娘の友達の中には、英会話スクールに通っている子がいる。小学生5年生の子どもが、である。人によっては驚かれると思うが、今どき英語を学校外で学ぶ小学生は珍しくない。かくいう我が家も娘がやりたいというので、英会話通信教材をとっている。

英語の上達には通信教材は有効ではある。英会話スクールに通うのもいい。その一方で、iPodなどのポータブルプレーヤーに英会話学習用のデータをインポートし、電車の中で聞いている人もいる。学習方法も多様化しているのだ。しかし、何といっても手軽でお安く習えるのは、NHKのラジオ講座だという人も多いだろう。ご存知の通り、NHKはラジオでいくつかの英語講座を用意している。リスナーのレベルに合わせて、基礎英語やビジネス英語などのクラスもある。その上、中国語やフランス語の番組もあるので、英語に加えてもう一ヶ国語を学びたいという人にも適している。でも、わざわざラジオから録音したデータをインポートするのは面倒くさい、と言う人もいる。そんな人にオススメしたいのが、サン電子の携帯型ラジオレコーダー・トークマスタースリム「RIR-900」だ。

トークマスタースリム「RIR-900」(右)。小さくて軽く持ち運びにも便利

ラジオが聞けて録音もできるRIR-900では、あらかじめ、早朝番組の録音を予約しておき、通勤電車の中で聞くこともできる。インポートの必要もないし、指定した時間帯の番組を毎回録音するのであれば設定は初回の1回だけですむ。これで、番組を聞き逃す心配はなくなるのだ。もちろん、予約をせずに、その場で聞いている番組を録音することもできる。 また、録音したデータは保存しておけるので、何度でも繰り返し聞くことができる。NHKの基礎英語はわずか15分。これなら毎日繰り返すのも苦痛ではない。長く続けるのが上達のコツであることは皆さん承知のことである。

英語は必要な人だけが学べばいいという意見

英語レッスン用の機能も充実。再生中に「速度」ボタンを押すと再生速度を5段階に変えられ、早聴きや遅聴きのレッスンができる。本体はiPod classicをちょっと厚くしたくらい。重さは100グラムと軽く、バッグに入れて持ち運んでも重荷にならない。もちろん、FM放送など、英語以外の番組を聞くこともできるので、英語の番組を聞き終わったら、J-WAVEでリラックスするのもいい。

録音中は「録音/レッスン」の赤いランプが点灯する

しかしだ。英語はあくまでコミュニケーションの道具。人によっては、英語が話せることよりも、もっと大切なことがあるだろうと言う人もいる。確かに、その通りなのである。直面した物事に対して、どう感じて判断するのか。限られた時間の中で、何を優先するのか。どこに自分の時間やお金、労力をつぎ込むのか。そして、誰とどのように協力していくのか。ちょっと考えただけでも、いくら英語ができたって、判断を誤ったら、うまく行くとは限らないことはたくさんある。英語力よりも思考能力。考え判断する力のほうが大事だという意見に対して、なるほどと私は思う。

それでも英語が必要だと思うのは

ならば、英語を学ぶ意味なんてないじゃん。と、思われるかもしれない。でも、英語を自分から習いたがる子どもが私の周りには少なくない。なぜか。英語ができるって、カッコいいのである。大人の私から見てもそうだ。知り合いに、仕事で英語に関りのある人がいる。以前、その人のノートをのぞいたら、英語でメモが書かれていた。別の人で、フランス語で打ち合わせ記録を取っている人もいる。語学が苦手な私には、これってカッコよく映るのである。

外国語でメモを取る人にしてみれば、漢字よりも速く書けるとか、打ち合わせのとき、相手にメモ内容を見られたくないとか、理由はいろいろあるのだろう。別にカッコつけているわけではないと思う。でも、なにより、外国語ができるというのには、できない者からするとうらやましい限りなのである。

恐らく、子どももそうなのではないか。小学生になると、子どもによってばらつきはあるものの、自分の位置がどこにあるのか気になりだす子が増える。自分が人からどう評価されているのか。実際よりも、低く見られていると、それを撤回しようとするのだ。小学5年生の娘を見ているとおもしろい。自分よりも成績が低い子から見下されると、次のテストが返ってきたとき、何気なく自分の点数を見下した子に知らしめることもあるようだ。 そんなまわりくどいことをしなくとも、英語ができるというのは自分の評価を高める大きな武器になるらしい。

動機はともあれ、親としてみれば何かに興味を持って知ろうとする、この気持ちを大切にしたいのである。娘の英語熱をさらに高めてくれるRIR-900。他にもある便利な機能については次回、詳しくお伝えする。

イラスト:YO-CO