未だにコロナウィルスに収束の兆しが見えない。

その上、困っている人がいる中、マスクを転売したりトイレットペーパーを買い占めたり、ネット上では毎日「お題:コロナウィルス」で、座布団で殴り合うタイプの大喜利が行われている。

まるで「本当に怖いのはウィルスではなく人間でした」という、平均レビュー☆1.5のホラー映画みたいなオチになってしまっている。

このように、世の中で大きなことが起こったり、何かが流行ると、必ずそこにつけこんで悪事を働いたり、金もうけを画策しようとする者が現れる。

この記事を開いてしまったアナタのことです

ただでさえウィルスに生活を脅かされているというのに、詐欺にまで引っかかったら、泣きっツラにヘッドロックである、せめて犯罪には巻き込まれないようにしたい。

だが、ウィルスは外出しなければ感染確率が下がるのに対し、犯罪には家から1歩も出ずに引っかかることが出来るのだ、実に便利な世の中である。

何故そんなことが出来るようになったか、というと、やはりネットの普及が大きい。

それも、危険なのは「ここをクリックすればドスケベランド開園ですよ」というような如何にも怪しいサイトだけでない。多くの人間が日常的に使用しているSNSにも危険は潜んでおり、全く気付かない内に被害に遭っているということもあるのだ。

最近、そういったネットに潜む闇を取り上げたテレビ番組シリーズがあり、先日「フォロー&リツイートで現金プレゼント!」というような「ツイッター現金プレゼント企画」の闇が特集されたという。

  • 突然ですが、100万円もらってくれませんか?

今、多くの人の脳裏に前澤友作の屈託のない笑顔が浮かんだと思うが、本件に友作は関係ない。むしろ友作は「うちには取材来なかった…」と残念がっている方だ。

去年、友作が「俺のツイッターをフォロー&リツイートで100万円あげる」というプレゼント企画を行ったことにより、同じような現金プレゼント企画アカウントが激増したのだが、当然その中には詐欺アカウントも含まれている。

冷静に考えて見れば、「突然ですが100万もらってください! 人の命がかかっているんです」や「今夜旦那が出張でいません…2兆もらってください」みたいなスパムが来ても、相手にしないだろう。

100万円もらえないどころか、詐欺であるということがわかりきっているからだ、

しかし、友作がマジでRT&フォローで100万プレゼントしてしまったことにより、SNSでの現金プレゼントに悪い意味で信用性がついてしまい、「RT&フォローで現金プレゼント」という文言を見たら、相手が友作でもないのに、何も考えずにRT&フォローしてしまう人も未だに少なくないのである。

そうしたことにより、どのような被害に遭うかというと、現金をもらう手数料をだまし取られたり、怪しい投資話を持ちかけられたり、といったことがあったようだ。それだけでなく、RT&フォローすることにより、被害に遭ったことにすら気づかない被害にあっていることもある。

現金友作のフォロワーが600万人を越えているように、現金プレゼントをするとフォロワーが増える。その、フォロワーの多いアカウントが売買されているらしい。しかも怪しい現金プレゼントアカウントをフォローしてしまうのは「おいしい話に目がなく、危機管理が薄いタイプ」である。

つまりそのアカウントのフォロワーは、「騙されやすい奴リスト」みたいなものなのだ。

振り込め詐欺が老を狙うのは騙しやすいからである。騙されやすいリストに入れられ、それが詐欺グループの手に渡ったら、今後詐欺に狙われやすくなってしまう、ということだ。

「困っている」情報の公開は慎重に

このように、SNSで抜かれるのは、住所氏名というようなゴリゴリの個人情報だけではないのである。

美容アカウントを大量にフォローしていたら「化粧品を売りつけやすい」と思われるかもしれないし、エロ自撮りアカばかりフォローしている人は出会い系詐欺に狙われやすくなるかもしれない。

しかし、犯罪に遭いたくないから、と言って、トランプ大統領のみフォローして、近づき難いアカウントにする、というのも何のためにSNSをやっているのかわからない。

SNSにある程度、己の傾向が出てしまうのは仕方がないが、いかにも怪しいアカウントや情報をRT&フォローして「私は騙されやすいです」という、危険すぎる個人情報を流さないようにする程度には気をつけるべきだろう。

また、投稿に関しても、あまり「助けてほしい」「寂しい」という内容ばかりつぶやくのはお勧めしない。

溺れる者は風呂場に浮いている縮れ毛をもつかむ、という、困っている投稿をしたら、善意で助けてくれる人も現れるかもしれないが、そこに付け込もうとする悪人が現れることもある。「HIRAGANAGA UTENAI TASUKETE」程度のヘルプ投稿なら良いが、深刻な困りごとはネットではなく、近しい人や専門家にした方が良い。

「寂しい」も同様であり、SNSでワンチャン狙う奴は、やはり寂しい人を狙うのだ。

男物のパンツを干して防犯するのと同じように、SNSにも嘘でも良いからために「最高に充実している」というような投稿をした方が防犯になるかもしれない。