2024年4月26日より全国劇場にて期間限定上映されるVシネクスト『王様戦隊キングオージャーVSドンブラザーズ』(監督:加藤弘之)、『王様戦隊キングオージャーVSキョウリュウジャー』(監督:坂本浩一)の最速先行上映会が23日に東京・新宿バルト9で行なわれ、『王様戦隊キングオージャー』『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のメインキャストと『獣電戦隊キョウリュウジャー』の新キャラクター・キングキョウリュウレッド役を演じる川名輪太郎、そして加藤監督が登壇。キングオージャーが対照的な2つの「戦隊」と個性をぶつけあう「VSシリーズ2本立て」作品にかける意気込みや見どころを語りあった。

  • 上段左から加藤弘之監督、石川雷蔵、柊太朗、別府由来、渡辺碧斗、平川結月、池田匡志。下段左から、鈴木浩文、志田こはく、樋口幸平、酒井大成、川名輪太郎、村上愛花、佳久創

■『王様戦隊キングオージャーVSドンブラザーズ』『王様戦隊キングオージャーVSキョウリュウジャー』最速先行上映会

『王様戦隊キングオージャーVSドンブラザーズ』は、2022年に放送された『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の8人が、どういうわけか王様戦隊キングオージャーのいる「チキュー」の各王国に現れ、あろうことか6人の国王もろとも死んでしまい「死の国ハーカバーカ」へやってくる……という奇想天外なストーリー。

『王様戦隊キングオージャーVSキョウリュウジャー』は、2013年に放送された『獣電戦隊キョウリュウジャー』で活躍した6人の「強き竜の者」たちと何らかの関係があるプリンス=キングキョウリュウレッド/桐生ダイゴロウが、時空の歪みによって荒廃した「地球」と「チキュー」の危機を救うため奮闘する、壮大なスケールのバトル・ストーリー。

ステージには、クワガタオージャー/ギラ・ハスティー役の酒井大成、トンボオージャー/ヤンマ・ガスト役の渡辺碧斗、カマキリオージャー/ヒメノ・ラン役の村上愛花、パピヨンオージャー/リタ・カニスカ役の平川結月、ハチオージャー/カグラギ・ディボウスキ役の佳久創、スパイダークモノス/ジェラミー・ブラシエリ役の池田匡志の『キングオージャー』チーム、そしてドンモモタロウ/桃井タロウ役の樋口幸平、サルブラザー/猿原真一役の別府由来、オニシスター/鬼頭はるか役の志田こはく、イヌブラザー/犬塚翼役の柊太朗、キジブラザー/雉野つよし役・鈴木浩文、ドンドラゴクウ/ドントラボルト/桃谷ジロウ役の石川雷蔵の『ドンブラザーズ』チーム、『獣電戦隊キョウリュウジャー』からキングキョウリュウレッド/桐生ダイゴロウ(プリンス)役・川名輪太郎、『キングオージャーVSドンブラザーズ』の加藤弘之監督が登場した。

ズラリ並んだ今回の登壇メンバー。柊太朗は「いつもより視界が広いです(笑)」と髪型が変わったことに触れて客席の笑いを取ったのち「逃走して、京都のほうまで槍を振りに行っていました」と、4月24日深夜から放送のテレビドラマ『君とゆきて咲く〜新選組青春録〜』に引っ掛けたコメントを放ち、さわやかな笑顔を見せた。

スーパー戦隊シリーズの長い歴史の中でも、キャラの濃度やストーリーの奇抜さで群を抜いている『ドンブラザーズ』との共演について、佳久は「脚本を書かれた“たかみな(高野水登)”先生が『ドンブラザーズ』大好きで、リスペクトがあり、僕たちがちゃんと『ドンブラザーズ』の世界に入っていった風に思えますので、お楽しみに」と語り、『キングオージャー』の物語を構築した高野水登氏が『ドンブラザーズ』の独特なノリを尊重しながら、見事に2つの「戦隊」がぶつかりあうストーリーを生み出したことに満足そうなコメントを残した。

『ドンブラザーズ』チームの鈴木もまた「予告編で明かされているけれど、ドンブラザーズの誰が、キングオージャーのメンバーとぶつかるのか、予想をしていたのと違う組み合わせがあったりして、びっくりしました」と、両戦隊のメンバーがいかにして対立し、死の国ハーカバーカに至るのかにひとひねりもふたひねりもある内容に感心しつつコメントした。樋口は鈴木の言葉を受け「井上敏樹先生……いや、大先生感があったよね」と、「大先生」というニックネームで親しまれている『ドンブラザーズ』の脚本家・井上敏樹氏に対するリスペクトが大いに込められた作品であることを強調した。

池田は「冒頭で、事務所の先輩であるこはくちゃんと一緒にナレーションができたのが嬉しかった」と、志田との「ナレーション共演」が実現したことに喜びのコメントを残しつつ「キングオージャー追加戦士のオーディションを受ける際、台本読み合わせをこはくちゃんにやってもらったことがありました。そのときのこはくちゃんの役は『デズナラク』(笑)。癒し系のデズナラクになっていたのを思い出しました」と、地帝国バグナラクに君臨していたデズナラク8世とのかけあいを志田に手伝ってもらったという、楽しい思い出を語った。

MC(宮島咲良)から「ドンブラザーズのそれぞれの役には、すぐ戻れた?」という質問が出ると、樋口は「実家のような安心感がありました」と、古巣に帰ってきた感覚を示しつつ「放送が終わって1年、僕もみんなも他のお仕事をいろいろやっていたので、すぐタロウにもどれるのかなと思っていましたが、台本を読めば身体が覚えているというか、スッとタロウに戻ることができました。今回の作品を観た方から、ドンブラザーズ色がすごかったとよく言われるんですけど、それが何なのか、言語化できない独特な空気感が出せたのだと思っています」と、1年間で培った『ドンブラザーズ』の空気感、持ち味はメンバーがそろえば自然と蘇るものだと語った。

別府と渡辺は「ブルー」戦士という共通点があるが、それだけでなく事務所が同じで、バイト先も一緒。『ドンブラザーズ』開始前からの友人同士だったことを明かした。渡辺は「(別府が)『ドンブラザーズ』に出演が決まったと知ったときは、友だちとして誇らしい気持ちと、うらやましい気持ちが混在していました。そんな猿原先輩と今回はガッツリからみ、共演が出来て嬉しかった」と、同じスーパー戦隊ヒーロー同士で共演することが叶った喜びを示した。

加藤監督は「ホン(脚本)作りの段階から、両メンバーの組み合わせや展開について積極的に意見を出しました」と話し、中でも別府と渡辺の共演は加藤監督が「ぜひに」と強く推したという。これを聞いた別府、渡辺が、加藤監督にお礼を言う場面も見られた。

平川は「リタとヒメノははるか、ソノザ(演:タカハシシンノスケ)とのからみがあります。私が好きなのは冒頭でリタとヒメノが同じ部屋にいるシーン。けっこう面白いと思います」と、テレビシリーズでも深い友情をはぐくんだリタ・ヒメノの日常シーンを推した。村上もまた「キャッキャウフフしていました(笑)。これからご覧になる方は、このシーンのことかな? と思いながら観ていただけたらと思います」と、素の仲の良さがにじみ出ているかのような2人の関係性をスクリーンで確認してほしいと語った。

■『キョウリュウジャー』竜星涼から川名輪太郎への言葉は

話題が『キングオージャーVSキョウリュウジャー』に移ると、坂本浩一監督作品の信頼厚い川名は「坂本監督の作品では、激しいアクションを求められることが多い」とコメントし、今回の作品でも川名の身体能力を活かした格闘アクションの見せ場がふんだんにあることが示された。佳久は川名のアクションについて「輪ちゃんの動きはすごい。僕が胸を張っておすすめします。今回のアクションにも注目してください」と大絶賛した。キングと呼ばれるキョウリュウレッド/桐生ダイゴ役・竜星涼から何かアドバイスがあった? という問いに対して川名は「直接、アドバイスを受けたことはありませんが、一言だけ『……イイネッ!』って褒めてもらえました」と、竜星の気さくな人柄を称えた。

ドンブラザーズ一の肉体美を誇るジロウは、トウフ国に迷い込んで「王殿」カグラギと相撲対決を行うことに。佳久は「ジロウがいちばん『キングオージャー』の世界に溶け込んでいると思う」と、ファンタジックなジロウの衣装を称えた。2人は撮影の合間にも、肉体の鍛え方や飲んでいるプロテインについてなど「筋肉トーク」で盛り上がっていたという。佳久も石川も「お芝居ではなくガチで、お互いの筋肉を褒め称え合っていました」と、筋肉を鍛える者同士、通じ合うものを感じていたことを打ち明けた。

『キングオージャーVSドンブラザーズ』の見どころとして、川名は「エンディングで真ん中にいるギラさんのダンスがかわいいので、注目してください!」と、酒井のダンスの見事さを熱烈アピール。最後に、『キョウリュウジャー』の決めポーズとセリフ「ブレイブだぜ~ッ!」を登壇者全員で放って、満足そうな笑みをうかべた。

樋口は「キングオージャーのみなさんはとても素敵で、関わりやすい、壁のない方ばかり。それだからこそ、『キングオージャー』という大作が生まれたのだと思います。『戦隊』を卒業して1年、こうしてみなさんが戦隊の歴史を紡いでいらっしゃるのはすごいと、改めて思いました」とキングオージャーチームを心から称えると同時に、『ドンブラザーズ』から『キングオージャー』、そして『爆上戦隊ブンブンジャー』と、スーパー戦隊の歴史が今もなお継続していることへの感謝と喜びを示した。

最後にマイクを手にした酒井は「1年ぶりのドンブラザーズ、10年ぶりのキョウリュウジャーのみなさんとご一緒できて、本当に光栄でした。とても楽しく撮影ができました。3戦隊の思いを感じ、受け取ってくだされば」と語って、今回の「VSシリーズ2本立て」をたくさんの人たちに観てもらい、楽しんでほしいという強い意志を示し、目をキラキラと輝かせた。酒井の挨拶が終った後、鈴木が絶妙な間で「じゃあ最後に僕が挨拶を……」とボケを飛ばしたが、劇場につめかけたファンから声援が飛んだため「思ってた反応と違う! なんでやねん! と言われたかった(笑)」とこぼして笑いを誘い、賑やかなまま舞台挨拶を締めくくった。

Ⅴシネクスト『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』は4月26日より全国劇場にて期間限定上映。10月9日にBlu-ray&DVDが発売される。