他学科の授業も受講する中で、学びが多いと感じているのは放送学科の「メディア研究」。「映画会社やテレビ局の成り立ちから、インターネットが普及して、ニコ動やYouTubeが出てきて…という歴史を追ってくれるんで、すごく面白くて。自分の知識が増えるのはいいなと思いますね」と充実の様子だ。
直接的な交流はなくても、「やっぱり若い子たちは見てるだけで面白いですよ。一緒に授業受けている子たちからは、青春を浴びる感じがしてまぶしいです。あと、学食にピアノが置いてあって、いろんな子が弾いているんです。すごくうまい子から全然うまくない子までめっちゃ楽しそうに弾いてる。それを聴きながら仕事してるのはかなり楽しいです」と、キャンパスライフを満喫している。
こうした学びや学生生活の経験を本業に生かすことは、まだできないないとのこと。「やっぱりもっと学生とコミュニケーションをして、“今はこんなのが流行ってるのか”と分かったら反映できるかもしれないですね」と想像する。
一方で、日芸出身の業界関係者と話をする機会が増えたのだそう。「『(全力!)脱力タイムズ』の(名城)ラリータさん、『クレイジージャーニー』の神尾(祐輔)くん、ちょっと上の世代ですけど『(天才・たけしの)元気が出るテレビ!!』からやってる長久弦さんとか、『新しいカギ』の若手ディレクターにも“私、日芸なんですよ”と声をかけられて話ができるので、共通の話題ができて楽しいですね」と、一つのメリットを感じている。
その人脈を生かして、「僕が知ってる日芸出身のOBには、直接日芸祭の協賛金をお願いしています」と実行委員の仕事に注力。「広告はウェブ掲載とパンフレット掲載の2種類あります。セットにすると割引きもありますので、ぜひ」とアピールした。
新しい創作活動やネットワーク構築に期待
まだ100%謳歌できていないキャンパスライフだが、「大学生でいる中で何か出会いがあるかもしれないし、新しい創作活動やネットワークができるのが理想です。でも、18歳の時には“まだ4年もあるよ”と思っていたけど、47歳になると4年なんてあっという間ですからね」と、期待と焦りをのぞかせる大井氏。
大学入学にあたっての第一目標である小説は、「ゼミ誌に載せるのが、8月までに第一稿を上げなきゃいけないんです。事実に基づいたフィクションというジャンルが理想なので、題材になる事件や出来事を自分なりにまとめたいと思います」と構想を明かし、「一冊ではなく、何作も書いていければと思います」と夢を膨らませている。
●大井洋一
1977年生まれ、東京都出身。駒澤大学を除籍後、放送作家に。『はねるのトびら』『笑っていいとも!』『SMAP×SMAP』(フジテレビ)、『リンカーン』(TBS)、『BAZOOKA!!!』(BSスカパー!)などを担当し、現在の担当番組は『水曜日のダウンタウン』『それSnow Manにやらせて下さい』『週刊さんまとマツコ』(TBS)、『新しいカギ』『呼び出し先生タナカ』(フジテレビ)、『上田ちゃんネル』(テレビ朝日)、『人間研究所 ~かわいいホモサピ大集合!!~』(中京テレビ)、『チャンスの時間』(ABEMA)、『佐久間宣行のNOBROCK TV』(YouTube)など。総合格闘技「THE OUTSIDER」にも挑戦し、55~60kg第2代王者となった。25年4月から日本大学芸術学部文芸学科に在学中。