前回に引き続いて鶴見線の話。今回は鶴見線の2つの支線に乗ってみた。芝浦支線と大川支線といった鶴見線の支線のうち、行きにくいのは大川支線。というのも、朝と夕刻しかこの支線を走る電車がないからだ。もっとも平日は比較的本数が多いので乗ることもカンタンだろうが、休日ダイヤは朝2本、夕1本なのだ。

終電が17時45分!

7月のある土曜日、鶴見駅に17時40分に着いた私は鶴見線の改札口に急いだ。大川行きの電車に乗るのだが、有人改札口を通って補助券を発行してもらわなければならないからだ。17時45分、定刻通り大川行きは鶴見駅を発車した。乗客は3割程度。国道、鶴見小野、弁天橋、浅野と先週来た駅を通過し、安善駅へ。駅には部活帰りの中学生がホームに押し寄せていた。

大川行きの電車

安善駅を過ぎると、武蔵白石駅の手前で電車はポイントを右に曲がっていく。ここからは単線。夏の夕暮れ時、ゆるやかに工業地帯を走っていく。大川駅着は17時58分だった。大川駅に着くと、数人の鉄ちゃんたちが走っていく。駅舎を写したり、ホームで記念撮影をしたり、忙しい。というのは、折り返し電車が大川駅発の最終。発車時刻は18時1分。停車時刻はわずか3分しかないからだ。私は、駅に降り、踏切を渡った。ここは朝夕以外は遮断機がおりっぱなしのあかずの踏み切りらしい。遮断機の根元の丸い部品がシュールだった。

武蔵白石駅の手前で電車はポイントを右に曲がっていく。写真は帰りの電車の後方から写している

大川駅。踏み切りがかわいい

黒猫カルテット、浅野駅

18時1分発の電車に乗って、再びもと来た鉄路を戻る。安善駅で、先ほどの中学生が乗り込んでくる。18時6分浅野駅に到着。ここで、芝浦支線に乗り換えだ。芝浦支線の駅に降りると、黒猫が2匹ホームに横たわっていた。30℃を超す真夏の日だったせいか、ホームで寝ている。写真を撮ろうとすると、薄目をあける。浅野駅をぐるりと見回したところ、別の場所にも黒猫が2匹寝そべっていた。

浅野駅。木造の駅舎がえもいわれぬ

浅川駅の主(!?)の黒猫。寝ている子もいれば、警戒してる子も

土曜日の夕刻というのに、浅野駅手前の踏切はトラックやバイクが横断していく。さすが、工業地帯というべきだろうか。18時30分、ようやく海芝浦駅行きがやってきた。いつの間にか集まっていた数名の鉄ちゃんたちが乗り込んだ。そのうち女子(鉄子)は2名だった。

海がきれいな海芝浦駅

浅野駅からは単線区間を電車は走っていく。左手はすぐ海。18時32分新芝浦着。ホームの横は運河だ。夏の夕暮れは運河も美しく見える。そして18時34分、海芝浦に着いた。海芝浦駅は東芝京浜事務所の敷地内にあるので、下車はできない。ホームから見える鶴見つばさ橋がきれいだ。

新芝浦駅。運河が美しい

海芝浦駅は目の前が海。大きな橋は鶴見つばさ橋

海芝浦駅にて。ここから先は線路はない。海芝浦 - 浅野間は、様々な引き込み線があって楽しませてくれる

ホームの先には海芝公園が設けられ、カップルたちが座っている。望遠レンズをつけたデジカメのファインダを鶴見つばさ橋に合わせると、車が通っているのがわかる。その後、ベンチに座りながらしばらく、ぼーっと海を見ていた。こんなにのんびりした時間、ここ最近はずっと過ごしていなかったな。

海芝公園にて。大きな貨物船が目の前を通り過ぎていく