変位から読み取って取得している。

担当者によれば「マウスの変わりというよりは、左手コントローラとして、マウスの補助的存在として使うのがメインコンセプトだ」とのこと。なお、付属のサポートソフトウェアを活用するとボタンのカスタマイズや、入力とそのレスポンスに関する細かい調整も行える。

左手に3Dマウス、右手に普通のマウス。二刀流で活用するのがスタンダードな活用スタイルなのだとか

現在は、コンパクトなポータブルタイプ「SpaceTraveler」(W46×D46×H43mm,230g)と、スタンダードタイプ「SpaceNavigator」(W78×D78×H53mm,479g)がラインナップされている。日本でも既に発売済みで、付属サポートソフトも日本語化が行われている。興味がある人は同社の日本法人サイトを訪れてみるといい。対応OSはWindows XP / Vista、Mac OS X 10.4.6、Linux(Red Hat)と意外にも幅広い。

SIGGRAPH期間中、3DCONNEXIONはブース内でこの3Dコントローラを市場の半額程度で販売。かなり好評だった様子で、SIGGRAPH閉幕前には、ほぼ完売してしまっていた。

会期中「SpaceTraveler」はブースで半額で販売されていた。日本では3万円近い高価な商品なので筆者も思わず購入

ブースにて、実際に触れて使ってみたが、Google Earthの操作性は直観的で実に快適であった。通常のWindowsアプリケーションで使っても、画面のスクロール操作がこのコントローラで行えるようになって面白い。一人称シューティングゲームなどにおけるキャラクタ移動操作や、リアルタイムストラテジーゲームの視界操作を行うための左手コントローラとして使えれば、さらにユーザー層を広げられるのではないか、と感じた。

(トライゼット西川善司)