生命保険は、その時々のライフステージや備えなければならないリスクの優先順位に合わせて選択をします。例えば、子どもが小さいうちは、死亡など万一に備える保険が最優先。今回はその死亡に備える保険の定番商品である「定期保険」について紹介します。

もともと死亡保障に備える生命保険としては、一生涯保障が続く「終身型」と、一定期間が保障される「定期型」の2種類があります。

さらに定期型には、主に保険期間を通じて同額が保障される「定期保険」と、必要保障額のように保障額が逓減する「収入保障保険」の2種類があります。

『保険期間中は保障額が変わらない方が安心』という方には定期保険が、また『保障額が必要保障額のように逓減して、その分保険料が合理的な方がいい』という方には収入保障保険がお薦めです。

更新型にして見直していくことも可能な「定期保険」

保険期間中に万一のことがあったら、死亡保険金を受け取れるのが定期保険。保険期間が満了すると保障がなくなり、満期金も解約返戻金もない掛け捨てタイプが主流で、その分、保険料は割安。年齢が若いほど、そして保険期間が短いほど保険料は割安になりますが、できれば退職するまで、または最低限末子が独立するまでの期間を設定しておくべきでしょう。

保険期間は5年や10年など比較的短い年数で設定し、満了の都度、必要な期間まで更新を繰り返す「更新タイプ」のほか、55歳満了や60歳満了など、保障が必要な年齢まで予め長期の年数で加入する「年齢満了タイプ」もあります。

更新タイプは毎回の更新時点での年齢が高くなる分、同じ保険金額であっても保険料は更新の都度上がっていきます(図参照)が、「年齢満了タイプ」は保険期間中は保険料が変わりません。

更新タイプでは、契約当初は低廉な保険料で高額の保障を用意することができますが、同じ保障額に、長期間で同じ期間を加入した場合、一般的に「更新タイプ」の方が保険料の総支払額は、高くなりがちです。

ただ、更新タイプであれば、更新時に忘れずに保障を見直すこともできますので、更新の都度、必要保障額を算出し直して保険料を引き下げていく方法もあります。

また、保険会社によっては更新時に健康体であることが確認できれば、保険料が割引されるサービスもありますので、こういった制度を上手に活用すると保険料を抑えることもできます。

つまり、途中で保障額を見直したり、保険料が変更されたりするのが煩わしい人は「年齢満了タイプ」で、必要な期間の保障を一気に確保するのがお薦めで、現在収入が少なく保険料の支払いが大変、といった人は、とりあえず保険期間10年で加入して当面の保険料を抑え、更新時に保障額の見直しを行うのがお薦めと言えるでしょう。

■「カチっと定期」の保障内容

※保険期間および保険料払込期間は同一。保険期間は10年以上であることが必要

■健康チャレンジでさらに保険料が割引

インターネットや通販で加入すると保険料が割安

インターネットや通販での販売量が多いのも定期保険の特徴の一つです。

定期保険のようなシンプルで分かりやすい商品であれば、販売員から説明を聞かなくても必要な保障額は自分で計算することができます。

昨今、インターネットで簡単に契約手続きができる保険会社もありますので、このようなシンプルな商品こそ、保険料が割安な「ネット生保」を利用するのもよいでしょう。

監修 :
ファイナンシャルプランナー 藤川太さん

家計の見直し相談センター代表取締役。
「サラリーマンは2度破産する」(朝日新聞出版)はベストセラーに。貯蓄、投資、保険、家計管理と幅広いアドバイスとその鋭い指摘にファンは多い。

(経済ジャーナリスト 酒井富士子)