ホンダが電動バイクに注力していく姿勢を鮮明にした。2030年におけるグローバルでの電動二輪車年間販売台数目標は、2022年9月に公表した数値から50万台上積みして400万台に上方修正。今後はスーパースポーツも含む30機種以上の電動バイクを発売するという。

  • ホンダ「Honda Cub e:」

    ホンダが電動バイクに本気を出した(画像は中国で発売したEBの「Honda Cub e:」)

ホンダの電動バイク、今後の商品計画は?

2023年の動きとして、ホンダは中国で「Honda Cub e:」「Dax e:」「ZOOMER e:」のEB(Electric Bicycle:電動自転車と呼ばれる最高速度25km/h以下のカテゴリー。電動アシスト自転車は含まない)3機種を発売。日本と欧州には「EM1 e:」を投入した。

  • ホンダ「Dax e:」
  • ホンダ「ZOOMER e:」
  • 左:「Dax e:」、右:「ZOOMER e:」

  • ホンダ「EM1 e:」

    日本と欧州に投入した「EM1 e:」

2024年には「ジャパンモビリティショー2023」に出展した「SC e: Concept」をベースとしたモデルを世界各国に投入する方針。2025年にはFUN用途に使えるモデルやプラグイン充電式の電動二輪車を発売する。これらのモデルに加え、今後はスーパースポーツ、オフロード、キッズ向けバイク、ATVなど、2030年までに合計30機種以上を積極的に投入し、電動二輪車のフルラインアップ化への取り組みを加速させていく構えだ。

使用するバッテリーについては従来の三元系リチウムイオン電池に加え、リン酸鉄リチウムイオン電池を用いたバッテリーの開発も進めている。このバッテリーを搭載したモデルは2025年に投入する予定だ。中長期的には開発中の全固体電池の活用も視野に入れ、エネルギー密度の高いバッテリーの採用も検討していく。

電動バイクは安くなる?

電動バイクは安くなるのか。ホンダによれば、電動二輪車の完成車のコストは2030年に、現在の交換式バッテリー仕様の電動二輪車より50%削減することを目指していくとのことだ。

2030年の販売台数400万台実現に向け、2027年以降をめどに電動二輪車専用生産工場をグローバルで順次稼働させる。専用工場は1工場当たり投資金額約500億円、生産能力は年間100万台規模を想定している。

バイクの電動化に向けては2021年から2025年までの5年間で1,000億円の投資を進めている。2026年から2030年までの5年間には4,000億円を投じる計画だという。10年間の投資額は合計で約5,000億円となる。