こんにちは、阿久津です。先日、メディアクリエイションツールを使って「Windows 10 November Update(バージョン1511)」へアップデートする記事を寄稿しましたが、Microsoftは急遽、方針を転換し、バージョン1511へのアップデートにこの方法を使えなくなりました(図01~02)。

今後何らかの形で日本マイクロソフトからも説明があるはずですが、基本的にはWindows Update経由での更新に限定するのでしょう。

図01 英語版のダウンロードページには「These downloads cannot be used to update Windows 10 PCs to the November update」と記述が加わりました

図02 こちらは日本語版のダウンロードページ。以前と変化はありません(11月23日時点)

図03 ダウンロードした「MediaCreationToolx64.exe」のプロパティから確認したところ、ファイルバージョンが「10.0.10240.16480」に戻っていました

我々ユーザーが困るのは、作成したISOファイルのWindows 10が、ビルド10240なのかビルド10586かひと目で判断できない点です。しかし、展開イメージを管理する「Dism.exe」を使えば、簡単にISOイメージファイルの構成内容を確認できます。今回は同コマンドラインツールを使用し、Windowsイメージのビルド番号を確認する方法を紹介します。

1. ISOイメージファイルをマウントします。
2. 管理者権限でコマンドプロンプトを起動します。
3. 「dism /Get-WimInfo /WimFile:E:\sources\install.wim /index:1」と入力、実行します。
4. 結果を確認したら、コマンドプロンプトを閉じます。
5. ISOイメージファイルをアンマウントします。

これで操作が完了しました(図04~11)。

図04 メディアクリエイションツールを使ってISOイメージファイルを作成します。詳細手順は冒頭で紹介した拙著記事をご覧ください

図05 作成したISOファイルをダブルクリックします

図06 マウントが完了したら、「sources」フォルダーをダブルクリックします

図07 「install.wim(もしくはinstall.esd)」ファイルを確認してください。合わせて割り当てられたドライブ文字もメモします

図08 [Win]+[X]キーを押してクイックアクセスメニューを開き、[A]キーを押すか<コマンドプロンプト(管理者)>をクリックします

図09 「dism /Get-WimInfo /WimFile:E:\sources\install.wim /index:1」と入力して[Enter]キーを押します。なお、ドライブ文字やファイル名は環境によって異なります

図10 表示結果の「バージョン」で、Windowsイメージのビルド番号が確認できます

図11 エクスプローラーで「PC」を開き、仮想光学ドライブを取り出します

ご覧のとおりバージョン10.0.10240.16480のメディアクリエイションツールで作成した、Windowsイメージはビルド10240でした。

なお、環境によってはイメージファイル名が「install.wim」ではなく「install.esd」の場合があります。また、32ビット版を選択した場合は「x86」というパスが、64ビット版を選択した場合は「x64」というパスが加わりますので、その際は「dism /Get-WimInfo /WimFile:E:\x86\sources\install.esd /index:1」「dism /Get-WimInfo /WimFile:E:\x64\sources\install.esd /index:1」と実行してください。ちなみにファイルバージョン10.0.10586.0のメディアクリエイションツールで作成したWindowsイメージはビルド10586となりました(図12)。

図12 こちらは以前のメディアクリエイションツールで作成したISOファイルで確認した状態。バージョンは「10.0.10586」ですが、名称は「Windows 10 Pro Technical Preview」となってしました

蛇足ですが、Windows 10アップグレードをサポートするテックベンチプログラムのダウンロードページで以前ダウンロードしたISOイメージファイルには「Win10_1511_Japanese_x64.iso」とバージョン番号がファイル名に加わっていましたが、今回改めてダウンロードしたところ「Win10_Japanese_x64.iso」とビルド10240に戻っています。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)