小栗旬のすごいところは?

――大阪ではスナック すまいるの撮影現場に伺いましたが、菅田さんが日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞をとったすぐ後だったので、ギャップがすごいと思いました。

ギャップ、ありましたね。授賞式の日も『銀魂2』の撮影があったので「これから行ってきます」と言ったら、福田監督から「最優秀主演男優賞になったら、『銀魂』でいじれる」と言われました。いただいた時には「これ、『銀魂』でいじれるな」と、少しよぎってしまいました(笑)。この現場で「行って来い」と見送られたので、良い報告が出来て、良かったです。

――大阪・京都ツアーは本当に楽しかったと伺ってますが、どんな思い出がありますか?

撮影は結構バタバタで忙しかったのですが、合間を見つけて、できるだけみんなでおいしいものを食べに行きました。毎日一緒にいるので、隙あらば「あのラーメン屋がうまい」「串カツ屋がいい」と情報を交換して、行ってみたり。もともと仲が良いので、楽しかったです。みんなでラーメンに行ったら、人だかりになって入れなくなってしまうこともありました。

撮影が終わってからも集合しています(笑)。カンカン(橋本環奈)と僕の誕生日が近いので、「銀ちゃんに銀座で誕生日プレゼントを買ってもらおう」という会を企画して、小栗ファミリーと買い物に(笑)。もう、仕事で会っている感じでもないですね。

  • 志村新八

    志村新八 (C)空知英秋/集英社 (C)2018 映画「銀魂2」製作委員会

――万事屋の3人の絆は、前作よりもさらに深まったのでしょうか?

絆というよりもはや、家族ですから! 小栗家長男・菅田将暉、長女・橋本環奈です(笑)。前作では小栗ファミリーが京都観光する時に子守担当になりました。

――作品でもプライベートでも、小栗さんの座長感が現れているんですね。

本当に、偉大な先輩です。マメですし、誰よりも真面目な人。破天荒なイメージもあると思うんですけど、一つ一つに向き合っているからこそ、納得できないことを解決しなければ、という丁寧さがすごいです。

どうしたって、世間の流れとか、「こうやった方が良さそうだ」となってしまうこともあると思うんです。実際にそれは効率が良いかもしれないけど、クリエイティブな作業になった時に、「もっと時間かけた方がいいんじゃないか」ということは、沢山あります。そこに小栗さんは真正面から「こうしたほうが良くない?」と提起してくれる、すごい座長だと思います。

声の出し方が難しい新八

――『銀魂』の中で、新八のツッコミは重要なところですが、撮影現場でも菅田さんがツッコミなんですか?

みなさん、好き勝手ボケますからね! 本当に垂れ流しにしてるから、掃除しないと。でも俳優なんて基本的にボケたがりなんです。自分で何かを表現するって、基本的には"ボケ"なんだと思います。ツッコミだとしても、ツッコミというボケです。

――『銀魂2』でも新八の見どころはやはりツッコミでしょうか?

個人的に見て欲しい、聞いて欲しいポイントがありまして。前回は、意外と新八のツッコミシーンが少なかったんですが、難しかったのが「銀さんんんんんん」というツッコミ。「ん」が続いていて、どうやって発音したらいいんだ? と。あの「んんんんん」が難しくて、今回は練習しておいたので、いい感じにできたと思います。

新八の高音の「んんんんん」ってめちゃくちゃ難しいので、また現場でもアニメの新八役の阪口大助さんのLINEスタンプを聞きながらイメトレしました。本当に新八って、声の出し方を間違えると、一発で喉がやられるので、危険なんですよ! 高音で細く明瞭に声を出すのはすごく難しい。

――例えばサッカー漫画とかだったら、「このシュートを蹴ったら足がやられるかもしれない……」みたいな。

そうですね、ちょっと必殺技っぽいかもしれないですね(笑)。

次回登場・吉沢亮は「かっこよすぎることがボケ」

――次のリレーは沖田総悟役の吉沢亮さんですが、吉沢さんの印象やメッセージをいただければ。

吉沢亮、本当にボケがひどいですよ!(笑) 10代の頃から知っているんですけど、もはや、顔がかっこよすぎる事が、ボケになっている。デビュー当時、脇役としてはかっこよすぎるから、眼鏡をかけさせられていたんです。そんな人います!? 「お前かっこよすぎるから、ちょっとくもらせて」というくらいかっこ良い。

だから『銀魂』の現場でも吉沢亮のアップが終わったら、みんなが「うわ~かっこいいね」と言って、吉沢亮も近づいてきて「またモテちゃうな~、俺」とボケて、僕が「おい!」とつっこむ。さらに嫉妬する柳楽優弥が「俺もモテたい!」と、ボケの連鎖になる……という流れが、起こっていました(笑)。でも、もうそろそろ、逆にモテないんじゃないですか!?

■菅田将暉
1993年2月21日生まれ、大阪府出身。『仮面ライダーW』(09~10)でデビュー。13年の主演作『共喰い』で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝く。翌14年には『そこのみにて光輝く』などで、第24回日本映画批評家大賞助演男優賞他数々の映画賞を受賞し、17年度は寺山修司原作『あゝ、荒野』で第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた他、第42回報知映画賞、第91回キネマ旬報ベスト・テン 主演男優賞など国内の賞を次々と受賞した。2018年はドラマ『トドメの接吻』『dele』、映画『となりの怪物くん』、『生きてるだけで、愛。』(11月9日公開)に出演、2019年に映画『アルキメデスの大戦』の公開を控える。